ラムリくん
※この物語には束縛、ヤンデレ要素が含まれます※
苦手な方は他の甘々のお話を読んでね!
最近、ラムリの様子がおかしい。
元から変わっている子ではあるけど…なんかおかしい気がする。
他の執事に聞いてもあまり変わった感じはしないと言われるけど…。
「主様♪」
そんなことを考えていると後ろからその考えていた人物が私のことを呼んだ。
背筋がぞわりと虫が這ったような感覚に襲われる。
できる限り不自然にならないように振り返って口角を上げる。
『ラムリ、どうしたの?』
「どうしたの?じゃないですよ!僕は主様の専属執事なんですからいつだって主様のおそばにいたいですよ!」
『あはは…ありがとう。これからロノのところに行こうかなって…』
「ごはんくん……?どうしてですか?」
まただ、またラムリの言葉にひんやりと寒気を感じる。
『そ、そろそろティータイムじゃん?』
「そうですね!♪甘いものが食べたくなる時間ですよね♪」
ふたりきりでいてはいけない、そんな警告が私の体中から感じる。
「じゃあ僕がごはんくんからデザートを貰ってくるから主様は部屋で待っててね♪」
『え、ちょっと…!』
私の静止など聞かずにラムリが軽快なスキップでキッチンの方へとはしっていった。
妙な緊張感がほぐれて椅子に全体重をかけて座る。
この違和感がわからない。
コンコンッ
『ラムリ?』
ノック音に心臓が跳ねる。心の準備のためにラムリの名前を呼んでみる。
「主様、ベリアンです」
『え?ベリアン?』
扉の方に駆け寄って開けてみる。
するとそこには優しく微笑むベリアンの姿があった。
「おやおや、扉を開けてくださってありがとうございます」
『あ、いや…ど、どうしたの?』
「いえ、この間ラムリくんのことで悩んでいたそうなので…」
ドキッと心臓が跳ねる。私の動揺を見たのかベリアンの表情から笑顔が消えて真顔で私に問う。
「主様に心配事があるのでしたら…専属執事を変えることもできます。…主様から言いづらいのであれば私の方でどうにか致しましょう」
『……』
素直に頷けなかった。ラムリのことが嫌いとか怖いとかそういうわけではなかったから。
楽しかった時間も確かにある。
『私は……』
「主様?」
今までで一番に身体が震えた。瞳孔が開いて一瞬で冷や汗が出てきた。
ベリアンが声のした方を向いた。
そこには笑顔でこちらを見るラムリの姿があった。
「ラムリくん」
「ベリアンさん、主様とふたりで何してるんですか?」
「ふふ、少し用事があったので」
「ふーん?…主様はこれからティータイムなのでまたあとでお願いします♪」
「…そうですね、またあとで伺います主様」
『……あ、うん。ありがとう』
ベリアンがすっと私から離れる。
ラムリがつかつかと私の方に歩み寄ると部屋の中に入るように促した。
抵抗もできずに部屋に戻され、椅子に腰かける。
「主様♪今日はチーズケーキです♪」
ラムリが意気揚々とデザートを机に並べる。
そんな彼の様子を伺いながらフォークを手に取り一口食べる。
美味しいはずなのに緊張で味がわからない。
「ふふーん♪」
ロノからもらってきたのか小さいクッキーを頬張りながら幸せそうに微笑んでいるラムリを見ていると本当にいつも通りである。
『ラムリ…これ食べ終わったら1回帰るね』
ベリアンからの提案のことも考えたいし…と心の中で付け足してチーズケーキの最後の一口を口の中へ入れた。
コツン、と私の真後ろで音が鳴った。
振り返るとすぐ後ろにラムリの服が見えた。
「主様は……その指輪で僕たちの屋敷と行き来してるんですよね」
『え……あ、うん…そう、だけど…』
私がおそるおそる答えると急に私の手が掴まれた。
いつも優しく接してくれるラムリと思えないくらいの力強さに恐怖心で身体が支配された。
『ラムリ…?!』
「…なら指輪を外さなければずっとここにいてくれるんだよね」
両手を掴まれそのまま壁際に押し付けられる。周りをキョロキョロ見回して何かを見つけるとそれを私の手に巻き付けた。
『ちょ、なにして…』
「主様が僕のそばから離れないように、ね…♪」
片手がカーテンで縛られる。
必死の抵抗も虚しくもう片方の手を掴まれてベットの足にも巻き付けられた。
私の両手は完全に自由を奪われた。
「これからは僕がお世話をするから安心してね、主様」
にっこりと微笑む彼の笑顔は、以前の物とはまるで違って見えた。
抵抗のできない私の首元に吸い付いては彼の印を付けられる。
『やめ……ラムリ……』
印が増えるたびにそれを見てラムリは満足そうに笑った。
するすると脱がされる服。肌が露わになるとそこにも印をつけていった。
「主様は、永遠に僕の物だよ」
『許して…ラムリ……』
「ダメだよ、他の執事のところへ逃げようとする主様が悪いんだから」
私の言葉にそう返して印だらけの首元にラムリがかみついた。
『あう…っ!?』
ぐぐ、っと肌を突き破りそうなくらいに力を込められて激痛が走った。
頭を掴まれて逃れることもできない。恐怖心で涙が溢れて声も出ない。
ラムリが口を離すとくっきりと歯型が残り、その上から血がじわっと流れる。
「主様……主様…ずっと僕こうしたかった…」
抱き着くラムリに私はもう考えることをやめた。他の執事が助けてくれるその時までただただ抵抗せずに涙を流した。
私は、この目の前の愛情を受け止めきれるのだろうか。
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