ベリアン
※このお話は管理人(かうり)の性癖を如実にあらわした変態主様設定が含まれます。不快に思われる方は回れ右して他のお話を見てみてね
『ベリアーン!』
「わっ主様。おかえりなさいませ。ふふ、今日もお元気ですね」
あっちの世界で一仕事を終えて家に帰るよりも先にお屋敷へと来た。
ここのところ家に帰るよりもお屋敷に来る回数も増え、滞在時間も増えた。それほどまでに私にはここのお屋敷が過ごしやすく、実家のようになっている。
『はふぅ……ベリアンの香りは本当にメンタルが整う…』
「主様を癒せているのは嬉しいですけど…少し恥ずかしいですね」
『…あー…癒されるぅ…』
ベリアンに抱き着きながら離れている間に減っていたベリアン欲を充電する。スーハーとベリアン特有の甘いバニラのような良い香りを嗅ぎながらほっぺでベリアンの胸板を、手でベリアンの背中を、腕で……全身でベリアンを感じる。
恥ずかしそうに困惑をしながらも引きはがそうとせずに大人しくしているベリアン。
しばらく堪能してから離れると、ベリアンが部屋の入り口に置いてあったティーセットを取りに行った。
『ん、今日のスイーツはなあに?』
「ふふ、今日はマドレーヌです。私がロノくんにリクエストさせていただきました」
『やった!ベリアンの好きなマドレーヌは私の口にもすごく合うから嬉しいね!』
「はい、私もあとでいただこうと楽しみにしています」
ベリアンが私の腰かけている席の前にテキパキとティーカップやスイーツの乗ったお皿などを並べる。
マナー指導係というのもあって本当にこういうところキッチリしてるなぁ、といつも思う。
『ベリアン、ベリアン』
「いかがなさいましたか?主様」
『前にも教えてもらったけど…紅茶を飲むときのお手本を見せてくれない?』
「お手本ですか?…あ、主様が良ければ私はかまいませんよ」
『ベリアンの所作、すごくきれいだから真似したいの』
私の提案にベリアンは一瞬戸惑った様子だったが自分の分の紅茶を用意して私の隣に腰をかけて綺麗な所作で一口紅茶を飲んだ。
1枚の綺麗な絵を見入るように見てしまう。
一般人だった私にはマナーが厳しいパーティや所作を学ぶ機会もなかったから人の仕草でこんなにも見入ることがあるなんて知らなかった。
それを今まじまじと目の前で体験していることにむしろ感謝をしたいくらい。
「いかがでしょう?主様」
『…きれいすぎて言葉がでてこなかった』
「主様にそう思っていただけて嬉しいですね。少し意識をするだけでも変わるのでぜひ主様もしてみてください」
ベリアンの真似をして背筋を伸ばして浅く腰かけ、ティーカップの持ち手を指先でつまんで持ち上げる。
がっつかないように一口だけ口に流して、音を立てないように慎重に皿に戻す。
緊張して味がわからん!
「ふふ、手が震えていましたがとてもお上手でしたよ。主様」
『…お、お世辞をありがとう…』
満足そうにこちらを見て微笑むベリアンから目を反らしてベリアンの飲んでいたティーカップを見る。
ベリアンは席を立って自分の使っていたティーセットを片付けようとそのティーカップにてをのばした。
『ベリアン!待って!』
「え、あ、主様…どうされました?」
『そ、そのティーカップよく見てみたいなぁ…って』
私が何を言い出しているのかわかっていないのか必死に言葉を理解しようとしているベリアンは、思考を放棄して素直に私にティーカップを差し出した。
だってよく見たいって言ってるティーカップ、今私が使っているティーカップと同じなのだから。そっち見ればええやんともなるよねごめんね!
それは置いといてベリアンの使っていたティーカップ。ベリアンが口を付けたティーカップ。ベリアンが口を付けた紅茶…。
やることはひとつしかない。
ゴクッ
「あ、主様?!」
『…あ、美味しい』
おもむろに口を付けて飲みだす私にそろそろベリアンの思考はショートするんじゃないかな。
先程は緊張して味がわからなかったけど、今度は美味しく味わう。
ベリアンとの間接キスでもあるからね。目的はそっちだけど。
ドキドキはするけど、背徳感の方が大きいわね。
「そ、そちらは私が口をつけてしまったほうです主様…」
『うん、知ってるよ。間接キスしちゃったえへへ』
間接キスという単語にベリアンの顔から火が噴いてそれ以上は何も言わなかった。もう勝手にしてくれ、となったのだろうか。そりゃ今の私奇行でしかないよな。
結局ベリアンとの間接キスをした紅茶を飲みほし自分の紅茶も飲んだ。
マドレーヌを美味しくいただいて、ティータイムは終わりを告げた。
『ねえベリアン』
「どうされましたか?主様」
『抱き着いてもいい?』
「あ…っ」
聞きながらベリアンにぎゅって抱き着くとベリアンがふぅ、とため息を吐いたのがわかった。ああああ一家に一台ベリアンがいたら世界も平和になるだろうなぁ。
『いや…ベリアンは私だけのベリアンがいいなぁ…』
「主様…?」
『…あ、もしかして…声に出てた…?』
「…は、はい」
『えへへ…なんでもないよ、ベリアンいい匂い』
満面の笑みでほっぺをすりすりしながら抱き着く私を、困ったように笑いながら見つめるベリアンなのでした。
やっぱり管理人の欲望をさらけ出しすぎると違う意味のR18になりかねないですね。。。。
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