イベントストーリー
What is your name?
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「なぁ…これ本気か?」
「なにが?」
この縛り方だよ!!と後列で言い合いを繰り広げる黒斗ちんと泉ちん。俺と桃ちんは組が違う中、部活は部活でと割り切って力を出し合うつもりなのに、同じ組の2人が言い合っているとハラハラしかしない。
隣のペアもなんか落ち着かない様子…ってあれは鉄虎ちんと転校生!
「あ!奴隷二号!なんで僕じゃなくてそいつと二人三脚してるの!」
「わーわー!収拾付かなくなりゅ!もう早くスタートするんら!」
「こんなくらいで焦るなよなずな。こういう時は落ち着いて深呼吸だぞ?」
「ち、近づくら!」
「…は?お前あんだけ特訓の時にもう大丈夫とか言ってたのになんだよそれ」
「ちょっと、黒斗?その威圧普通に怖いから。ねぇ、ここは我慢してよ?なずにゃんは悪くないから…あぁもうスタートの合図して!」
泉ちんの怒声ともいえる声でスタート係が慌ててピストルを上にあげて撃つ。釈然としない桃ちんの気を引き一緒に走り出す。俺も色々釈然としないけど!
桃ちんと息を合わせ走り抜ける。黒斗ちんに見てもらいながら特訓したんだ、負けられない!それに黒斗ちん物凄く怒ってたからこれで勝てなかったら尚更怒られる!
「うにゅー!」
「うぅぅぅ!!」
俺と桃ちんはほぼ同じような唸り声をあげながらゴールする。
「ひぃ…はひ…な、何位らったんら?」
「ぼ、僕たちが…1位に、決まってるよね?」
ゴールすると順位通りに列に並ばされる。俺たちが案内され座った場所は…
「やった!二兎先輩!」
「…!」
桃ちんの反応に確信を得て札を見ると、1位の文字。2人で揃ってピョンピョンはねながら喜ぶ。走り終わったときはあんなに疲れてたけど、嬉しさで吹き飛んでしまったようだ。桃ちんをいつもの癖で撫でる。いつもはふん、とふてくされてしまうけど今日は気分がいいこともあって、えへへ!なんて満面の笑みを浮かべられると俺も嬉しくなる。
「次は黒斗ちん達らぞー!」
1位の興奮からか、走って疲れたからかうまく舌が回らなかったけど次の2人の走りに期待して気にも留めなかった。
「…か、勝てるかな?」
列に並んでいた泉ちんと黒斗ちんを思い出し桃ちんが不安がる。うん、それは俺も同じ気持ち…。でもあの2人なら…。
「始まった!って、ぇぇええ!ちょ、二兎先輩あの2人走ってない!」
「あいちゅら何やってんら…?」
よくよく目を凝らして見ると何か喧嘩している…。え、肩の組み方?どうでもいいだろ!
「黒斗ちん!泉ちん!!とにかく走るんら!!」
「このワカメ頭と中二病眼帯!走れー!」
桃ちんそれ死亡フラグなんだけど…大丈夫…?
「あ、走り出し…って何あの2人物凄い怖い顔して物凄い速さで走ってる!?」
「桃ちんがやる気スイッチ押したから褒めたいところだけど、とりあえず今は逃げた方がいいと思うぞ?」
出だしはぶっちぎりのビリだった黒斗ちんと泉ちんは正気に戻り走り出すや否や、やるからには本気のプロ根性の泉ちんと、中二病と言われて今すぐ殴り込みに来たいけど泉ちんの気持ちは汲んであげる黒斗ちんは逆転ぶっちぎりの1位。
やった、なんて心の中で思う暇もなく2人が怖い顔してこちらに向かってくる。特に黒斗ちん怖い。怖い!!
「黒斗ちん顔が!般若になってるら!おちるいて!」
「お前が落ち着け!というか桃李どこ行ったー!!」
「ちょ、黒斗!足!足ほどいてないからぁ!?いった…」
足首を引きずられながら泉ちんが後ろから黒斗ちんの肩を思い切り引っ張る。
「うゎ!おま体重かけるなぁぁぁ!?」
目の前で転倒する黒斗ちんと泉ちん…衝撃に耐えなぜか俺が目を閉じてしまう
「え?」
明らかに泉ちんが黒斗ちんを後ろから引っ張って倒れこんだのに下にひかれてるのは黒斗ちん。足首を縛っているからか泉ちんは黒斗ちんに抱き着くように倒れている。な、なにが、起きたんだ?
「黒斗!大丈夫!?頭打ってるよねぇ!ちょっと待って今救急車…」
「いや…大丈夫だぞ?あとお前慌ててるのわかるけどもう少し落ち着け。泉がすぐ救急車呼ぶ癖…俺のせいだな」
「いや、救急車より泉ちんも黒斗ちんも自分たちの状況把握した方が…」
アイドル科にて知る人ぞ知る不思議な噂が真になってしまいそうな状況に俺は動揺する。っていうかするしかない!だって泉ちん足首縛ってあってうまく身動き取れないのわかるけど物凄く2人の距離が近い…。それに完全にこれが押し倒してるっていう体勢だとわかりやすい状況。
「状況?」
当の黒斗ちんはきょとんとしてるし…、なんで泉ちん相手だとこんなに自己防衛本能が緩くなるんだろ…
「なずにゃん…?余計なこと言わないでねぇ?」
「…!?」
泉ちん、確信犯!?
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