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「もぉ～、黒斗からのラブコールだったのに何でこんなに”その他大勢”がいるわけぇ？」

「いいじゃないのよォ！たまにはKnightsとWorldWalkerの懇親会ってことで♪」

「私も、久しぶりにソラさんに会えるのを楽しみにしています。」

あんたたちが未成年だから、早めに切り上げなきゃいけなくなるでしょぉ。とイライラを隠さない泉ちゃん。
あら、泉ちゃんだってまだギリギリ19よ？
でもなんだかその声色は楽しそうなのが混ざっていて、待ち合わせ場所に行く間に鼻歌を歌っているくらい。

「さて、駅に着いたけどぉ？見当たりそう？」

「あ、あのお二方では？医療用ですが眼帯だとわかりやすいですね。」

司ちゃんの視線の先にはかわいらしいポンポンがついたニット帽をかぶって、色の入ったサングラスをかけた蒼空ちゃんと、紺色のキャスケットを深めに被って、マスクもしている完全防備の黒斗ちゃん。

「あ、おーい！す～たーん！」

と声を上げて走り出そうとする蒼空ちゃんに、慌ててついていくように小走りをする黒斗ちゃん。相変わらずの関係性のようで、急に走るな！と声をかけているさまはまるで保護者みたい。

「きゃぁん！久しぶりねェ！って…ちょっと！？近くで見たら黒斗ちゃんとってもカッコいいじゃない！！」

「ちょっと！俺は！？」

蒼空ちゃんの盛大な突っ込みを受けながらも、黒斗ちゃんにずいッと顔を寄せて見つめる。
若干体をのけ反らせる黒斗ちゃんだけど、アタシが右腕をぐっと掴むと諦めたように溜息を吐く。
黒斗ちゃんの顔はもともと中性的で、きりっとした顔立ちの女の子と言われる類の顔だったのが、今ではしっかり美形の”男の子”の顔つきに。…あら、でもなんだか目が赤い気がする。

「これじゃーいよいよモテモテになっちゃうわねェ？」

「…別に。綺麗とは言われるが」

「黒斗って恋愛疎いから狙われやすいって言われたり、その美形と眼帯してるからか近寄りがたいって言われたり、ファンの解釈によっては両極端なんだよな～？」

蒼空ちゃんが頭の後ろで手を組みながら答える。
そういう蒼空ちゃんだってかわいい顔しておきながら、女性用シャンプーのCMでとんでもない色気のある流し目をしてSNSを騒がせたくせに。

「私は俄然ソラさんを推します！stage上のperformanceでは自身の身体能力を活かしてバク宙をしたりするのがとても格好いいですよ！」

「おー！さっすがすーたん！ありがとな」

うんうん、と大きく嬉しそうに頷く蒼空ちゃんと司ちゃんを見てくすくすと笑っていると、黒斗ちゃんが眉根を下げながら笑って二人を見つめている。
のかと思えば、左手でその向こうの泉ちゃんを手招きした。

「…え、黒斗ちゃん。すっごい笑顔じゃない？」

「え、そうか？いや、別にそんな笑ったつもりは…」

「はいはい、せっかく呼ばれたから来てやったのに、いつまでもなるくんと喋ってないでよねぇ？俺が、彼氏なのに、簡単に他人に腕組ませちゃってさぁ！」

ぎろり、とアタシを睨む泉ちゃんにはいはい…と諦めて手を放す。と、

「充電」

ぼそりと黒斗ちゃんが死にそうな声で言ったのを聞き取り、首を傾げる。と同時にあろうことか黒斗ちゃんはフリーになった両腕で泉ちゃんを抱きしめた。

「「っ！？！？！？！？」」

「おわぁ…黒斗そんなに今日ダメだったのか？」










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