本編 ーfirstー
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「あっいたいた!」
馴染みのある声が聞こえてふっと振り返れば。
「咲ー!」
元気いっぱいの先輩が手を振っている。
郁だ。
「どうしたんですか?」
今日は彼女は柴崎と合わせて休みをとり、遊びに行っていたはずだ。
ちなみに咲は今から休憩に入る。
最近では夕方になると冷え込むので、温かいココアでも飲もうと思っていたところだ。
「実は焼き芋買いに行ったらおじちゃんがおまけしてくれて、
余分に1本あるから咲に上げようと思ったの。
はいどうぞ!」
鼻先と頬を赤く染めた郁が手にしている大きな紙袋とは別に、小さな長細い紙袋を差し出す。
咲はその紙袋と無邪気な笑顔を見比べて、そっと手を出す。
するとその手に少し熱いくらいの温もりと重みが加わった。
もう一度郁に目を向ければ、郁の目は咲ではなくその向こうを見ていた。
振り返ってみるとそこには山本が立っていて。
「山本と半分こしてもいいんじゃない?
じゃ、寒いから気をつけてね!」
「あっあの、ありがとうございます!!」
なんとかお礼をいうと、郁はひらひらと手を振って寮の方に帰って行った。
ほうっとため息をついて山本を振りかえる。
ひゅーっと吹き抜ける秋風に首をすくめ、山本をうかがうと彼も同じ格好をしていて、思わず顔を見合せて笑った。
「おやつにしようか?」
「くれんの?」
「うん、先輩命令だもの」
「ラッキー!
ちょうど小腹が空いてたところなんだ」
2人並んで歩く。
手に持つ焼き芋の温もりと、隣にいる山本の体温がじんわりと咲に伝わっていた。
不思議と、風に吹き飛ばされることなく。
食欲の秋!
馴染みのある声が聞こえてふっと振り返れば。
「咲ー!」
元気いっぱいの先輩が手を振っている。
郁だ。
「どうしたんですか?」
今日は彼女は柴崎と合わせて休みをとり、遊びに行っていたはずだ。
ちなみに咲は今から休憩に入る。
最近では夕方になると冷え込むので、温かいココアでも飲もうと思っていたところだ。
「実は焼き芋買いに行ったらおじちゃんがおまけしてくれて、
余分に1本あるから咲に上げようと思ったの。
はいどうぞ!」
鼻先と頬を赤く染めた郁が手にしている大きな紙袋とは別に、小さな長細い紙袋を差し出す。
咲はその紙袋と無邪気な笑顔を見比べて、そっと手を出す。
するとその手に少し熱いくらいの温もりと重みが加わった。
もう一度郁に目を向ければ、郁の目は咲ではなくその向こうを見ていた。
振り返ってみるとそこには山本が立っていて。
「山本と半分こしてもいいんじゃない?
じゃ、寒いから気をつけてね!」
「あっあの、ありがとうございます!!」
なんとかお礼をいうと、郁はひらひらと手を振って寮の方に帰って行った。
ほうっとため息をついて山本を振りかえる。
ひゅーっと吹き抜ける秋風に首をすくめ、山本をうかがうと彼も同じ格好をしていて、思わず顔を見合せて笑った。
「おやつにしようか?」
「くれんの?」
「うん、先輩命令だもの」
「ラッキー!
ちょうど小腹が空いてたところなんだ」
2人並んで歩く。
手に持つ焼き芋の温もりと、隣にいる山本の体温がじんわりと咲に伝わっていた。
不思議と、風に吹き飛ばされることなく。
食欲の秋!