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ハウレスくん




追いかけっこの理由




「こらアモン!ラムリ!サボってるな!」


「ぅげ、見つかった…」


「ローズくん、一旦逃げよう!」


「逃げるっすか?!」



タタタッ




「主様!今日はい~天気ですねぇ」


『ムーと出かけるとき大体晴れるからムーは晴れ男だねぇ』


「そんなことないです~」




タタタッ



「絶対追いつかれるっすよ!ラムリ!」


「僕いいところ見つけたからそこへ行けば大丈夫!」



「あれは…アモンさんとラムリさんですね…あの組み合わせはサボり中ですかね」


「ってあれ?!主様?!」











タタタッ



「ここは…なんすか?倉庫?」


「多分、ここが昔に使われていた時の地下倉庫かな~?」


『へぇー時代を感じるね』


「「主様?!」」


「ちょ、なにしてるっすか!危ないですよ!」


「主様♪僕に会いに来たんですね!なにがあっても僕が守ります♪安心してくださいね!」


『ふたりと一緒にいると大体おもしろいこと起きるからついてきちゃった!』


「はぁ…またハウレスさんにどやされる…」


「主様と過ごしてたって言えばハウさんも怒らないよ!ね!主様♪」


『専属はひとりだけど…どっちにしようか?』


「「!!」」


「そ、そうっすね…ひとりは専属で逃れられるとしても…」


「もうひとりは…逃げられない…」


『?』


「あ、主様!俺とは貸しもあるし、前に専属にしてもらったことあるっすよね!!街で主様を助けたこともあるし…!」


「あーローズくんずるい!主様!僕だって専属にしてもらったことあるし、一緒に星空見てお散歩だってしたことありますよね!♪」


『わあ、ふたりとも必死…』


「そりゃそうっすよ!ハウレスさんのお説教もトレーニングも死ぬほどきついっすから!」


「そうそう、あれはもう筋肉バカにしかできないできない。僕たちみたいな一般男子には到底できないんですよ主様」



「筋肉バカで悪かったな」


『あ』


「……」


「……」



ダッ!



「あ!こら!…ったく、逃げ足だけは早いな…」


『あははっ!ハウレスお疲れ様』


「主様も、ふたりを甘やかすのはほどほどにしてくださいね…」


『あれ、ばれちゃってた?』


「ラムリにこの場所を教えたのも主様でしょう…」


『えへへ、ハウレスの困った顔が私は好きだからしょうがないね?』


「わざわざフェネスに入浴の準備をさせる用意周到さには脱帽です…」


『シャンプーも切らしてたからもう少しお風呂までかかりそうだなぁ』


「はぁ…」


『こうやってハウレスから逃げ回るのも良いトレーニングになってるって思えば大丈夫、ね?』


「主様、顔が楽しんでいらっしゃいます…」


『はは…しょうがないなぁ、次はきっと中庭の端の薔薇の低木の小さな洞穴だよ』


「ふたりの行動パターン把握してらっしゃるんですか…!」


『そりゃ、ハウレスを困らすために、ね』


「主様…お手柔らかにお願いします…」


『……ハウレスが私との時間を作ってくれたら、考えなくもない』


「…え」


『ほら行った行った。ロノとバスティンのトレーニングの時間も押しちゃうよ』


「あ、主様…!でも…!」








私の好きな人は1日中忙しい人。


その忙しい人と少しでも一緒に居たいから、ハウレスを困らせている執事と一緒に執事を困らすの。


えへへ、もう少しだけ困らせてね。


次はロノに魚料理でも作ってもらおうかな。




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