イベントストーリー
What is your name?
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「あー疲れた…どっと疲れがきた。」
あのレッスンから数日たって今日がその最終日だった。ともあれ俺はあの噂もあってかレッスン相手としか会わないその時間が何よりの救いとなっていて、それをいい機会としてことあるごとに弁解をしていた。
「だ、大丈夫でござるか?星宮殿…顔色が物すごく悪いでござるよ。」
「ん、まぁ…その今日面倒見た2人組が殴ってしまうほどに俺のことをからかってきたんだよ」
「それはまた災難でござ…ってぇえ!?殴ってしまうほど!?」
しのぶんの大声にその場にいた全員が振り返る。
それぞれ今回のレッスンでペアになった者同士ということもあり、また珍しい組み合わせではあるが…。
ちなみにその2人は俺がご丁寧に返してあげました。みっちり教育してからな。
「星宮先輩。目が据わってますよ。そういえば、今日は目良先輩と連絡とってないんですか?アニキが今回の噂の事もあって心配してましたよ?」
珍しいですよね。と付け加えるゆうちゃんに苦笑いを浮かべながら思い出したようにスマホを見る。もちろん、噂の事はちゃんと面と向かって伝えた。気まずいったらないけど黒斗は案外平気そうで、まぁそれくらいの噂は立ってもおかしくないか。なんて。
「あいつ、変なところで…変なんだよなー」
スマホには今回の俺のお手伝いの事もあって時間を見計らって『お疲れ様』というメッセージが届いていた。それを見ると少しほんわかして先ほどまでの疲れや怒りが和らぐ。
「星宮先輩、口元緩んでますよ」
こっそりと周りにばれないように俺に教えてくれたのはしーのんだった。え?紫乃創の紫乃の部分からもじったんだ。変とは言わせない。本人の許可も得てるしな
「え、あ…ありがと」
「ふふ、でも本当に、目良先輩の事大好きなんですね」
「ぇぇええ!?いやちがっ!しーのんは信じてたのに!?」
俺がそう喚くとまた全員が振り返る。今回はけいたんが眉間に皺を寄せて俺を一喝する。しのぶんの大声は怒らなかったのに!さっきはよかったのに!格差だろこれ。
「まったく、星宮、もう学院の外だ。近所迷惑になることを考えろ」
「…あの、星宮先輩、そういうことじゃなくて。仲がいいというか、そういう意味でですよ」
俺がふてくされているとこそこそとしーのんがそうささやく。仲がいい…まぁそりゃ仲良くなきゃ同居なんてできないし。それでも、同居するほどまで仲良くなるのも案外イレギュラーなのか…?確かにほとんどの奴は仲がいい奴がいても実家からとか、どっか一室借りて1人暮らしとか。特に黒斗と俺が住んでるのは学院の名前をでかでかと付けていて、手短に言えば付属のマンションだ。そこに住む生徒も多いが同居してるのは俺達だけ。隣の部屋のわんちゃんはたまに遊びに来るけど。
ちなみにわんちゃんが遊びに来るという話はトップシークレット…というのも、孤高の狼で生きてるから馴れ合ってるのは知られたくないんだとか…
それはさておき、実際こうして同居してるというのがイレギュラーならそれなりに今までだって大きな噂になってもおかしくはなかった。ひびきん曰く、一時はなったけど、それも2,3日程度で今回みたいに長引いてはいない。
「なんだ…何が原因なんだ。」
「おそらく泉くんだと思いますよ?」
「うぇあ!?ひ、ひびきん…」
「ふふふ、あまりにも悩んでいらっしゃったので話しかけざるを得ませんでした」
まるで語尾に星が付きそうなほどハイテンションで俺にウインクをするひびきん。なんなんだよ。
「しかし、黒斗と蒼空に至っては…そうですねぇ、あの頃からの付き合いというのもありますしそれくらい絆が深くなってもおかしくありません。すなわち愛です!」
「なんでも愛とかそういうのに持ってくな!せめて友情って…」
「おやぁ?友情もまた愛があってこそです!そこまで強く否定しては、嘘が真になってしまいますよ…?」
楽しそうにほくそ笑むひびきん。いやいや、嘘が真はまずない。俺だって、黒斗がまこたんとせなたんに…恋愛として好かれてるのは知ってる。そして、黒斗が酷いほどそれに怯えているのも。もし俺が仮に黒斗を好きになったとしても叶わないのもわかってるし、幼馴染のまこたんあるいはせなたんに敵わないのもわかってる。
「男同士って、正直どう思う…?」
「俺は一個人の感情を否定するようなことはできない。まぁ、俺たち人の概念にとらわれないのはいいことだと思うぞ?」
俺はひびきんに質問をしたつもりがなぜか斜め後ろからけいたんが黙々と答えてくれる。
「けいたん…いつから…」
「日々樹の奴がまたお前をからかっていたからな。様子を窺いに来た」
「からかうだなんてとんでもない!ちなみに私は否定しませんよ?愛は万人にあるもの!それをどのように他者に向けるかは個人の自由です!」
「いや…ええと。俺も否定はしない派だぞ?せなたんと、あ、と…もう1人には頑張ってほしいし?こういう環境だからあってもおかしくないしな?」
でも、しかし、
「俺がそうなるかっていうのは別だろ。」
そう言うと納得、といったような顔で俺を見るけいたん。確かにもう1人の俺も随分と黒斗になついているようだけど、それはなついているだけで…決して恋愛感情ではない、と思いたい。
「また、自分がよくわかんなくなってきたなー…」
特訓!凸凹なペアレッスン::END
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