本編 ーsecondー
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「どうなるかと思った・・・。」
試験室からの帰り道、郁がため息とともにそう言った。
自分達の試験もようやく終わったのに、咲のおかげで終わったというよりも疲れたといった感じだ。
「お前、あれで静かにならなかったらどうするつもりだったんだ?」
「本当よ。
試験の時はもうちょっと無難なことしなさいよ。」
手塚と柴崎も呆れている。
咲は小さく笑った。
「落ちたらその時かと思って。」
午前中が筆記だったので、めでたく全員昇級試験は終了だ。
後は合格発表を待つのみである。
「カチカチ山って言っていたから、古風なの選んでかぶらないようにしたのかと思ったが、まさか。」
「全くよ。
でも今回のは試験官の好みで受かるかどうかが別れそう。」
「そうですね。」
さらりと返事をする咲に、郁はまさか、と思う。
「試験官の好みまでちゃんと考えていた・・・とか?」
「さぁ、どうでしょう。
堂上二正と小牧二正はおられましたから。」
入隊試験を主席でパスしたと聞いたが、そのような人間はやはり頭の構造が違う、と確信した郁だった。
部屋に戻ると山本がいて、話を聞いたのか進藤達もちょっと呆れ顔だ。
「お疲れ、どうなるかと思ったぜ。」
「まぁ無事に済んでよかった。
堂上班も、よく頑張っていたな。」
咲は照れ笑いを浮かべる。
郁や手塚たちの試験官は進藤も勤めていた。
試験官と試験終了後に顔を合わせるのは、どうも気まずい。
郁たちも照れたように笑うばかりだった。
遅れて試験官だった堂上と小牧も戻ってくる。
「みんなよく頑張ってたね。」
いつも通り爽やかな小牧。
「やっと解放されるな。」
郁に意地悪を言う堂上。
咲をみると深いため息をついた。
「・・・何か・・・?」
「いや、何も。
話すのは合格発表後だ。」
発表は1週間後。
受かっていますように