別冊 ー5thー
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「・・・何やってるんですか。」
咲が執務室に顔をだすと、進藤と緒方が揉めていた。
電動ガンを至近距離で付きつけるなんて。
「悪ふざけも大概にしないと。」
「聞けよ咲。
緒方の思い人が来たんだぜ。
話したろ、面接の時の。」
「ああ、竹内先生ですか。
さっきサインいただいてきました。」
嬉しそうに手帳を見せる咲。
そう言えばこの子は昔からファンだった、と思いだし、そして。
「進藤!
お前はどれだけ口が軽いんだ!」
「王子様の面接もなかなかでしたけどね。」
「「それ知っててっ!!」」
堂上と郁が噛みつく。
「お前みたいな逃げ腰に言われたくないな。
さぁ選べ。
部下に手錠かけて応接室の放り込まれるか、自分の足で行くか!」
そこでどすの利いた笑い声が響いた。
開け放たれた扉の向こうに、クマがいた。
「一分以内に決めろ。
きめなけりゃ俺が御姫様だっこで連れてってやる。」
「歩いていきます。」
「決まり!
ほらシャキっとあるけ!」
電動ガン付きつけて2人は出て行った。
いつまでも仲がいいことだ。
執務室は一通り笑いに包まれて、それから通常運転に戻る。
そんな中で爆弾を落としたのは郁だった。
「そういえば、堂上教官、どうして咲は部長推薦取れなかったんですか?
私でも取れたのに。」
抗議したい気持ちも混じっているのだろう。
彼女の澄んだ高い声は、きっと玄田の耳にも届いている。
だが彼は分かっていてそれを無視した。
咲も何気ない風を装って日誌をつける。
もしかしたら班長クラス、つまり堂上は、隊長から推薦の話が来ていたことを知っている可能性も高い。
不安に咲は思わず横目で堂上を見た。
「そう言うセリフはカミツレ取ってから言うんだな。」
だが堂上は顔を上げることなく答えた。
ペラリ、と書類をめくる音がする。
咲はすっと視線を手元の日誌に戻す。
彼のそんな空気感が、好きだった。
初めて出会ったあの日から、彼はそうやって何もない風で気をまわしてくれていた。
日誌を書きあげると、咲は席を立つ。
堂上が真っ直ぐ咲を見た。
「進藤班長が心配なので見にいってきます。」
「おう。」
彼は一つ頷いた。
「ついでに緒方の調子も見といてくれ。
あんまり無様な様子なら俺が喝入れてやる。」
向こうの方から玄田が声をかけた。
その強い瞳に、咲は頷く。
「了解です。」
上司ズ