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ここが図書館。
言いつけを破って、学校帰りに寄ってみた。
ちょっとした好奇心だったのだ。
小学校の図書室にある本で咲で読める本なんて、ほとんど読んでしまっていたから。
「関東図書館に行ってみたら?」
司書の先生の言葉に、背中を押された。
大きい。
学校の図書室よりも、
本屋さんよりも、
比べ物にならないくらいの本がある。
「入るのか?入らないのか?」
急にかけられたどすの利いた声に、肩が跳ねた。
それがなんだか恥ずかしくてなんでもない風を装って振り返る。
そこには虎みたいな雰囲気の、大きな男がいた。
「入り口でとまっとったら邪魔になるだろう」
その人の横には、台車にいくつも段ボールが積まれていた。
「すみません」
図書館に初めて、一歩を踏み込んだ。
ふわっと、図書室と同じ香りがした。
本の匂いだ。
「お前さん、図書館は初めてか?」
「はい」
「そうか。
読みたい本を探して、あのカウンターに持っていけ。
初めてだって言えば利用者用のカード作ってもらえる」
怖そうなのは面だけで、思ったよりもいい人のようだ。
指さす方、カウンターには特別若い男性が2人いる。
「あー今日は図書大のOJT初日か」
虎の呟きに見上げれば、なんでもない、こっちの話だと笑われた。
「ありがとうございます」
咲は頭を下げて中に足を進める。
変なことして目立たないようにしよう。
そう妙な誓いを心にたてて。
はじめまして、関東図書基地