イベントストーリー
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「弓弦ー!」
「おーおー、元気だな…」
「っていうか黒斗って案外姫になつかれてるよなー?なんか、兄弟みたいだった。」
俺は今黒斗と姫を連れて2年生のお出迎えをしている。というのもたった2泊3日のうちに手伝ったプロデューサーとしての仕事の結果を転校生ちゃんに渡すため、というのと、まこたんに例の件を伝えるため。
確かに俺もいつまでも付き合わないとかなんとかってうじうじしてるのは見てて腹立ったけどこういうのって実際どうなんだろうな…
あの件の後、というかまぁ昨日つっきーが俺にお前もあの計画に参加したら面白いだろとか言ってきたせいで俺も付き合う羽目になった。いやだからそんなことしたらさらに噂が悪化するんだけど?
「でも、まこたんもせなたんも噂が立ってでも付き合いたいくらいに好きなのかな…」
…言ってもまだ学生だ。プロの世界でアイドルが恋愛なんてことになれば商売上足枷にもなるが、この夢ノ咲にいる限りは青春を謳歌する健全な学生でも問題は…
「ん?健全な学生って男でもいいのか?いや、恋愛とかはやっぱり青春って感じだが、そもそも健全ってなんだ?」
「考え方や行動が偏らず調和がとれていること」
急に横にいた黒斗がぽつりと回答をくれる。いや、そういう健全ってことじゃなく。
「で、俺は転校生ちゃんと話してくるけど、ちゃんとまこたんに言える?」
「確かに俺は恋愛感情とかわからないが馬鹿じゃないからな?それくらい言える。……たぶんな」
「変な誤解させたらまこたんが傷つくしな。というか…もうこの計画自体負傷者が出ないわけないような計画なんだけどな。」
はぁ…と1人で溜め息を吐く黒斗。まぁそうだろうな。乗り気とも乗り気じゃないともいえるけど、黒斗が恋愛感情をよく知って、悪いものじゃないっていうことが分かれば、もう少し…っていうか、それこそ一歩前進できると思う。多分このままじゃ黒斗は後退していくだけ。せなたんを守って刺された後、まるで昔に戻ったみたいに俺は他人の為に頑張るけど自分の為には頑張る必要はないなって言ってた。
完全に1年の頃の黒斗と同じで俺は思わずフラッシュバックして黒斗を警戒してしまった。それも見ればわかるって言いたげに苦笑してたっけ。
「じゃあやっぱり俺が戻ってきてからにするか。まぁでも、まこたんも疲れてるだろうし?今日無理そうだったら明日…は休みか…明後日、も2年生は振替休日だ」
「…先延ばしをすると泉もうるさそうだしな…やっぱり今日しかないだろ?」
2人揃って脱力するも俺はそうそうに転校生ちゃんにこの3日間のレッスン状況をまとめた書類を渡した。これを参考にしながらまたレッスン組んだりするから毎回記録は怠らないんだとか…
「ありがとうございます。やっぱり私だけの観点だと偏ったりするので、蒼空先輩と黒斗先輩の見方も取り入れれられてとっても助かります!」
「そう?俺は適当にやってたんだけど…あと箇条書きにしかできなくてさ。細かいところはどうしてもうまく言葉にできなかった」
「大丈夫です!黒斗先輩にもお礼を言っておいてください!…あと、お土産です。2人で召し上がってください。」
「え?いいのー?にしても随分あるね…中は帰ってから楽しみにする。あー…あとそうだ、何かと便利だからさ、連絡先交換しとこうか。」
転校生ちゃんから大きな紙袋を受け取りながらふと思い出す。ブレザーのポケットからスマホを取り出して簡単に連絡先を交換した。休日出勤はしないからね。と付け足すときょとんとされる。あぁ、学生には…わからないか。
「事務所とかで俺がよく言うジョークだよ。気にしないで…!それじゃ、お疲れさまでしたー。と、お帰り」
そう言って黒斗の元へ戻るとキャリーケースを引いたまこたんの土産話でも聞いているのか柔らかな笑みを浮かべている黒斗。あ、やっぱりせなたんとまこたん相手だと笑えるんだ?
「あ、蒼空さんも…これどうぞ!」
黒斗の傍らに立てば俺を見つけて嬉しそうにまこたんが俺にお土産をくれる。うわぁ、なんかこんなに貰うと申し訳なくなってくる。
「あ、ええとまこたん、この後すぐ家帰る?って、疲れてるから帰りたいよね?」
「え、いや…家は息苦しいので、確かに疲れてますけど、修学旅行が楽しすぎたのでこれから家に帰るってなると…憂鬱ですよ」
乾いた笑みをこぼすまこたんに俺はぜひともならうちに泊まっていかない?なんて声をかけたい。何ならあの件の話がしやすくなる。外にいるよりは…うん。
「…黒斗ー?」
「はぁ…わかってる、お前の言いたいことは。別に俺は…いいと思うけど…気まずくならないように収めろよ?」
「そっか、そうだよな!よしじゃあとりあえずまこたん今日俺んち泊まっていきなよ!積もる話、っていうかちょっといろいろ話あるから」
はい?と半ば強制ではあるがまこたんを説得し、お泊りをさせる。電話は俺からさせていただきました、頭下げたとももちろん。
その時の俺のプライドは多分どっかに破棄されていたんだと思う。
満喫♪秋の修学旅行::END
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