イベントストーリー
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剣戟!月光浪漫の歌劇
今までは黒斗先輩を呼ぶと蒼空先輩がついてきてた。それが今では私と蒼空先輩オンリーで企画、運営をしている。
「今日はありがとうございました。」
ステージの設営を切り上げ、帰路に就く私を蒼空先輩が送ってくれる。
黒斗先輩が病院に入院してからというもの一緒に企画していない、どころか滅多に会わない。ちょっと見かけた時には私の知らない黒斗先輩になってしまったみたいで、それだけで判断するのも申し訳ないけど、前よりも怖さが増した。
喧嘩祭も一杯手伝ってもらって、体育祭も瀬名先輩とわーわー喧嘩しながら二人三脚をしてた時もいつもの、というか私が知ってる黒斗先輩だったのに…月永先輩が帰ってきて、ジャッジメントをして、その日に病院に行って退院してきたあとはまったく知らない人かなって思った。
実際、入院していたせいか少し髪は伸びてて最近は後ろに縛っていて後ろから見たら月永先輩と同じ…まぁ髪色は違うけど。外見に驚いたのは私と、Trickstarの真緒くん、スバルくん、北斗くんだけ。真くんはお見舞いに頻繁にいってたからねとは言っていたけど、とても悲しそうな顔をしていた。昔と同じなんだ…って苦笑いを浮かべて。
「蒼空先輩、黒斗先輩はお元気ですか?」
「ん、元気も元気、なんも変わんないよ?」
「…そう、ですか?」
「そんなに気になる?」
え、と顔をあげるとやっぱりなと返ってくる。
「多分、もうあの時のS1みたいに、転校生とは接しないと思う。卒業まで…あ、いやでも諦めたら駄目なんだろうけど。でも、なんか、あはは、なんて言ったらいいかな」
そういう蒼空先輩は作り笑いをしてた。私も短い間だけど、手伝ってもらったりなんかして蒼空先輩の事少しだけどわかってるから。いつもは本当にまじめで笑う時は結構豪快に笑う。苦笑いとかもするけど、それは相手を罵倒する意味でしか苦笑いしないし。だからされた時は傷つく。
「あの、無理に説明しなくてもいいですよ。Trickstarのレッスンを見にいってるのは知ってるんですけど、絶対に私が来ない日を狙ってるのもわかってるので。去年の、ハロウィンパーティーでお客さんを怒鳴ったっていうのも黒斗先輩ですよね?」
「あーうん…やっぱりすぐわかるよね。別に黒斗も好きで怒鳴ったわけじゃないけど…もちろんあれ以降も何度かやってるよ?」
「え?が、学院のドリフェスでですか?」
「それもあるけど、俺と繁華街行った時とか。いや、まともに言ってるわけじゃないけど、たまにね。」
聞くと、ちょっとはぐれたりしたときに黒斗先輩が女の人に絡まれたりして…結構放送禁止用語とか浴びせたり、逆に怯えてトイレに隠れたり。
「なんか、想像できないです。」
「だろうなー。普段はクールっていうかなんかほんと何にも動じないってところあるから。多分、情緒不安定なんじゃない?」
言って面白そうに笑う蒼空先輩。いや、笑う所ではない気が…そう思っていると、蒼空先輩に促される。見れば、そこはもう私の家の前だった。なんか、いつもより早く感じる。
「あの、もう少し時間があるなら、黒斗先輩の事、聞いてもいいですか?」
私がそう尋ねると、蒼空先輩は眉間に皺を寄せ一度目を逸らす。見たことない、表情。そして私を今までにないくらい冷たい目で見る。もしかして、時間がない?それとも聞くことすらタブー?
「黒斗の悪いところだよな…」
「は、はい?」
「相手の事を嫌いだろうと、なんだろうと、好かれるんだよ。女が嫌いなのに、一歩外に出たら高い確率で逆ナンされる。可哀想だよな」
そう言った蒼空先輩は苦笑いを浮かべていた。私はとっさにすみませんと謝る。蒼空先輩、多分こうやって黒斗先輩に声かけた女の人達を追い払ってたんだってすぐにわかった。きっと、でも、今よりもっと冷たい目で。
怖い。
WWの2人は本当に怖い。
「で?目良黒斗の何を知りたいの。本人のいないところで話すのは正直嫌なんだけどな?」
「あ、えぇと、黒斗先輩のこと…ですよね…えっと」
今までと全然違う蒼空先輩の声色が怖くて目を合わせられない。多分聞くなってことなんだと思う。
「質問の準備もできてないのかよ。じゃ、俺帰るなー。黒斗の手伝いしなきゃ」
打ってかわってルンルン気分で立ち去っていく蒼空先輩にはっとして顔をあげると少し遠いところから、おやすみー!と手を振られる。張りつめていた緊張がいまだ解けずそのまま立ちつくしてしまうが蒼空先輩は気にせずに立ち去って行った。
「どうしよう…」
明日、歌劇の当日なのに…?蒼空先輩に会ったらどんな顔をすればいいんだろう。怖いのがわかってるのに笑顔でよろしくお願いしますなんて言えない。
「な、なるべくっ、接触しない様にしよう…」
そう決意を固くした私は、緊張をほぐすため深呼吸をして、家に入っていった。
