別冊 ー5thー
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資料を整えて部屋に戻る。
柴崎に部屋にきてもらうよう連絡を取った。
「あんた、呼びだすなんていい度胸ねぇ。」
深夜だ。
寝ていたのに起こされた柴崎は機嫌が悪い。
強烈に悪い。
「本当に申し訳ありません。」
にやりと笑う柴崎をなだめて、座らせる。
だが、一刻を争う情報と言うのも、世の中にはある。
「水島士長がおられるでしょうから。」
柴崎に彼女が好きなちょっと値の張る紅茶と、彼女が同じく好きなチョコレートを出す。
「・・・どうしたの。」
「食べてから、です。」
「こんな時間にチョコはないわ。」
「食べてください。」
「食べない。」
咲はすごすごと引き下がった。
「今から話すことは柴崎三正にとって、好ましくない話です。
でも、このままでは無理です。
警察沙汰になります。」
「なに、奥村絡み?」
「そうとも断定できませんが、自体はきっと、思ったよりも深刻。」
「・・・分かった。
もう良いわ。」
紅茶を飲みほした柴崎が咲の目を見た。
「まずこちら。
把握した分のリストです。
バツ印の者は、柴崎三正の裸体のコラージュを持っていました。
引っかかるのは、スリーサイズが書かれていることです。
無作為にばらまかれている様子です。」
柴崎の顔が険しくなる。
しかし言葉で先に説明するのはその後の衝撃を和らげるためだろう。
言いにくいだろうに淡々と語る彼女には、少しだけ感謝だ。
渡されたのは男子寮の入居者一覧。
全てにチェックが入っている。
「あんた、どうしてこれを。
今だけの情報、いったいいつ・・・」
「たまたま男子寮で。
申し訳ありませんが、男子寮という場所上、手塚三正にもご協力いただきました。
申し訳ありません。」
深く下げられる頭に、柴崎は首を振る。
「貸しができてしまうのは癪だけれど、仕方ないわ。」
わざと茶化してそう言った。
遅くに呼び出された理由もこれでわかった。
きっとさっきまでかかったんだろう。
咲の服装はまだ訓練着のままで、風呂にも入っていないことが分かる。
彼女が急いでいるのは、このままでは、柴崎に加わる危害が、どんどん大きくなるからだ。
(・・・大きくなったわねぇ。)
日ごろの教育の賜物、というか。
「見ますか、写真。」
咲の問いに、柴崎は一瞬の間をおいて、頷いた。
「相当ひどいですよ。
笠原三正が見たらきっと、その場で破って踏んで、持っていた人殴り倒して、それから」
「いいわ、よこしなさい。」
咲は3枚裏向けて渡した。
開けた柴崎は言葉を失う。
「ひどいですよね。」
そのさらっとした言葉に、柴崎は思わず咲を睨んだ。
ずいぶんとぶしつけなことを言う、と。
「柴崎三正、もっと綺麗。」
小さなふてくされた顔と、ほんのりと染まった頬に、拍子抜けして、それから、柴崎は小さく笑った。
「よくやったわ、チビちゃん。
明日報告するの、手伝ってくれるわね。」
「もちろんです。
あ、そう言えば・・・。」
咲が写真の一点を指さした。
「これ、4つ書いてあるんですけど、スリーサイズですよね?
手塚三正ともおかしいなって話していたんですけど。
他の男子寮の人達もよく知らないみたいで。」
柴崎はその言葉に固まる。
「・・・え。」
あられもない写真の前で、2人はそんなことそっちのけで見つめあった。
「Bはバスト、Wはウエスト、Hはヒップの略記でしょうか?
C65って、なんですか?」
「何って、あんた・・・」
「っていうか、サイズって。
分かりもしないのにでたらめ書いて。
それだけで妄想が膨らむ男子って、馬鹿ですね。」
「いや、それ正しいのよ。」
「正しい?
目検討で分かるもんですか?」
「は、測るのよ。」
「身体測定でそんなの測りましたっけ?」
「・・・明日よ、明日買いに行くわ。」
「何を?」
「あんたの下着!」
「いいですよ、足りてます。」
「違う!
乙女としての基礎知識だ!
・・・っていうか、笠原と一緒に連れてってやったでしょ!
覚えてないの?
