夢設定小説
夢小説設定
この章の夢小説設定ここに主様のお名前をお入れください。
執事が主様のことを名前で呼んでくれるかもしれません。
(記入がない場合初期設定の「かうり」になります(管理人))
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「かうり様…」
今まで見た中で1番幸せそうに微笑む彼。
すっと差し伸べられた手にゆっくり自分の手を重ねる。
ドレスの裾を踏まないように気をつけながら肩を並べて前へあるき出す。
少し前ー…。
『どどどどどどうしよう!!!フルーレ!どうしよう!!!』
「お、落ち着いてください主様!主様なら大丈夫ですよ!何かあってもベリアンさんにフォローしてもらえますよ!」
「ふふ、そうですよ主様。大勢いる中、転ばれたってベリアンさんなら笑って済ませてくれますよ」
「ラ、ラト!」
『転ぶ……絶対転ぶ……あんなドレス初めてだもん……』
フルーレとラトと話しながら頭を抱える。
今日は私にとって一大イベントの日。むしろこの日のために産まれ、生きてきたと言っても過言ではない。
「あ、主様!もう着替えてしまいましょう!気持ちが上がるかもしれませんよ!」
「私も早くみたいです。美しく着飾る主様を」
『うぅ…うん…』
「この日のために一生懸命俺と考えてきたじゃないですか!ベリアンさんが喜んでくれるって!」
『うん…ベリアンの隣で1番きれいでいたい』
「ほらほら!ラトはみんなと控え室で待ってて!!俺は主様のお手伝いするから!」
「残念…私も手伝いたかったのに…」
「ラトがいたら主様の晴れ舞台に遅刻をさせることになるでしょ!」
フルーレがラトを部屋から追いやった。
「さて、主様。気合を入れて着替えましょう」
『う、うん。よろしくね』
真っ白なドレスで身を包む。今まではテレビの中や雑誌の中でしか見たことがなかった純白のドレス。
細かい刺繍や飾り肌触りが良いが、思ったよりも重量を感じる。
フルーレが調整しながらコルセットを固定してより綺麗に見えるようにしてくれている。く、苦しい…。
「主様、我慢してくださいね。一連の流れが終わったら化粧直しをしてそのあとに楽な方のドレスに着替えますから」
『え…それまでご飯はお預け……?』
「ふふ、食べたらきっと後悔しますよ」
ドレスを着せ終わったフルーレが私の髪を結い始める。
綺麗に結われた頭にティアラを付けて大事なヴェールを付ける。
ここまで来て本当に私はこの日を迎えたのだと再認識させられる。
フルーレも完成した私を見て満足そうに何度もうなずいて微笑んだ。
「うん、できましたよ主様。あちらに姿見鏡がありますので見てみましょう」
『う、うん…』
ドレスの裾をフルーレが持ち上げてくれながら鏡の方へと近づく。
身長ほどある大きな鏡には、純白のウェディングドレスをまとった自分の姿が映っていた。
いつもとは違う自分の姿に言葉が出なかった。
『…私、本当に結婚するんだ…』
「そうですよ、主様。本当に、おめでとうございます」
『…フルーレ……』
「あ、もう!早いですよ主様!せっかくお化粧もしたのに…」
実感がわくと涙が溢れてきた。
ぷっくり頬を膨らますフルーレが呆れながら笑って涙をハンカチで拭ってくれた。
ずっとずっと願い続けてきた日を本当に迎えられた。それだけで嬉しい。
「ほら、主様。お時間が近づいていますからお化粧を直して会場へいきましょう」
『お母さん……』
「綺麗になったね…かうり…」
あげられたヴェールを母親がおろしてくれた。
ヴェールで視界が白くなって見えづらいが、母親の声が少し震えているのがわかった。思わず私もうるっと涙が出そうになる。
『お父さん…私、変じゃない?』
「変なんかじゃない」
