夢設定小説
夢小説設定
この章の夢小説設定ここに主様のお名前をお入れください。
執事が主様のことを名前で呼んでくれるかもしれません。
(記入がない場合初期設定の「かうり」になります(管理人))
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「ねぇ、主様。恋ってなんですか?」
とある昼下がり、屋敷の玄関のちょっとした階段にふたり腰をかけていたら、隣にいる男の子がそんなことを聞いてきた。
『…え?』
彼に似合わないような単語が飛んできたことに一瞬思考が遅れた。
じっとこちらを見つめるその瞳の中に自分が映っている。
『ラト…急にどうしたの?』
彼…ラトは私の執事。けれど、執事と思えない行動に発言。そして定期的に来る発作。ラトが何を考えているのか主の私にもわからないことが多い。
ラトは自分の気分次第で相手を傷つけ、なぶり、殺すことだってできる。
「最近…自分の中にある変な感情がわからないんです。…だからミヤジ先生に聞きました。…いくつか質問をされましたが、それに答えたらミヤジ先生が「それは恋をしているんだよ」って言いました。私には…よくわかりません…」
『…ラト、誰に恋をしているの?』
ミヤジ先生がそう判断したのならきっとラトは恋をしている。
けれど私が一番に気になったのがラトが誰に恋をしたのか、だった。
「んー…」
ラトは悩むように指を顎に当てて少し唸る。
もったいぶるその行動に私は少し眉に力が入る。
「…主様は誰であってほしいんですか?」
『…え、誰って…』
ようやくでたラトの反撃に私はのけ反ってラトから身体を離した。
私は何を期待していたんだろう。そしてそれをラトに悟られているのに気づいた。
「クフフ…この間の舞踏会にいた淑女かもしれまんよ…?それか…街で見かけた少女?…森で出会った妖精とか…」
『…なっ…か、からかわないでよ』
最初の質問からだいぶそれてしまったので大きく咳ばらいをする。
ラトは気分がいいのかニコニコと私に微笑んでいる。この笑顔のラトは正直いつ狂気に走るのかがわからないから油断ならない。
『…げふん、それで恋はなにかっていう質問だったよね』
「あら、話をそらされてしまいましたね」
『さ、最初にそらしたのはラトだよ…』
「クフフ…まぁいいでしょう。ぜひ、私に教えてください主様?」
『…恋っていうのは自分の大切な人を想い、慕うことかな。相手にも同じ気持ちでいてほしくて、相手に好きになってもらえるように好みに合わせた自分にしてみたり、自分の魅力をアピールしたり…たくさん悩んでたくさん頑張ったりすることかなぁ』
「…なるほど」
『なにか思い当たることがあるの?』
うーん、とまた唸っているラトの横顔を見ていると、目を見開いたラトの頬が少しだけ赤くなった気がした。
だが、それが見間違いだと思ってしまうくらいに一瞬していつもの不敵な笑みのラトに戻ってしまった。
「やはり、私は恋をしているようです」
『…そうなんだ』
「クフフ…ではこれから私はかうり様を想い慕い、かうり様に好きになってもらえるようにかうり様好みの自分になって、私の魅力を伝えますね」
『…っえ?!』
「まぁ…私は手段は選びませんけどね」
そう言って狂気的に笑うラトに不安しか感じない。
けれど、そんな彼にドキドキをしてしまう私は、私も狂気的なのだろうか。
そんなことはもうどうでもいい。
だって今、すごく幸せだから。
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