夢設定小説
夢小説設定
この章の夢小説設定ここに主様のお名前をお入れください。
執事が主様のことを名前で呼んでくれるかもしれません。
(記入がない場合初期設定の「かうり」になります(管理人))
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「おかえりなさいませ、主様……主様?どうされたのですか?」
『………』
いつも通りの時間よりも少し遅れて屋敷に来てくださった主様。すぐに主様をもてなし癒せるようにと準備をしていたが、帰ってきてくださった主様は目を真っ赤にして涙を流されていました。
すぐさま駆け寄って主様をソファの方へと手を引いていき、おそばに膝をついて寄り添います。
「あ、主様…あちらの世界でなにかあったのですか…?」
『……』
嗚咽で喋れないのか、今は話したくないのか口を閉ざしたまま瞳から零れる涙が主様のふとももを濡らしていきます。
ハンカチを取り出して一言声をかけて目元をぬぐうと、何も抵抗をせずに大人しくしております。
「大丈夫、大丈夫ですよ主様。私がおそばにおります。嫌なことはわすれてしまいましょう。今はゆっくりと心を休めましょう」
まっすぐ主様を見つめると、瞳を開いた主様と目が合います。少し胸の奥がドキッと跳ねます。
私を見つめる主様がもう一度瞳を閉じるとまた大粒の涙がこぼれて、主様の腕が私の首元に回されていました。
「あ、主様…っ」
『…ごめん』
「…私は大丈夫ですよ。すべて吐き出してしまいましょう」
嗚咽から泣き声に変わった主様は初めて私の前で泣かれました。
子供のように大きく声をあげてはすがるように腕にと力を込めて私のことを抱きしめてくれます。涙が私の肩を濡らそうとかまいません。
「大丈夫…大丈夫……」
そっと主様の背中を優しくさすり、泣き止むのを待ちます。
『ご、ごめ…服、汚しちゃった……』
「ふふ、大丈夫ですよ。洗ってしまえばいいのですから」
しばらくして落ち着いた主様。
申し訳なさそうに私のことを見ています。
「気分が落ち着く紅茶を淹れますね。少々お待ちください」
『…』
私が主様のソファから少し離れてティーセットの準備をしているカートのところに歩くと、主様はソファに座らず私の隣にぴったりとくっついています。
「…?おやおや、どうされましたか?」
『…きにしないで』
視線を反らして目を合わせようとしない主様ですが、よくみたら私の執事服の裾を掴んでいます。
ひとりになりたくないのか、今は誰かに甘えたいのでしょう。
そう分かると本当に愛しい方だと思わず笑みがこぼれてしまいます。
「かうり様」
『…っ名前』
「ふふ、驚かせてすみません。執事としてお名前はダメですね」
『だ、だめじゃない…よ』
「お席へまいりましょう。足元お気を付けくださいね」
ぴったりとくっつく主様にぶつからないように気を付けてカートをテーブルの方へと押す。
主様は名残惜しそうに裾から手を離してソファに腰を掛け、私は主様の前にティーカップを差し出す。
『…ありがとう』
「主様のためなら何でも致しますよ。私は主様のためならなんでもしてあげたいのです」
『…ベリアンはいつでも私の味方でいてくれる?』
「はい。いつでもいつまでも、主様の味方であり主様が許す限りおそばにおります」
『…ありがとう、大好き』
「…っはい…私もお慕いしておりますかうり様」
主様が安心して過ごせる場所。主様の心のよりどころ。主様が嫌なことも辛いことも吐き出せる唯一の場所。そして主様が笑顔になれる場所。
そんなところになれるように私は全力で努力いたします。
だから、いつでも私のところへ帰ってきてください。
かうり様。
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