イベントストーリー
What is your name?
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「あー、えっと…なんかギャラリーが多いな?」
さすがに早朝は無理だと断念し昼前にはと学院へと向かえば生徒会の仕事をしているであろう生徒が数名。学院の中ではその程度しか生徒はいなかった。
しかし、靴を履き替えグラウンドに向かうとそこにはRa*bitsの2人とfineのゆづたん。
あと、スイカ。
「え、スイカ?」
「あぁ、これは星宮さま。来ていらしたのですね。早速ですがこちらを」
「あ、あぁ、スイカな…え?なんで」
「手ぶらじゃなんだからって、弓弦が持ってきてくれたんです。蒼空さん…黒斗さんは?」
ゆづたんから貰ったスイカを一切れ手にする俺の周りをきょろきょろと見ながらまおまおが訪ねる。
連絡はしたけど返ってきてないな。なんて心の中で呟きながらスイカを口にした。うまい、どこのスイカだ?
「黒斗はまだ、仕事中だと思う。まぁ、帰ってきてもここに来てくれるとは限らないしな?つか、そんなに黒斗が必要なレッスンでもするのか?」
「それについては俺が、」
そう言って北斗が俺の隣に位置し一度深呼吸をする。なにか重要なことなのかと相手を覗き込むように見れば更に緊張したような表情を浮かべた。
「…」
「北斗。なんだ?」
「曲を…」
「…ん?」
「新曲を、頼もうと…。…目良先輩に」
二度瞬きをした。新曲?それは転校生ちゃんに任せるんじゃ駄目なのか?あー、でも駄目か…曲作りは正直簡単には行かない。
俺だってアイドルやって黒斗の隣にいて作曲の勝手はわかってる、けど自分で一曲作り出すのは難しい。俺が適当に口ずさんだフレーズやリズムから黒斗は色々作ったりしてくれるけど、正直天才や作曲にたいして努力した奴にしか出来ないこと。ついこの間まで一般人の転校生ちゃんにははっきり言うと無理な話。
「となると、黒斗がいないことには…ってことか?」
「まぁ、そういうことに…」
「そうか、」
俺が北斗に視線を向けると避けられてしまう。あぁ、何となくわかるよ。俺がいれば、黒斗もついてくる。そう思って俺を呼んだんだろう。確かに俺は覚えが早いからって、S1に向けてアイドルとして必要なステップやあいつらの踊りを覚えて、教えた。でも今はあいつらにも自分たちで覚える力が備わって俺が出る幕はなくなった。特別曲も作れない、ダンスも思い付かない。ゼロからなにか作れる才能を持ってない俺は、今は、必要とされてないんだ。
「蒼空」
「っ…!」
柄にもなく落ち込み肩を落としていると少し離れたところから聞きなれた声が聞こえる。
「あ、黒斗さん…!」
はっと顔をあげたのは北斗とまおまお。それにつられスイカをアホみたいに食べていたすばりゅんもおぉっ!とあからさまに喜ぶ。
「…黒斗」
「連絡するより来る方が早いと思ってな。事務所の車でそのまま来た。…お前が変な連絡の仕方するからだぞ?話は後で聞くとして、Trickstarの連中と、後その他は、なにしてんだ?」
俺の頭をわしゃわしゃと雑に撫でる黒斗。うわ、珍しい。スキンシップが嫌いな黒斗が?観えてるからって、今まで俺が落ち込んでいたって、こういうこと今までなかったのに。
俺の横を通りすぎた黒斗が北斗から新曲がほしいと提案される。面倒くさいと一言溢したが、わかったと頷く黒斗の返事に安心したように北斗は笑っていて、すばりゅんは黒斗に思いきり抱き付いていた。
「仲間はずれ、だなー」
「蒼空先輩…?」
横から転校生ちゃんが声をかけてくる。不思議そうな顔と心配した顔が混ざっていて、まずいと思った。呟いたのが、聞かれたか?
「えっ、な、なに?」
いつも通りを装って笑みを浮かべながら首を傾げると、眉間に皺を寄せて怪しいと言いたげにする転校生ちゃん。しかし、まおまおに名前を呼ばれ集団の中に紛れ込んでいった。代わりに帰ってきたのは、黒斗。逃げてきたとも言えるか。
「蒼空、じゃないな…。おい、目が据わってる。怒んな」
真向かいに立った黒斗が何を言ったのかはっきりと聞き取れず一瞬意識が逸れると同時に額に衝撃が走る。
「いった!?」
それは黒斗による容赦ない拳骨だった。
「お前…メッセージもさることながら今も不安定だな。もう少し自分を保て。お前は1人じゃない」
「黒斗。別に、俺は…つーか、1人じゃないってその台詞、そっくりそのまま返してやるよ」
は?なんでだよ。そう疑問符を浮かべた黒斗にくすくすと自然に笑みが溢れた。仕返しと言わんばかりに俺が黒斗の頬を叩くと、突然の衝撃に肩をびつくかせる。が、秒の早さで怒りへと切り替わるものだから逃げるように俺はTrickstarの連中を誘って、ランニングへと繰り出した。
「ほらー、早く走れよ!黒斗に捕まった奴から腕立て200回プラスグラウンド50周なー!」
でも、黒斗が俺を容赦なく殴ってくれて別にMってわけじゃないけど、まぁ助かったかな。
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