企画 ーSt. Valentine's Dayー
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こちらは【 whimsy room 】の銀木セイ様との『創作力を上げよう企画』のお話です。
(銀木さまのお話の掲載ページは こちら )
銀木様の書かれた【 甘い証明 】のシーンを、別主人公、1000文字で書かせていただきました。
なお名前変換のデフォルトは、各々のサイトの設定となっております。
ご了承下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シャッターを下ろして埃を払う。レジを閉めている店長は口の端を上げた。
「バレンタイン企画大当たりでした」
「子どものお小遣い巻き上げるこの商売、好きになれないんだけど」
「お金で夢を買う大人への第一歩を応援するお仕事っていってもらえます?」
どんなに忙しくともスイーツを食べる日は織姫と過ごすのが彼女の保護者になってからの約束。バレイタインだからと仕事を無理矢理切り上げて帰国したが、年頃の彼女の落ち着かない様子を見て今日は私から断った。急にフリーになった私に声をかけたのが彼だ。
「それにしても甘いですねぇ。バイト代全部お菓子にして黒崎さんの前で井上さんに渡せだなんて、キューピットですか?」
「仕事で何もしてやれないから」
「暇さえあれば電話している癖によく言いますよ。健気ですねぇ」
「いや、実際危険な目に遭わされても何もできなかった」
肩を竦める男を尻目にコートを羽織り、スーツケースを取る。
「この後はどちらへ?」
「ロンドン」
「また海外!アタシに何か言う事無いんッスか?」
「織姫傷付けたら殺す」
「毎度のその捨て台詞、何とかなりません?」
「逆に貴方は言いたい事あるの?」
「おやァ?このハンサムエロ店主を口説くとはいい度胸だ」
ではお前は口説いているのかと聞いてやりたいが自分の首を締めるだけだ。
「馬鹿言うな、私は人間だ」
溜息をついてバッグから小箱を取り出しカウンターに置く。
「パリ下町の逸品。国内入手不可能だ」
「最高の愛をどうも」
「礼儀だ。くれぐれも織姫を頼む」
彼に背を向けて通用口へ歩き出す。
「本当に甘いですね、人間様は」
私は足を止める。
「癇に障ったか?目的の為に織姫達を使った貴方を私は一生許さない。だが痛くも痒くもないだろう、死神様は」
「さぁ。アタシも義骸 が長いから感覚が狂うってもんだ」
「それは失敬」
振り返り今日初めて彼を正面から見る。全ては牽制だ。
「でも私は貴方の事を信じているよ」
彼は扇子で鼻から下を覆った。
「おやぁ、アタシもまだまだ捨てたもんじゃないって事ッスね」
僅かに口の端を上げる。恐らく彼も同じ表情をしているだろう。私はヒールの音を響かせて浦原商店を出た。
*創作時の決まり事
1,000文字以内 /主人公変更
(銀木さまのお話の掲載ページは こちら )
銀木様の書かれた【 甘い証明 】のシーンを、別主人公、1000文字で書かせていただきました。
なお名前変換のデフォルトは、各々のサイトの設定となっております。
ご了承下さい。
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シャッターを下ろして埃を払う。レジを閉めている店長は口の端を上げた。
「バレンタイン企画大当たりでした」
「子どものお小遣い巻き上げるこの商売、好きになれないんだけど」
「お金で夢を買う大人への第一歩を応援するお仕事っていってもらえます?」
どんなに忙しくともスイーツを食べる日は織姫と過ごすのが彼女の保護者になってからの約束。バレイタインだからと仕事を無理矢理切り上げて帰国したが、年頃の彼女の落ち着かない様子を見て今日は私から断った。急にフリーになった私に声をかけたのが彼だ。
「それにしても甘いですねぇ。バイト代全部お菓子にして黒崎さんの前で井上さんに渡せだなんて、キューピットですか?」
「仕事で何もしてやれないから」
「暇さえあれば電話している癖によく言いますよ。健気ですねぇ」
「いや、実際危険な目に遭わされても何もできなかった」
肩を竦める男を尻目にコートを羽織り、スーツケースを取る。
「この後はどちらへ?」
「ロンドン」
「また海外!アタシに何か言う事無いんッスか?」
「織姫傷付けたら殺す」
「毎度のその捨て台詞、何とかなりません?」
「逆に貴方は言いたい事あるの?」
「おやァ?このハンサムエロ店主を口説くとはいい度胸だ」
ではお前は口説いているのかと聞いてやりたいが自分の首を締めるだけだ。
「馬鹿言うな、私は人間だ」
溜息をついてバッグから小箱を取り出しカウンターに置く。
「パリ下町の逸品。国内入手不可能だ」
「最高の愛をどうも」
「礼儀だ。くれぐれも織姫を頼む」
彼に背を向けて通用口へ歩き出す。
「本当に甘いですね、人間様は」
私は足を止める。
「癇に障ったか?目的の為に織姫達を使った貴方を私は一生許さない。だが痛くも痒くもないだろう、死神様は」
「さぁ。アタシも
「それは失敬」
振り返り今日初めて彼を正面から見る。全ては牽制だ。
「でも私は貴方の事を信じているよ」
彼は扇子で鼻から下を覆った。
「おやぁ、アタシもまだまだ捨てたもんじゃないって事ッスね」
僅かに口の端を上げる。恐らく彼も同じ表情をしているだろう。私はヒールの音を響かせて浦原商店を出た。
*創作時の決まり事
1,000文字以内 /主人公変更