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ハウレスくん



嫉妬も愛情






「……そして俺がこう!天使を華麗に倒したんですよ!」


『へええ!すごいすごい!』


「へへ!俺だって結構強いんだぜ!」


「っふ、そのあと後ろから天使に襲われそうになってハウレスさんに助けられた話はしないのか?」


「な…!てめぇバスティン!!!」


『あはは!!!そうなの?』


「…覚えとけよバスティンこのやろう……」




とある昼下がり、トレーニングの休憩中のロノとバスティンと談笑をしていた。



「こら、お前らそろそろ休憩も終わりにして筋トレをするぞ」


「へいへい…じゃ、主様!また今度お話ししましょうね!」


『うん、ロノのお話また聞かせてね』


「俺ともまた話してくれ、主様」


『ふふ、楽しみにしてる。頑張ってねバスティン』



別の仕事を終えたハウレスが私たちの元へと来てふたりはトレーニングへと戻っていった。



『ハウレス…まだふたり休憩時間あったんじゃない?』


「……あまり休みすぎると筋肉も休みすぎてしまうんで…」


『あはは、またロノたちと話しすぎて拗ねちゃった?』


「…っあ、主様は…あのふたりと仲が良すぎです」


『そっかなぁ?』




私の横に立つハウレスが少しだけ顔をそむける。耳まで真っ赤にして照れる姿がかわいらしい。



「…俺とも、もっと話してほしいです」


『話してるつもりだたけどまだまだ足りなかった?ごめんね?』


「…ダメですね、俺。他の執事と話してほしくないなんて思ってしまうなんて」


『…え?』


「はぁ…主様のこととなると俺、余裕がなくて…」


顔を片手で覆って隠してるつもりなんだろうけど…。



『大丈夫だよ。そんなところも大好きなんだから。ハウレスだからこそなおさらね、っふふ!』


「あ、主様…」


『ほらほら、ハウレスも休もう?今なら膝枕してあげるよ』



おずおずと私の隣に座るハウレスが私と肩をくっつけてくる。
遠慮がちなこの甘え方が本当に愛らしい。



「他の執事の目もあるので…いまは我慢します…」


『あはは、断りはしないんだね』


「いや!その…執事としてダメですよね…すみません」


『…執事としてじゃなければ良いんじゃない?』


「…っ」


私の言葉にバッとハウレスがこちらを向いた。
肩すらもくっついてすわっているので至近距離にハウレスの顔があって思わずみつめてしまう。
女性が苦手なハウレスは速攻で目をそらしたけど。



「…主様は、男慣れしてますよね…」


『あら、それは不名誉なことに聞こえるけど?』


「い!いえ!!そういうつもりじゃなくて……その、異性に対しても普通に接せられる…というか…」


『ここの執事達はみんないい人なのがわかるからね。私も素直に接していける。みんなと出会えて本当によかった』


「……」


『そんな寂しそうな顔しないでよ。ハウレスとはみんなと違って特別な関係になれたんだから』


「…早く天使の脅威を消し去って…主様とふたりでどこか遠くで暮らしたいです」


『うん…』



ぎゅっとハウレスの手を握る。
ハウレスも私の手を握り返す。
肩と肩、頭と頭。お互いにくっつけて未来を考える。



「主様…愛しています。今までも、これからも」


『私もだよ、ハウレス』


「…」



気づいたらハウレスは私の隣で寝息をたてていた。
私と一緒に居て安心しちゃったのかな。
いつもは真面目で頑張り屋さんで完璧主義者なハウレスでも、私の前だと思春期の男の子みたいに照れて拗ねて甘えて…

本当に、素敵な執事であり愛らしい彼氏。








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