夢設定小説
夢小説設定
この章の夢小説設定ここに主様のお名前をお入れください。
執事が主様のことを名前で呼んでくれるかもしれません。
(記入がない場合初期設定の「かうり」になります(管理人))
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
苦手な方はご注意ください。
※このお話はタイムリープ系のお話です。
※公式のストーリーから反れたようなお話です。
※執事が死ぬ表現があります。
※長くなったので上・中・下でお話が分かれています。
1度目の世界では私を命がけで守ってくれた。
『ハウレス!!!ハウレス!!!すぐに…すぐにルカスが手当てしてくれるから…!だから……』
「あ…るじ、さま…ご無事で…ほん、と…に…ゲホッ…はぁ…、よかったです…」
天使狩りの最中に天使に襲われた私を助けてくれた。
けれど、その代償にハウレスは重傷を負いそのまま息を引き取った。
2度目の世界では私がいない間にハウレスが魔導服に飲み込まれてしまった。
『…い、今…なんて…』
「……ハウレスくんが、先日…貴族の遠征中に…絶望により悪魔の力が暴走してしまい…」
私に説明をしてくれたベリアンも辛そうにぽつりぽつりと言葉を紡いだ。
もう何も考えられなかった。
3度目の世界ではハウレスの危機に思わず私が飛び込んだ結果私が死んだ。
「なんで…どうして……かうり様…!」
『…もう、…もうハウレスがしんじゃうところなんて……みたく、なか………た…』
虚ろな思考と霞む視界の中見えたハウレスはどんな表情をしていたかわからなかった。わからなくてよかったのかもしれない。
ハウレスの辛そうな顔はもう思い出したくなかった。
そうして迎えた4度目の世界。
なんでこんなに繰り返しているのかわからないけれど、私はハウレスに幸せに人生を送ってほしい。今回こそはハウレスを守り私もハウレスの幸せを見守りたい。
もう何度も聞いたベリアンの自己紹介と屋敷の説明。
そして中庭で、また彼と出会う。
「アモン、また水道を壊したのか」
「いやあ…花たちに水をやろうとしただけなんすけど……あはは…」
いつ見てもかっこいい彼と、死に際の儚い彼の姿が重なって胸が苦しくなる。
一通りの流れが終わると、私は早速ハウレスの元へと走った。
コンコンッ
「誰だ?」
『は、ハウレス!』
バタバタバタッ
「あ、主様?!あの、えっと…す、すみません…主様だと知らずに…」
私が来たことに心底驚いたのか慌てて出迎えるハウレスの姿に彼が生きていることを実感する。
じっと見つめる私に恥ずかしそうに目を反らす。
「お、俺に何か用でしょうか…?」
『あ…えっと、その、このお屋敷のことわからないから、ハウレスが良ければ案内してもらえないかなって…』
1度目も2度目も私を気遣ってくれたハウレスが話しかけてくれた。
だから今回は私の方からハウレスと仲を深めたかった。
私の言葉にハウレスは少しだけ微笑んで自分の胸元に手のひらを添えて頭を少し下げる。
「俺で良ければ喜んでお供します」
『あ、ありがとう…!』
また前のように気さくに話し合えるようになりたいな、と思いながら廊下を一緒に歩く。
1度目は何も知らない世界に戸惑いながらひとりで屋敷を歩いていたところをハウレスがみつけてくれた。
2度目はハウレスが死んだことを受け入れられずに私のせいだと責めてハウレスを遠ざけた。けれど優しい彼はそんな私に話しかけ続けてくれた。そうして気づいたらまた一緒に過ごすことが増えた。
今回は、私がハウレスと一緒に居たい。
『ハウレス』
「どうしました?」
『…ううん。なんでもない!お腹すいちゃった』
「そろそろティータイムの時間なので軽食をお持ちします。このまま主様の自室に案内しますね」
一通りの屋敷の案内が終わったところで私はハウレスに話をかけた。彼からの返事が嬉しくて何を話すか考えておらずに適当に話題を振ってしまった。
それでも彼は丁寧に返事をしてくれる。
「主様は、嫌いな食べ物とかございますか?」
ピクッとハウレスの言葉に私の体が反応した。
『…かうり』
「…え?」
『かうりって呼んでくれない、かな?』
「え、あ…いや…主様をそう呼ぶわけには…」
『…そ、うだよね。ごめん。…主様が呼ばれ慣れてなくってさ…あはは』
そうだよね、いきなり名前を呼べなんておかしいよね。無理な話だよね。
少しだけ期待してしまった自分を悔いた。
「…いつかお名前をお呼びする機会があれば、その時は俺が主様のお名前を呼ばせていただきますね」
『え…あ、うん。ありがとう』
こういうところ。照れて顔を真っ赤にしながらも私を気遣って私が喜ぶようなことを言ってくれる。
この優しさに少しずつ惹かれていったんだと思う。
私は、目を細めて微笑んだ。
.