本編前
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だいぶ慣れてきた図書館での実習。
小牧が書棚への返却を行なっている間、堂上はカウンターの留守番だ。
図書カードの新規発行も手間取ることなく行えるようになったし、カウンターから辺りの様子を伺う余裕も出てきた。
ふと見れば、あの初めて図書カードを作てあげた小学生が、検索用パソコンを覗き込んでいる。
その隣には高齢の女性。
「本の名前はなんですか?」
「銀河鉄道の夜、よ」
敬語を話す小学生に、孫ではないのか、と堂上は思った。
まだ小さいのにしっかりしている、とも。
「えっと、この番号だから……あの棚のあたりです」
どうやら高齢者には検索機能が使い辛かったらしい。
おばあさんの手を引いて、小学生はゆっくりと該当する棚へと歩いていく。
そして、本を取りだして、おばあさんに渡した。
「ありがとう、おチビちゃん」
小学生の方は小さく首を振って、書棚の間に消えていく。
(あの歳で検索機能を使えるのか)
感心する半面、そう思うだけ検索機能が子供や高齢者には使い辛いものであることを感じる。
(これは改善の余地在り、だな)
レポートに書ける内容ができた、と一人安堵する。
「小さなお嬢さんがねぇ、助けてくれたんですよ」
休日になると家には近所の老人が自然と集まる。
一人残された者達が、暖を取るかのように、それは自然と、だった。
稲嶺が図書館司令と知ってから、近所の老人達も図書館をよく利用するようになった。
それが少し嬉しくもある。
「私達にはパソコンが難しくてねぇ。
あんな小さい子でも、今では使えるんだねぇ、驚いたよ」
子供でも普通は難しいだろう、と思いつつ、改善する必要があると感じた。
道具はただ導入するだけではだめなのだ。
図書館のように多くの方が利用する場所だからこそ、みんなが使いやすいように工夫しなければ。
「また会えるといいねぇ」
別のおじいさんがにこにこと言った。
「ええ、本当に」
小牧が書棚への返却を行なっている間、堂上はカウンターの留守番だ。
図書カードの新規発行も手間取ることなく行えるようになったし、カウンターから辺りの様子を伺う余裕も出てきた。
ふと見れば、あの初めて図書カードを作てあげた小学生が、検索用パソコンを覗き込んでいる。
その隣には高齢の女性。
「本の名前はなんですか?」
「銀河鉄道の夜、よ」
敬語を話す小学生に、孫ではないのか、と堂上は思った。
まだ小さいのにしっかりしている、とも。
「えっと、この番号だから……あの棚のあたりです」
どうやら高齢者には検索機能が使い辛かったらしい。
おばあさんの手を引いて、小学生はゆっくりと該当する棚へと歩いていく。
そして、本を取りだして、おばあさんに渡した。
「ありがとう、おチビちゃん」
小学生の方は小さく首を振って、書棚の間に消えていく。
(あの歳で検索機能を使えるのか)
感心する半面、そう思うだけ検索機能が子供や高齢者には使い辛いものであることを感じる。
(これは改善の余地在り、だな)
レポートに書ける内容ができた、と一人安堵する。
「小さなお嬢さんがねぇ、助けてくれたんですよ」
休日になると家には近所の老人が自然と集まる。
一人残された者達が、暖を取るかのように、それは自然と、だった。
稲嶺が図書館司令と知ってから、近所の老人達も図書館をよく利用するようになった。
それが少し嬉しくもある。
「私達にはパソコンが難しくてねぇ。
あんな小さい子でも、今では使えるんだねぇ、驚いたよ」
子供でも普通は難しいだろう、と思いつつ、改善する必要があると感じた。
道具はただ導入するだけではだめなのだ。
図書館のように多くの方が利用する場所だからこそ、みんなが使いやすいように工夫しなければ。
「また会えるといいねぇ」
別のおじいさんがにこにこと言った。
「ええ、本当に」