本編 ーfirstー
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「すごい人!」
目を輝かせる毬江は着物を着ていて。
「すごいね」
微笑む小牧の私服姿と合わせて人目を引くことだろう。
「あ、いか焼き!」
屋台にテンションが上がる郁はすらりと水色のコートを着こなしている。
「屋台につられてはぐれるなよ」
それにため息をつく堂上。
こちらもこちらで目立つかもしれない。
「たまにはこういうのも悪くないか」
思わぬ状況に呆れる手塚も、人ごみの中でも当然目を引く存在で。
「そうね」
くすりと笑う柴崎と並ぶからそれは倍増されているに違いない。
「初詣とか、久しぶりかもな」
うきうき顔で咲に話しかけてくる山本も、やはり目立っている。
何でこうなったのか、それは誰にもわからない。
家族で来ていたり、友人同士誘いあっていたわけで、この全員で集まる約束はしていなかった。
この偶然がくすぐったいのは、咲だけではない。
メンバー誰もが口の端を上げる。
寒さも相まって頬を赤らめている。
吐く白い息が弾んでいる。
「おい」
会話の返事が返ってこないことに驚いて振り返るが、そこに彼女の姿が見えない。
山本は焦りが込み上げた。
「堂上二正、空太刀がはぐれました!」
「馬鹿、ここで職場みたいに呼ぶなって言ってんだろ。
とりあえず脇に寄れ」
人ごみでなければゲンコツの一つや二つもらっていたことだろう。
人ごみを抜けてから、なんて?と小牧に聞く毬江。
そして説明された状況に一番顔を青くした。
柴崎が携帯に電話をかけるも、雑踏のなかで気づかないのか、出ない。
「どうしよう……」
焦る毬江。
「まぁ、空太刀さんならしっかりしてるから、大丈……
って山本?」
来た道を引き返そうとする山本。
小牧に呼ばれ、振り返る。
「俺、探してきますよ。
皆さんは先に行っていてください」
制止も聞かずに人ごみに紛れていってしまった。
呆気にとられた6人の中で初めに正気に戻った堂上が一つため息をついた。
「行くぞ」
6人は再び参道を進む。
その彼らは何か思い至ったらしい。
「帰ってきたら聞き出さないと」
柴崎がくすりと笑って小さく呟いた。
帰ってきたら、聞きださないと
目を輝かせる毬江は着物を着ていて。
「すごいね」
微笑む小牧の私服姿と合わせて人目を引くことだろう。
「あ、いか焼き!」
屋台にテンションが上がる郁はすらりと水色のコートを着こなしている。
「屋台につられてはぐれるなよ」
それにため息をつく堂上。
こちらもこちらで目立つかもしれない。
「たまにはこういうのも悪くないか」
思わぬ状況に呆れる手塚も、人ごみの中でも当然目を引く存在で。
「そうね」
くすりと笑う柴崎と並ぶからそれは倍増されているに違いない。
「初詣とか、久しぶりかもな」
うきうき顔で咲に話しかけてくる山本も、やはり目立っている。
何でこうなったのか、それは誰にもわからない。
家族で来ていたり、友人同士誘いあっていたわけで、この全員で集まる約束はしていなかった。
この偶然がくすぐったいのは、咲だけではない。
メンバー誰もが口の端を上げる。
寒さも相まって頬を赤らめている。
吐く白い息が弾んでいる。
「おい」
会話の返事が返ってこないことに驚いて振り返るが、そこに彼女の姿が見えない。
山本は焦りが込み上げた。
「堂上二正、空太刀がはぐれました!」
「馬鹿、ここで職場みたいに呼ぶなって言ってんだろ。
とりあえず脇に寄れ」
人ごみでなければゲンコツの一つや二つもらっていたことだろう。
人ごみを抜けてから、なんて?と小牧に聞く毬江。
そして説明された状況に一番顔を青くした。
柴崎が携帯に電話をかけるも、雑踏のなかで気づかないのか、出ない。
「どうしよう……」
焦る毬江。
「まぁ、空太刀さんならしっかりしてるから、大丈……
って山本?」
来た道を引き返そうとする山本。
小牧に呼ばれ、振り返る。
「俺、探してきますよ。
皆さんは先に行っていてください」
制止も聞かずに人ごみに紛れていってしまった。
呆気にとられた6人の中で初めに正気に戻った堂上が一つため息をついた。
「行くぞ」
6人は再び参道を進む。
その彼らは何か思い至ったらしい。
「帰ってきたら聞き出さないと」
柴崎がくすりと笑って小さく呟いた。
帰ってきたら、聞きださないと