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ベリアン



星に願いを。






『ねえベリアン』


「なんでしょう?主様」


『こっちの世界では七夕はないの?』


「たなばた…?ですか?聞いたことありません」


『そうなんだ。あっちの世界ではね。織姫と彦星って言う男女が1年に一度天の川を通じて会える日なんだ。あと…これは忘れちゃったけど、笹の葉に願い事を書いた短冊を飾ると願い事が叶うっていう行事もあるんだ』


「そうなのですね。主様の世界にはイベントがたくさんありますね」


『…それほどみんな、願い事を叶えたいことがあるんだろうね。こじつけでもなんでも』


「…主様は、願い事はされないのですか?」


『……叶わないことを願うのは、辛いだけだから』


「主様…それは本当に叶わないことなのでしょうか…?」


『え?…人に迷惑をかけるし…きっと誰も私の願い事を叶うことを望まないから…』


「…それは、私もですか?」


『…ベリアン』


「私は主様の味方です。私にできることであれば全力で主様をお支えします。辛いときも苦しいときも必ず主様のおそばにいます。ふふ、願い事を叶える勇気をほんの少し、出してみませんか?」


『…ベリアン目を閉じてくれる?』


「え?目をですか?」


『…うん』


「かしこまりました」


『……』


ちゅ



「…?……?!」


『…』


「あ、主様……今のは……」


『…これが、私の願い事だよ…』


「そ、それは…」


『…ごめんね。嫌な気持ちにさせたなら謝るし、専属にもしないようにするし…だから、えっと…』


「…申し訳ございません、主様…」


『あ、いや…その、こっちこそごめん…』


「いえ、私は…主様のお気持ちがすごく嬉しいのです…とても今幸せな気持ちでいっぱいなのです」


『え…?』


「…こういうことは男である私から言うべきですよね…主様、執事として失格かもしれませんが私は、主様のことが異性として恋愛感情として好きです」


『ベリアン…!』






織姫と彦星も、今幸せに過ごしてるのかな。






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