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ボスキくん




仕事のお手伝い。





『ボスキ!ボスキどこにいるの!!』


「……」


『……私を無視するなんて執事としてどうなのよ…』


「ッチ…主様、何か用でございますか」


『舌打ちしない!棒読みで言わない!』



今日も仕事をサボって昼寝をしているボスキを探してはぷんすこ怒る。
最近大掛かりな仕事を貴族から押し付けられハウレスとフェネスが日々忙しそうにしている。そのフォローにアモンとベリアン、ルカスまでもが動いている。
他の執事がその分屋敷の仕事をしなくてはならないのでよくサボる執事たち探しも主の私が買って出ている。
ムーにはラムリを任せて私はボスキを探して今に至る。



「どうして主様が俺を探してんだ?アモンはどうした」


『アモンはハウレスたちと貴族の押し付けられた仕事してるよ、だからボスキもお屋敷のお仕事手伝わないと』


「俺はインテリア専門だ」


『もう!ムーより仕事できないとみんなに笑われるよ』


「あんなのよりは俺の方が仕事できるにきまってるだろ」


『じゃあ見せてよそういうところ!私まだ見たことない!』


「じゃあ俺が仕事しているところちゃんと見とけよ」



急に私の手を引いてボスキが歩き出す。怒らせてしまったのか今は執事としての対応ができていないようだ。
義手ではない生身のボスキの手。温かいその手に包まれる自分の手からボスキの体温が伝わってくる。


「ったく…じゃあまずはアモンの仕事から片付けるか…」


『おお…!』


ボスキのつぶやきにちゃんと仕事をする気力を感じて感動をする。
たくさんの花が咲き誇る庭へと移動したボスキは水道に繋がれたホースをもって蛇口をひねる。義手の手では仕事がしづらいだろうに私の手は離さないボスキ。


「適当に水撒けばいいんだろ」


『水圧で花弁が散っちゃうから丁寧にしないとだめだよ!』


本当に適当に水をぶっかけているボスキに慌ててホースを花のない方に向ける。
ヒヤヒヤしながらちゃんと地面に水をかけるボスキを見ながら一緒に庭に水をまき終えた。


「次は…家の補修だが今のところは大丈夫だろう」


『そ、それは、どういう理由でそうなったの?』


「ん?ハウレスが戻るまでは補修は必要ないと思っただけだ」


『…はぁ』


「次は…フェネスの入浴補助だな。主様、風呂に入る時は俺も一緒に入るからな」


『は…はああ?!』


「…ッチ、なんだ急に叫びやがって…入浴補助ってそういうことだろ」


『ち、違うよばか!変態!』


「勘違いするな、下心なんてはなからねぇよ」


『~~っ!!!』



にや、とこちらを見るボスキになんだか負けた気分になる。
言い返せなくなった私は顔を反らして黙った。
今日1日結局手を繋いだままの私達は仕事を終わらせ、ボスキから解放されたのは夕ご飯の時刻になったときだった。




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