イベントストーリー
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「あの…蒼空先輩?わ、悪気はなかったんです…そんな、だって桃李くんそんなに噂とか流しちゃうような子じゃないと思ってて」
俺は今、絶賛ダンスルームの隅で落ち込んでいる。
昨日何を思ってか馬鹿正直に話の内容を言ってしまった転校生ちゃんをそれもまた馬鹿正直に信じてしまった姫と紫之くん。
弁解虚しく、いたたまれなくなって昨日はそのまま帰らせて頂いたものの…。噂って怖い。と思うほど翌朝には俺と黒斗の噂が更新されていた。
「なぁ…本当に。どうしてくれんだよ」
クラスで話題になったのは当たり前。もちろんまこたんにもせなたんにもいい顔はされなくて死にたくなった。いやもちろん弁解したけど!
昼休み、まこたんは北斗やすばりゅんとも一緒にいたから3人まとめて弁解した。もとはと言えばすばりゅんのせい…。ということもあって綺麗な100円を奪ってきた。
でもそんなん序の口、怖かったのはせなたんで朝からゼロ距離かってくらい問いただしてきた。あぁもうこいつマジじゃねぇか!って思い知った、のもつかの間で何なら襟首掴まれて拷問受けた。えぇまぁ全部今日のうちに起きたことですけど。
「転校生ちゃん…、とりあえず、ドア開けないで。」
「え、でもあの…私今日は奏汰先輩と颯馬君のところに行かなきゃ…」
「えぇ!?待て待てこのダンスルームの壁一枚向こうに禍々しい気があるの感じない!?」
「え?禍々しい、気ですか?」
直接このダンスルームの目の前にはいないだろうけど、せなたんが俺を探しているのは目に見えてわかる。俺が廊下にでようもんなら殺されるんじゃないかな…ある意味脱出ゲームだ。
「せめてひびきんとけいたん来るまで待って!お寺の子がいたら邪気払える気がするから!」
「邪気って…あの、廊下に何かいるんですか?」
「瀬名泉だけど!?」
わかってよ!と一言申すとすいませんと返ってくる。弁解は何度も試みたけど、せなたん信じてくれないんだもん。けいたんが入るとき一緒に入ってきそうだけど、あのけいたんなら邪魔だって追い払ってくれそうだし…そうだそうに違いない。
そんなことを考えて俺はもう一度膝を抱えなおすとダンスルームのドアがおもむろに開く。
「…!」
「あぁ、転校生か。どうした?今日は俺たちを見てくれるのは星宮のはずだろう。」
「あ、あの!じゃぁ私行ってきます!」
ドアを開けている時間を最小限にしようとひびきんが入ってくるのと同時に転校生ちゃんはそそくさと廊下へ飛び出す。
「うわぁん!けいたん!ひびきん待ちくたびれただろうがぁぁ!」
「んん?一体何事ですか?私たちはきっかり10分前には集合しましたが」
「…まぁ察するに、あの噂の事で瀬名に狙われているからだろう。教室でも散々な目にあっていたな」
見てたなら止めろよ!と心の中で形容しがたい怒りを叫んだ。まぁでも、あんな事態に関わりたくないのはわかるけど。
「とにかく、今回のレッスンには支障をきたしたりしないだろうな?」
「あ、あぁ…大丈夫だよ。それくらいなら…うん」
厳しいようで眉を顰めたけいたんだが俺がよろよろと立ち上がるのを見ると本気で心配をしてくれているようで、体を支えてくれる。
「私一つ気になっていたのですが…今回の事はどうしてそんな飛躍した噂が流れたのですか?」
「それは…」
「あの二人三脚事件の他に要因があるのか?」
そこはいつものように無駄口叩いてないでレッスン始めるぞくらい言ってほしかったんだがどうもけいたんに俺の思いは届かないらしい。こいつ意外と興味あるんだろこの野郎。
「えぇもちろん。二人三脚事件は衝撃的でした。しかしそれは泉くんと黒斗2人に限った事実。今回はそれにまったく関係のない蒼空くんが噂になっています。もちろん同居している事実が発覚してから噂はありましたが」
え、何それ…初耳…。俺と黒斗が同居してるのそんなにネタになるのか?そんなに面白いか?いやこの場合面白いよりおいしい…か。
「あー今回は、七夕祭の時の黒斗と俺の事とかもあるみたいで。」
溜め息を吐きながら俺は何が悲しくてかことの経緯を話す。これを話すことによって少しは弁解できるのと、どこかで噂を否定してくれるよう助力してくれればいいなと思った。
しかしひびきんは何が楽しいのかにっこりと笑みを張り付けたまま耳を傾ける。正直怖い。何考えてるんだ?
「まぁなんとなくわかったがつまり、星宮、お前は目良があの格好だったら多少なりともそういう感情になるわけだろう。」
「いやいや、恋愛感情とかじゃないからな!?こう、アイドルに対する憧れみたいな…」
「ふふ、なるほど、それが今回噂になるにあたり恋愛感情として広まったわけですね?まぁそうでなければ噂は立ちませんから」
そうそう、わかってくれて助かる。やはり3年生ともなれば物分かりがいい。
「とはいえ、確かにあの時の黒斗は可愛かったですねぇ?」
「まぁ俺もお前たちと当たったが、あまりにしっくり来ていたものから拍子抜けしたぞ。」
「うんごめん。そんなことより俺の事助けて!」
俺が聞きたかったのはそんな意見じゃないんだけど!
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