本編 ーsecondー
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訓練終了のブザーが鳴り響いた。
そこここで歓声やため息、悔しそうな声が聞こえてくる。
「よしっ!」
手塚と咲はその一角でハイタッチした。
そして咲は後を振り返り、4階を見上げる。
そこでは進藤が嬉しそうに手を振っていた。
咲はあきれ顔で軽く手を振り返す。
守備チームの勝利だ。
(なんやかんや言っても嬉しいんだろう)
手塚は口の端を上げ、咲を集合場所へと誘った。
今回は大規模な訓練で、マーカーを使った実践型だ。
マーカーは銃によく似た機械から発射することができ、狙撃手はこれを用いる。
もちろん、撃たれればそこで訓練からは一時退場だ。
2チームに分かれ、攻撃、守備を行う。
堂上班と進藤班は同じく守備チームだった。
集合場所につくとマーカーの確認の後に反省会だ。
狙撃手の場合であれば、命に別条がない場所を撃てているか。
相手をひるませるギリギリのラインに射撃出来ているか、等が反省点になる。
マーカーは狙撃グループごとに色が分かれており、咲は進藤と手塚と一緒で、特殊部隊の初の実践訓練だった。
まだ若い2人がいるにしては、緒形率いるグループとなかなかの点数争いをし、惜しくも2位となった。
狙撃グループから帰ると、堂上班と進藤班の残りのメンバーが集まっていた。
狙撃主が抜けると減ってしまうため、この2つの班は合同で動くことが決まっているのだ。
「どうだった?」
郁の問いかけに手塚は少し不本意そうにそっぽを向く。
「2位。
ひるませるための玉がまだ甘い」
「でもなかなか良い所まで行ったんだね」
それを横で聞いていて小牧は驚く。
「いえ」
しかし手塚はどこまでも不本意そうだ。
「まぁ、緒方のとこは実践経験も豊富なのが多いから、十分やってると思うけど」
「手塚は負けず嫌いだからな。
……まぁそれがいいところでもあるんだが」
堂上が頭を掻きながら呟く。
ひょっこりと手塚の後ろから顔を出したのはもう1人の狙撃手咲だ。
「本気でやるから意味があります。
手塚一士、尊敬します」
真っ直ぐ見上げてくる咲の直球、手塚はちょっとだけ目を泳がせ、それから飲み物を取りに行くのを装って席を外した
「相変わらず物言いがストレートだね……」
ツボに入ったのか笑い始める小牧に呆れる堂上。
きょとんとした咲と、手塚の背中に鋭い視線を送る進藤と山本。
郁は何のことやら良く分かっていないようだ。
(背中に刺さる視線が痛すぎる……)
ぼんやり紅い頬を掻きながら手塚は思う。
(何とも思っていなくても、照れるもんは照れるだろ!!)
そこここで歓声やため息、悔しそうな声が聞こえてくる。
「よしっ!」
手塚と咲はその一角でハイタッチした。
そして咲は後を振り返り、4階を見上げる。
そこでは進藤が嬉しそうに手を振っていた。
咲はあきれ顔で軽く手を振り返す。
守備チームの勝利だ。
(なんやかんや言っても嬉しいんだろう)
手塚は口の端を上げ、咲を集合場所へと誘った。
今回は大規模な訓練で、マーカーを使った実践型だ。
マーカーは銃によく似た機械から発射することができ、狙撃手はこれを用いる。
もちろん、撃たれればそこで訓練からは一時退場だ。
2チームに分かれ、攻撃、守備を行う。
堂上班と進藤班は同じく守備チームだった。
集合場所につくとマーカーの確認の後に反省会だ。
狙撃手の場合であれば、命に別条がない場所を撃てているか。
相手をひるませるギリギリのラインに射撃出来ているか、等が反省点になる。
マーカーは狙撃グループごとに色が分かれており、咲は進藤と手塚と一緒で、特殊部隊の初の実践訓練だった。
まだ若い2人がいるにしては、緒形率いるグループとなかなかの点数争いをし、惜しくも2位となった。
狙撃グループから帰ると、堂上班と進藤班の残りのメンバーが集まっていた。
狙撃主が抜けると減ってしまうため、この2つの班は合同で動くことが決まっているのだ。
「どうだった?」
郁の問いかけに手塚は少し不本意そうにそっぽを向く。
「2位。
ひるませるための玉がまだ甘い」
「でもなかなか良い所まで行ったんだね」
それを横で聞いていて小牧は驚く。
「いえ」
しかし手塚はどこまでも不本意そうだ。
「まぁ、緒方のとこは実践経験も豊富なのが多いから、十分やってると思うけど」
「手塚は負けず嫌いだからな。
……まぁそれがいいところでもあるんだが」
堂上が頭を掻きながら呟く。
ひょっこりと手塚の後ろから顔を出したのはもう1人の狙撃手咲だ。
「本気でやるから意味があります。
手塚一士、尊敬します」
真っ直ぐ見上げてくる咲の直球、手塚はちょっとだけ目を泳がせ、それから飲み物を取りに行くのを装って席を外した
「相変わらず物言いがストレートだね……」
ツボに入ったのか笑い始める小牧に呆れる堂上。
きょとんとした咲と、手塚の背中に鋭い視線を送る進藤と山本。
郁は何のことやら良く分かっていないようだ。
(背中に刺さる視線が痛すぎる……)
ぼんやり紅い頬を掻きながら手塚は思う。
(何とも思っていなくても、照れるもんは照れるだろ!!)