夢設定小説
夢小説設定
この章の夢小説設定ここに主様のお名前をお入れください。
執事が主様のことを名前で呼んでくれるかもしれません。
(記入がない場合初期設定の「かうり」になります(管理人))
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「ラムリくん、主様に甘えて担当としての仕事をナックくんに任せてばかりではだめだよ」
「ルカス様〜!僕もちゃんと仕事してます!ナックが仕事してないように言ってるだけです!」
「うーん…厳しいようだけど今のラムリくんの仕事ぶりは怒られても仕方がないよ」
「はぁ〜い……これから頑張ります〜…」
なぜか今、私の部屋でラムリが正座をしてルカスのお説教を受けている。
私が来てからというものラムリのサボり癖に磨きがかかり私のところへ度々来ては専属執事を言い訳に仕事をしていなかったらしい。
私の専属執事としては頑張っていたから庇ってあげたいけれど、ルカスがわざわざ私の前でお説教している意味は私にもラムリを甘やかすなっていう釘を刺したいのだろう。
「主様、ごめんね。今までみたいに一緒にいれないですけど専属執事としての仕事はちゃんとするので任せてください!」
「……」
ルカスからの視線が痛い痛い。
笑ってるのに笑ってないあの目がいつも怖い怖い。
『あー…しばらくはみんなに迷惑かけちゃったぶん頑張ってお仕事頑張って』
「え……あ、主様…どうしてそんなこと言うんですか…?」
『え、いや、責めてるわけじゃなくて…』
「もう専属執事じゃダメなんでしょうか…ルカス様に怒られるような僕が嫌いなの…?」
『る、ルカス…』
ってルカスいつの間にかいないし!!
挨拶もなく部屋から出るなんてルカスらしくないけど、今そんなことしないで!
「ぐすん。…分かりました、主様今までありがとうございました」
『ら、ラムリ…別に嫌いってわけじゃないんだよ。ただ無理はしないで…ってことで…』
「……主様のばかっ」
そう言い残してラムリは部屋を飛び出していった。
なんだろう、この痴話喧嘩の男サイドのような立ち位置………。
私のフォローも間違ったかもしれないけれど、これで少しは仕事に専念してくれたらいいけど……。
あれから1ヶ月が経った。
ラムリと私は会話をしていない。と、言うかラムリがあっからさまに私のことを避けているのだ。
困ったものだ、と思いながらもルカスは「大丈夫大丈夫。そのままでいいんですよ」とか言い出す始末。
「主様」
『ん、ナック。どうしたの?』
「今度街で行われるイベントについて主様にも説明しておこうと思いまして。いまお時間よろしいですか?」
『えーなになにまたお祭りみたいな?』
「簡潔に言えばそうなりますね。ですが今回は催し物で執事たちが……」
廊下を歩きながら簡単に説明を聞いていると、気が話の方に向きすぎてしまい躓いてしまった。
ふらっとよろけて転びそうになる私をナックが手に持っていた資料を投げ出して支えた。
『あ、ありがとう…ナック…』
「……おや、ラムリ。これはどういうつもりかな」
「ナックごときが、主様に触ってんじゃねぇよ」
何事かとナックの方を見るとナックの首元に自分の武器を当てているラムリの姿があった。凡人の私でも分かるくらいにラムリが殺気を放っている。
ナックはひどく落ち着いた態度で私が武器に当たらないように器用に支えている。
『ら、ラムリ!やめて!危ないでしょう』
「主様から手を離せよキザ野郎」
「最近大人しく掃除してるかと思えばいつも主様をストーカーのように追いかけてたのはこういうことだったんですねラムリ」
『……え』
私が体制を直して立ち上がると、ナックは両手を上げて私から一歩引いた。
ラムリがナックを睨みつけて私の方へと近寄る。
やれやれ、と言って一言挨拶をしてナックが去っていった。
「かうり様………」
『ラムリ………どういうことなの?』
「別に…僕はお仕事してただけです…」
あんまりに気まずそうにしているラムリと目を合わせないように床に散らばったナックの資料を拾いながら話しかけると、いつも元気な彼から出ている言葉と思えないほど小さな声で返事が返ってきた。
『うーん…今日のことは見なかったことにするよ。ナックにもルカスに言わないように言っとくし…』
今日もまだラムリとはまともに話せなそうだし、と資料もすべて回収して諦めてその場を立ち去ろうとする。
「かうり様…!」
『うわ…っ!』
ぐいっと腕を引かれて近くにあった部屋へと押し込まれた。
扉を閉めたラムリがその扉に私を押し付けぐいっと迫ってくる。
何が起きたか一瞬分からず硬直していると。
「かうり様……僕のこと嫌いにならないでください…」
『ラムリ…一旦落ち着こう、話聞くし…私もラムリに伝えたいことあるから…』
「僕…僕…かうり様にばかとか言っちゃって…かうり様に嫌われたって思って…でも僕、こういうときどうしたらいいのかわかんなくって…」
あー…ラムリみたいなタイプは好き嫌いがはっきりと分かれてて、好きなタイプの人と喧嘩などしたことなかったのだろう。だからあからさまに避けたり、でもナックが言っていたことが本当なら気になるからから遠くから見守ってくれていたのだろう。
『うん…見守っていてくれたことに気づけなくてごめん』
「かうり様は…他の執事からも好かれてるから…すぐに僕のことなんて忘れちゃいますよね…」
『そんなことないよ、この1ヶ月間ラムリのことばっかり考えてた』
「かうり様ぁ…」
涙目のラムリがぎゅっと私に抱きついてくる。
久しぶりだなぁ。この感覚。勢い良く抱きついてくる割には力加減を忘れずに私が苦しまないくらいの力で抱きしめてくるラムリ。
「ずっと…ずっとかうり様に抱きつきたかったです…ナックなんかに触らせないでください…僕が…僕がかうり様の専属執事です…」
『そうだよ?ラムリだけが専属執事だから、この1ヶ月担当がいなくて困っちゃった』
私の肩のところにあるラムリの頭を撫でてあげるともふもふした髪が私の髪に絡みついてくる。
とりあえずは仲直りかな、と安心していると。
首元に謎の感触がしてビクッと身体が震えた。
『ら、らむり…』
「かうり様は僕だけの主様です」
ラムリが私の首筋に唇を当てて吸い付いている。
そう気づいたときにはもう遅く、私の首元には赤い赤いラムリの印がついていた。
『な、なにしてるのラムリ…!』
「えへへ、仲直りの印です」
『も、もう!どうするのこれ…!こんなの見られたら…!』
ラムリが耳元で囁く。
「そのときは、僕と結婚しましょう?かうり様」
ぼっと顔が赤くなる私に前と変わらない笑顔で微笑みかける彼に私は一生逃れられないでしょう…。
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