高麗国
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「・・・捕まった?」
「そうだよ!
なんで言った通りにしなかったんだ!」
目を瞬かせるオレを睨みつける春香ちゃん。
外はもうすっかり暗くなっている。
どうやら町で領主の息子と、領主の風に襲われて、小狼君が気を失ってしまったらしい。
そして、どうやらその間にあの女は領主の息子に連れて行かれてしまったんだとか。
春香ちゃんが作っておいていったお粥は、部屋の隅ですっかり冷めてしまっていた。
もちろん、あの女は一口も食べていない。
オレは、春香ちゃんに頼まれたことをやりきらなかった。
唯一したことと言えば、お礼を言ったことくらいだ。
「・・・行きましょう、城へ。」
小狼君が立ち上がる。
「放っておいてもいいんじゃねぇか。
厄介払いできていい。」
冷めた言葉を放つ黒様。
言っていることはごもっとも。
できたらオレもそうしたい。
「冷たい奴だな!
一緒に旅をしているんだろう!
助けてももらったじゃないか!
それとも領主にやられるのが恐いのか!
あいつは独りででも立ち向かっていったのに!」
春香ちゃんが目にいっぱい涙をためて怒鳴る。
「あーわかったわかった、行く。」
黒ぽっぽはめんどくさそうに立ちあがった。
この黒いの、案外子供に甘い。
行きたくないけど、オレも行かないわけにはいかなくなった。
でもあんな強い女、捕まえてどうするつもりなんだろう。
自力でも逃げ出せそうだ。
・・・服従の呪文で、奴隷にでもされたらずいぶんと面倒なことにはなりそうだけれど。