扉を前にして隣に立つ父親に話しかける。いつもと様子の違う父。
それだけ会話を交わして中から聞こえるマイク越しの声を合図に扉がひらかれた。
わあ!と中にいた人たちの声が聞こえて私は父と腕を組みながら一歩、二歩と赤いカーペットの上を歩き出す。
私の歳の数、歩き進んだ先に私の最愛の人が待っていた。
彼は私の方を見ると目を細めて優しく微笑んだ。
「かうり様……本当にお美しいです」
『…ベリアンも、本当にかっこいい』
ベリアンが腕をこちらへと差し出す。
父から腕を離した私はベリアンの腕へと自分の腕を回してぎゅっとくっつく。
ふたりで幸せそうに残りのバージンロードを歩く。
「健やかなるときも病める時も…」
神父さんが読み上げる言葉を噛みしめながら聞く。
「誓います」
隣に立つベリアンがいつもよりハッキリとした口調で言い切った。
「新婦のかうりさん…夫になるベリアン・クライアンと生涯を共に添い遂げ愛し続けることを誓いますか?」
『はい…誓います!』
私もベリアンに負けないくらいに言い切ると隣でクスッとベリアンが笑ったのがわかった。
「では…誓いのキスを」
ベリアンと向き合う。ベリアンが微笑んだのを見て私は目を閉じる。顔にかかっているヴェールがあげられたのを感じていると、ヴェールをあげたベリアンの手が私の頬に触れた。
まぶたをあげる。
ヴェール越しでもかっこよく見えたベリアンが今度はハッキリと見えた。
私と同じ純白の服装。
おもわずベリアンに見とれているとふに、と頬に触れていたベリアンの手が私のお肉をつまんでいた。
「キス、ですよ。かうり様」
『…っ』
そっと囁いたその言葉に顔を赤らめて瞳を閉じた。
腰を引き寄せられて唇が重なる。
いつもするキスとは比べ物にならないくらいに緊張したし恥ずかしかった。
けれど、とても幸せだった。
ベリアンと本当に結婚をしたんだ。
「私がかうり様を幸せにします。…愛していますこれからも」
『私もベリアンがいつまでも幸せを感じてくれるように頑張るね』
他の執事達が私たちを囲んで祝いの言葉をかけてくれる。
ロノとフルーレなんか目を真っ赤にして感動してくれてるし、ラムリとアモンは満面の笑みだし、他のみんなも拍手して私たちをお祝いしてくれた。
私は耐え切れずに涙をながしてみんなに抱きついた。
本当に私は幸せ者だ。
「主様!よかったっすねぇ!本当に!」
「主様が幸せになってくれるのならボクも幸せです!」
「主様、本日は本当におめでとうございます。俺もこの日を心待ちに…」
「ハウレス、さすがに固すぎるよ。主様、おめでとうございます」
「主様…すっかりあか抜けたな。ドレス、似合ってるぜ」
「ぼ、ボスキさん……俺もそう思います」
「ロノ…顔が汚いよ。お手洗いにでも行って来たら?」
「フルーレもだいぶひどい顔だな」
「主様!本日の主様も本当にお美しいです!純白の薔薇に包まれたように儚くも輝きを放ち続けるお姿は…」
「ナックくん、言いたいことはわかるけど、そういうことを言うのはベリアンの役目だよ…♪」
「ミヤジ先生…レンアイというものも悪くないものですね」
「そうだね、そう思ってしまうくらいに素晴らしいものだ今日の主様は」
みんなの姿に泣きながら笑っているとすっとお腹に腕を回されて後ろの方へと引かれた。
後ろを振り向くとベリアンがこっちを見ながらぎゅっと私を抱きしめていた。
「私の新婦様」
『ははっ!ごめんね新郎様!』
ベリアンの言いたいことがわかって向かい合って抱き着く。
見つめあってにっこりと微笑みあう。
そしてもう一度唇を重ねると、周りの執事からはやし立てられ今度は顔を赤く染めあった。
『ベリアン』
「かうり様」
今日から私の旦那様。
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