本編 ーsecondー
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目が覚めると喉がひどく渇いていた。
時計を見ると21時を回っている。
夕食もまだであることを思い出したが、食欲はない。
コンビニまで行く気はないが、自動販売機で今シーズン限定の乳酸飲料でも買って明日の仕事に備えようと思った。
これ以上ずるずると引き摺れば周りに迷惑を掛けかねない。
ため息をついて角を曲がろうとし、思わず足を止めた。
ロビーに見知った人影がある。
それも、出来れば今、最も会いたくなかった2人が。
「俺たちの仕事は、楽しいことばかりじゃない。
時には辛いこともある。」
静かに諭す堂上。
聞き入る郁。
「手塚慧との間に、何があったのか聞くつもりはない」
心臓が、跳ねた。
「ただ、お前は俺の大切な部下だ。
必要があれば、俺は全力でお前を守る。」
嫌な汗が、背中を伝う。
(当たり前だ。)
咲は、自分が追い詰められているのを感じた。
真綿で首を絞められるように。
身近な人の優しさが、温もりが、そして強さが、重くのしかかる。
より明るい光が影を濃く映し出すように、己の裏切りが間接的に突きつけられる。
「堂上教官・・・。」
どこか幸せそうな郁の顔。
「試験がんばれよ。」
堂上はその場から立ち去った。
優しく、愛おしく、郁の頭を撫でて。
その姿を最後に咲も音を立てないよう、彼女に背中を向ける。
彼らは、乗り越えた。
辛い痛みを乗り越えて、今、新たな壁を越えようとしている。
それを正面から、まっすぐと見据えて。
(私は、なんだ。)
きゅっと胸の前で服を握りしめ、足早に立ち去った。
(私、は。)
郁への懺悔、堂上への恐れ、そして、そして、
(自分を可愛いと思った、罰だ。)
部屋に駆け込み、ベッドに身を投げる。
大切な人達を傷つけた、罰だ
時計を見ると21時を回っている。
夕食もまだであることを思い出したが、食欲はない。
コンビニまで行く気はないが、自動販売機で今シーズン限定の乳酸飲料でも買って明日の仕事に備えようと思った。
これ以上ずるずると引き摺れば周りに迷惑を掛けかねない。
ため息をついて角を曲がろうとし、思わず足を止めた。
ロビーに見知った人影がある。
それも、出来れば今、最も会いたくなかった2人が。
「俺たちの仕事は、楽しいことばかりじゃない。
時には辛いこともある。」
静かに諭す堂上。
聞き入る郁。
「手塚慧との間に、何があったのか聞くつもりはない」
心臓が、跳ねた。
「ただ、お前は俺の大切な部下だ。
必要があれば、俺は全力でお前を守る。」
嫌な汗が、背中を伝う。
(当たり前だ。)
咲は、自分が追い詰められているのを感じた。
真綿で首を絞められるように。
身近な人の優しさが、温もりが、そして強さが、重くのしかかる。
より明るい光が影を濃く映し出すように、己の裏切りが間接的に突きつけられる。
「堂上教官・・・。」
どこか幸せそうな郁の顔。
「試験がんばれよ。」
堂上はその場から立ち去った。
優しく、愛おしく、郁の頭を撫でて。
その姿を最後に咲も音を立てないよう、彼女に背中を向ける。
彼らは、乗り越えた。
辛い痛みを乗り越えて、今、新たな壁を越えようとしている。
それを正面から、まっすぐと見据えて。
(私は、なんだ。)
きゅっと胸の前で服を握りしめ、足早に立ち去った。
(私、は。)
郁への懺悔、堂上への恐れ、そして、そして、
(自分を可愛いと思った、罰だ。)
部屋に駆け込み、ベッドに身を投げる。
大切な人達を傷つけた、罰だ