イベントストーリー
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決別!思い出と喧嘩祭
「なんというか…随分と金がかかってそうなB1…だな」
「ふむふむ?黒斗はそう思うか? I think…俺はこれくらいしても問題ないと思うぞー?なんたってほら、あのエイチ、テンショウイン率いるfineとケイト、ハスミ率いる紅月の対決だぞ?」
有り余るほどの金は使ってこそだ。
と高笑いしかねない父さんにもはや呆れるしかない。
夢ノ咲学院No1とNo2のユニットの本気の争い。こんな機会はないと特等席を用意され俺は父さんの横でその舞台を眺めていた。
「俺と同じように現役でありながら学院長も務めなきゃならないだろうし、ハードかつエンジョイな生活を送らなきゃだからな。使いどころを逃すなんてことしないようにしなきゃならない、だろ?」
父さんの喋り方に寄せて応えてやると心底嬉しそうに俺を見た。いや…そんな期待の眼差しを送られても。
今回のB1には驚くことに神輿が二つも用意されている。決戦ステージもなかなかに出来がいい。それもこれも、材料の時点ですべて父さんが口を挟んだからである。
教師も生徒会もB1は非公式戦として反対だが、父さんはそういう意思を持ち合わせていない。誰しもどんな状況でも輝くアイドル。その意思を継いでいるからこそどんなステージであろうと賛成している。
「とはいえ、全校生徒、あんたの顔見たことないんだよな…。」
「そうだな?俺は全員把握済みだが俺を知っているのは生徒会長、副会長、お前と、蒼空くんかな。あと泉くん」
「顔は知ってるが学院長ってことは泉も知らないだろ」
そうだったか?と今度こそ高笑いされ長い溜息が自然とこぼれる。
「あ、敬人。」
喧嘩祭が始まる直前の敬人を見つけるとそこに目を凝らす。重圧のせいで始まる前から疲れが見える。
「さーて?どっちが勝つかなー?俺としては紅月が負けて解散とか悲しくってノンノンって感じなんだが」
「…」
やけに楽しそうな父さんを睨み聞こえないふりをして敬人を上から見つめる。
転校生に説教でもしているのか?途中で参戦する紅郎に止められ溜め息を吐いているようだ。と思えば転校生の頭を撫で始めた。
「あいつ、本当に笑えるんだな。てっきりもう笑顔を捨てて生きてるのかと思ったが」
「黒斗-。お前も人のこと言えないぞ。ま、作り笑いの比率が高いお前の方が質悪いかな?」
笑顔か…そう考えると難しくなって、さらに笑顔を作れなくなるもんなんだが。
いざ移動し始めた紅月とfineを追うように視線を動かす。学院の屋上ほどの高さがある臨時に作られたこの特等席。校舎の真横に立っているものだからまるで見張り台だが…。それにしても学院の周りから何まで見渡せるというのは正直楽しい。何も遠慮することなく見れる。俺の目が疲れない、頭も疲れないのはありがたい。
「って…おいいいいいい!?」
俺の視界の隅で見えたのは敬人を放り投げる紅郎の姿。叫ぶ勢いでそちらを見れば宙に浮いている敬人がぎりぎりのところで着地をする、否着地というにはちょっと…。あぁでも、金賭けてでも神輿ちゃんと作っておいてよかったのかもな。
「What happened…びっくりした。黒斗がいきなり叫ぶから父さんいつでも病院に連絡取れるように即座にスマホ構えちゃったじゃん」
「父さん俺の目のこと知ってるだろ。なんかむかつく」
「怒らないのー。とにかく、見た感じお前はここで高みの見物より実際に地に足付けて走り回る方が好きみたいだな?」
「まぁ…そうだな。今までは鑑賞できればなんでもって思ってたが、あのS1とDDD以降は、あいつらと同じ場所にいたいって思うようになったんだよ。もともと忙しいのが好きだからな、高みの見物は性に合わない。」
とはいったものの、もう間もなくで神輿が動き出す。今からここを降りて見える場所に向かうのも…それどころかまともに身動きを取れるかすらわからない。今はここで、2つのユニットのパフォーマンスを眺めるしかないか。
神輿がゆっくりと動き出しfineが先に大きくパフォーマンスを見せる。それもこれも渉の多才さが見せる業であり、fineの、というには難しい。何より英智がいないのもあるし、桃李と弓弦だけでは渉を止められないし調和もできない。
「個人技であれだけの人を魅了できるなんてなかなか大したもんだよねー。ワタル、ヒビキ…難点も多いけどあの子はソロでもやっていけそうだ。ま、アイドルらしい仕事は難しそうだけど」
「それこそ前のサーカスみたいな…」
「そうだね!今後もあんな感じの仕事が来ると楽しくていいんだけどな!」
「ほんと、あんたは…」
「ははっ、ジョイナスジョイナス!」
「断る。」
アイドルらしい仕事。父さんは確かに現役で今でもオフでなければこうして見に来るのも忙しい人ではあるが、年齢とキャラの濃さのせいか、バラエティー番組のレギュラーを恐ろしいほどに持っている。もちろんアイドルとしてユニットの新曲を年イチで出してはいるが…。仲間は父さんと違いドラマやCMの仕事の方が断然多いというのに…。
まぁ、どれもこれもやってしまえばアイドルの仕事、となってしまうのだが。
アイドル自ら、アイドルの活動の幅を広げていくのも大事な時代だ。