NEXT::
今までは黒斗先輩を呼ぶと蒼空先輩がついてきてた。それが今では私と蒼空先輩オンリーで企画、運営をしている。
「今日はありがとうございました。」
ステージの設営を切り上げ、帰路に就く私を蒼空先輩が送ってくれる。
黒斗先輩が病院に入院してからというもの一緒に企画していない、どころか滅多に会わない。ちょっと見かけた時には私の知らない黒斗先輩になってしまったみたいで、それだけで判断するのも申し訳ないけど、前よりも怖さが増した。
喧嘩祭も一杯手伝ってもらって、体育祭も瀬名先輩とわーわー喧嘩しながら二人三脚をしてた時もいつもの、というか私が知ってる黒斗先輩だったのに…月永先輩が帰ってきて、ジャッジメントをして、その日に病院に行って退院してきたあとはまったく知らない人かなって思った。
実際、入院していたせいか少し髪は伸びてて最近は後ろに縛っていて後ろから見たら月永先輩と同じ…まぁ髪色は違うけど。外見に驚いたのは私と、Trickstarの真緒くん、スバルくん、北斗くんだけ。真くんはお見舞いに頻繁にいってたからねとは言っていたけど、とても悲しそうな顔をしていた。昔と同じなんだ…って苦笑いを浮かべて。
「蒼空先輩、黒斗先輩はお元気ですか?」
「ん、元気も元気、なんも変わんないよ?」
「…そう、ですか?」
「そんなに気になる?」
え、と顔をあげるとやっぱりなと返ってくる。
「多分、もうあの時のS1みたいに、転校生とは接しないと思う。卒業まで…あ、いやでも諦めたら駄目なんだろうけど。でも、なんか、あはは、なんて言ったらいいかな」
そういう蒼空先輩は作り笑いをしてた。私も短い間だけど、手伝ってもらったりなんかして蒼空先輩の事少しだけどわかってるから。いつもは本当にまじめで笑う時は結構豪快に笑う。苦笑いとかもするけど、それは相手を罵倒する意味でしか苦笑いしないし。だからされた時は傷つく。
「あの、無理に説明しなくてもいいですよ。Trickstarのレッスンを見にいってるのは知ってるんですけど、絶対に私が来ない日を狙ってるのもわかってるので。去年の、ハロウィンパーティーでお客さんを怒鳴ったっていうのも黒斗先輩ですよね?」
「あーうん…やっぱりすぐわかるよね。別に黒斗も好きで怒鳴ったわけじゃないけど…もちろんあれ以降も何度かやってるよ?」
「え?が、学院のドリフェスでですか?」
「それもあるけど、俺と繁華街行った時とか。いや、まともに言ってるわけじゃないけど、たまにね。」
聞くと、ちょっとはぐれたりしたときに黒斗先輩が女の人に絡まれたりして…結構放送禁止用語とか浴びせたり、逆に怯えてトイレに隠れたり。
「なんか、想像できないです。」
「だろうなー。普段はクールっていうかなんかほんと何にも動じないってところあるから。多分、情緒不安定なんじゃない?」
言って面白そうに笑う蒼空先輩。いや、笑う所ではない気が…そう思っていると、蒼空先輩に促される。見れば、そこはもう私の家の前だった。なんか、いつもより早く感じる。
「あの、もう少し時間があるなら、黒斗先輩の事、聞いてもいいですか?」
私がそう尋ねると、蒼空先輩は眉間に皺を寄せ一度目を逸らす。見たことない、表情。そして私を今までにないくらい冷たい目で見る。もしかして、時間がない?それとも聞くことすらタブー?
「黒斗の悪いところだよな…」
「は、はい?」
「相手の事を嫌いだろうと、なんだろうと、好かれるんだよ。女が嫌いなのに、一歩外に出たら高い確率で逆ナンされる。可哀想だよな」
そう言った蒼空先輩は苦笑いを浮かべていた。私はとっさにすみませんと謝る。蒼空先輩、多分こうやって黒斗先輩に声かけた女の人達を追い払ってたんだってすぐにわかった。きっと、でも、今よりもっと冷たい目で。
怖い。
WWの2人は本当に怖い。
「で?目良黒斗の何を知りたいの。本人のいないところで話すのは正直嫌なんだけどな?」
「あ、えぇと、黒斗先輩のこと…ですよね…えっと」
今までと全然違う蒼空先輩の声色が怖くて目を合わせられない。多分聞くなってことなんだと思う。
「質問の準備もできてないのかよ。じゃ、俺帰るなー。黒斗の手伝いしなきゃ」
打ってかわってルンルン気分で立ち去っていく蒼空先輩にはっとして顔をあげると少し遠いところから、おやすみー!と手を振られる。張りつめていた緊張がいまだ解けずそのまま立ちつくしてしまうが蒼空先輩は気にせずに立ち去って行った。
「どうしよう…」
明日、歌劇の当日なのに…?蒼空先輩に会ったらどんな顔をすればいいんだろう。怖いのがわかってるのに笑顔でよろしくお願いしますなんて言えない。
「な、なるべくっ、接触しない様にしよう…」
そう決意を固くした私は、緊張をほぐすため深呼吸をして、家に入っていった。
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