っていうかあれから行ってないわけ!?」
「ええっと・・・」
そこで柴崎がはっと息をのんだ。
「・・・女だ。」
首をかしげる咲。
「あんた、馬鹿だけど、賢いわ。」
子犬の成長
柴崎に部屋にきてもらうよう連絡を取った。
「あんた、呼びだすなんていい度胸ねぇ。」
深夜だ。
寝ていたのに起こされた柴崎は機嫌が悪い。
強烈に悪い。
「本当に申し訳ありません。」
にやりと笑う柴崎をなだめて、座らせる。
だが、一刻を争う情報と言うのも、世の中にはある。
「水島士長がおられるでしょうから。」
柴崎に彼女が好きなちょっと値の張る紅茶と、彼女が同じく好きなチョコレートを出す。
「・・・どうしたの。」
「食べてから、です。」
「こんな時間にチョコはないわ。」
「食べてください。」
「食べない。」
咲はすごすごと引き下がった。
「今から話すことは柴崎三正にとって、好ましくない話です。
でも、このままでは無理です。
警察沙汰になります。」
「なに、奥村絡み?」
「そうとも断定できませんが、自体はきっと、思ったよりも深刻。」
「・・・分かった。
もう良いわ。」
紅茶を飲みほした柴崎が咲の目を見た。
「まずこちら。
把握した分のリストです。
バツ印の者は、柴崎三正の裸体のコラージュを持っていました。
引っかかるのは、スリーサイズが書かれていることです。
無作為にばらまかれている様子です。」
柴崎の顔が険しくなる。
しかし言葉で先に説明するのはその後の衝撃を和らげるためだろう。
言いにくいだろうに淡々と語る彼女には、少しだけ感謝だ。
渡されたのは男子寮の入居者一覧。
全てにチェックが入っている。
「あんた、どうしてこれを。
今だけの情報、いったいいつ・・・」
「たまたま男子寮で。
申し訳ありませんが、男子寮という場所上、手塚三正にもご協力いただきました。
申し訳ありません。」
深く下げられる頭に、柴崎は首を振る。
「貸しができてしまうのは癪だけれど、仕方ないわ。」
わざと茶化してそう言った。
遅くに呼び出された理由もこれでわかった。
きっとさっきまでかかったんだろう。
咲の服装はまだ訓練着のままで、風呂にも入っていないことが分かる。
彼女が急いでいるのは、このままでは、柴崎に加わる危害が、どんどん大きくなるからだ。
(・・・大きくなったわねぇ。)
日ごろの教育の賜物、というか。
「見ますか、写真。」
咲の問いに、柴崎は一瞬の間をおいて、頷いた。
「相当ひどいですよ。
笠原三正が見たらきっと、その場で破って踏んで、持っていた人殴り倒して、それから」
「いいわ、よこしなさい。」
咲は3枚裏向けて渡した。
開けた柴崎は言葉を失う。
「ひどいですよね。」
そのさらっとした言葉に、柴崎は思わず咲を睨んだ。
ずいぶんとぶしつけなことを言う、と。
「柴崎三正、もっと綺麗。」
小さなふてくされた顔と、ほんのりと染まった頬に、拍子抜けして、それから、柴崎は小さく笑った。
「よくやったわ、チビちゃん。
明日報告するの、手伝ってくれるわね。」
「もちろんです。
あ、そう言えば・・・。」
咲が写真の一点を指さした。
「これ、4つ書いてあるんですけど、スリーサイズですよね?
手塚三正ともおかしいなって話していたんですけど。
他の男子寮の人達もよく知らないみたいで。」
柴崎はその言葉に固まる。
「・・・え。」
あられもない写真の前で、2人はそんなことそっちのけで見つめあった。
「Bはバスト、Wはウエスト、Hはヒップの略記でしょうか?
C65って、なんですか?」
「何って、あんた・・・」
「っていうか、サイズって。
分かりもしないのにでたらめ書いて。
それだけで妄想が膨らむ男子って、馬鹿ですね。」
「いや、それ正しいのよ。」
「正しい?
目検討で分かるもんですか?」
「は、測るのよ。」
「身体測定でそんなの測りましたっけ?」
「・・・明日よ、明日買いに行くわ。」
「何を?」
「あんたの下着!」
「いいですよ、足りてます。」
「違う!
乙女としての基礎知識だ!
・・・っていうか、笠原と一緒に連れてってやったでしょ!
覚えてないの?
っていうかあれから行ってないわけ!?」
「ええっと・・・」
そこで柴崎がはっと息をのんだ。
「・・・女だ。」
首をかしげる咲。
「あんた、馬鹿だけど、賢いわ。」
子犬の成長