NEXT::
「なんというか…随分と金がかかってそうなB1…だな」
「ふむふむ?黒斗はそう思うか? I think…俺はこれくらいしても問題ないと思うぞー?なんたってほら、あのエイチ、テンショウイン率いるfineとケイト、ハスミ率いる紅月の対決だぞ?」
有り余るほどの金は使ってこそだ。
と高笑いしかねない父さんにもはや呆れるしかない。
夢ノ咲学院No1とNo2のユニットの本気の争い。こんな機会はないと特等席を用意され俺は父さんの横でその舞台を眺めていた。
「俺と同じように現役でありながら学院長も務めなきゃならないだろうし、ハードかつエンジョイな生活を送らなきゃだからな。使いどころを逃すなんてことしないようにしなきゃならない、だろ?」
父さんの喋り方に寄せて応えてやると心底嬉しそうに俺を見た。いや…そんな期待の眼差しを送られても。
今回のB1には驚くことに神輿が二つも用意されている。決戦ステージもなかなかに出来がいい。それもこれも、材料の時点ですべて父さんが口を挟んだからである。
教師も生徒会もB1は非公式戦として反対だが、父さんはそういう意思を持ち合わせていない。誰しもどんな状況でも輝くアイドル。その意思を継いでいるからこそどんなステージであろうと賛成している。
「とはいえ、全校生徒、あんたの顔見たことないんだよな…。」
「そうだな?俺は全員把握済みだが俺を知っているのは生徒会長、副会長、お前と、蒼空くんかな。あと泉くん」
「顔は知ってるが学院長ってことは泉も知らないだろ」
そうだったか?と今度こそ高笑いされ長い溜息が自然とこぼれる。
「あ、敬人。」
喧嘩祭が始まる直前の敬人を見つけるとそこに目を凝らす。重圧のせいで始まる前から疲れが見える。
「さーて?どっちが勝つかなー?俺としては紅月が負けて解散とか悲しくってノンノンって感じなんだが」
「…」
やけに楽しそうな父さんを睨み聞こえないふりをして敬人を上から見つめる。
転校生に説教でもしているのか?途中で参戦する紅郎に止められ溜め息を吐いているようだ。と思えば転校生の頭を撫で始めた。
「あいつ、本当に笑えるんだな。てっきりもう笑顔を捨てて生きてるのかと思ったが」
「黒斗-。お前も人のこと言えないぞ。ま、作り笑いの比率が高いお前の方が質悪いかな?」
笑顔か…そう考えると難しくなって、さらに笑顔を作れなくなるもんなんだが。
いざ移動し始めた紅月とfineを追うように視線を動かす。学院の屋上ほどの高さがある臨時に作られたこの特等席。校舎の真横に立っているものだからまるで見張り台だが…。それにしても学院の周りから何まで見渡せるというのは正直楽しい。何も遠慮することなく見れる。俺の目が疲れない、頭も疲れないのはありがたい。
「って…おいいいいいい!?」
俺の視界の隅で見えたのは敬人を放り投げる紅郎の姿。叫ぶ勢いでそちらを見れば宙に浮いている敬人がぎりぎりのところで着地をする、否着地というにはちょっと…。あぁでも、金賭けてでも神輿ちゃんと作っておいてよかったのかもな。
「What happened…びっくりした。黒斗がいきなり叫ぶから父さんいつでも病院に連絡取れるように即座にスマホ構えちゃったじゃん」
「父さん俺の目のこと知ってるだろ。なんかむかつく」
「怒らないのー。とにかく、見た感じお前はここで高みの見物より実際に地に足付けて走り回る方が好きみたいだな?」
「まぁ…そうだな。今までは鑑賞できればなんでもって思ってたが、あのS1とDDD以降は、あいつらと同じ場所にいたいって思うようになったんだよ。もともと忙しいのが好きだからな、高みの見物は性に合わない。」
とはいったものの、もう間もなくで神輿が動き出す。今からここを降りて見える場所に向かうのも…それどころかまともに身動きを取れるかすらわからない。今はここで、2つのユニットのパフォーマンスを眺めるしかないか。
神輿がゆっくりと動き出しfineが先に大きくパフォーマンスを見せる。それもこれも渉の多才さが見せる業であり、fineの、というには難しい。何より英智がいないのもあるし、桃李と弓弦だけでは渉を止められないし調和もできない。
「個人技であれだけの人を魅了できるなんてなかなか大したもんだよねー。ワタル、ヒビキ…難点も多いけどあの子はソロでもやっていけそうだ。ま、アイドルらしい仕事は難しそうだけど」
「それこそ前のサーカスみたいな…」
「そうだね!今後もあんな感じの仕事が来ると楽しくていいんだけどな!」
「ほんと、あんたは…」
「ははっ、ジョイナスジョイナス!」
「断る。」
アイドルらしい仕事。父さんは確かに現役で今でもオフでなければこうして見に来るのも忙しい人ではあるが、年齢とキャラの濃さのせいか、バラエティー番組のレギュラーを恐ろしいほどに持っている。もちろんアイドルとしてユニットの新曲を年イチで出してはいるが…。仲間は父さんと違いドラマやCMの仕事の方が断然多いというのに…。
まぁ、どれもこれもやってしまえばアイドルの仕事、となってしまうのだが。
アイドル自ら、アイドルの活動の幅を広げていくのも大事な時代だ。
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