別冊 ー5thー
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児童相談所の人と雄大の母親が一通り話をし、落ち着いたのを見計らって、咲に連絡が入った。
「雄大、雄大。」
膝の上で眠ってしまった彼を起こす。
「んー、もうちょっと。」
「だーめ、ほら起きて。」
寝起きのむすっとした顔がかわいくて、咲は笑顔を浮かべながら乱れた髪を直してやる。
「雄大、あのね、
今から大切な話をしに行こう。」
雄大は目が覚めてきたのか、でも一体何のことなのかわからず、首をかしげた。
「私は、雄大が好き。」
一拍おいて、雄大は笑顔を見せた。
「俺も咲が好き!」
咲はありがとう、と頭をなでた。
「雄大のそばには、雄大のことが好きでも、好きって言えない人がいるんだ。」
「えっだれ?」
咲は彼の寝起きで温かい手を握る。
「行こう。」
ノックの音に、咲だろうと思い、柴崎は入るように促す。
「失礼します。」
挨拶と共に、雄大と一緒に咲が顔を出した。
雄大は不満げに咲を見上げた。
「・・・あなたは・・・。」
雄大と手をつないでやってきた咲を見て、母親は目を見開く。
「もしかして、これはあなたが・・・?」
母親の言葉に、咲は頭を下げた。
雄大が驚いたように咲の手を強く握った。
「勝手なことをしたとも思っています、ですが」
「ちがうの、頭をあげて。」
咲は恐る恐る顔を上げる。
母親の顔に怒りの感情が見えないことに、内心安堵した。
「私、待っていたんだと思うの。
雄大と遊ぶうちに、
あなたが気づいて、通報してくれること。」
母親の頬に涙が伝う。
「ありがとう。」
今度は咲が雄大の手を強く握った。
それは雄大と柴崎にしか気づけないような、小さな変化だった。
「いいえ。
私は、雄大の友達ですから。」
早口にそう紡ぐ。
そうしなければ、雄大が泣くなと言ってくれたのに、
また涙があふれてしまいそうだったから。
「待っています。
また、一緒に遊びましょう。」
約束
「雄大、雄大。」
膝の上で眠ってしまった彼を起こす。
「んー、もうちょっと。」
「だーめ、ほら起きて。」
寝起きのむすっとした顔がかわいくて、咲は笑顔を浮かべながら乱れた髪を直してやる。
「雄大、あのね、
今から大切な話をしに行こう。」
雄大は目が覚めてきたのか、でも一体何のことなのかわからず、首をかしげた。
「私は、雄大が好き。」
一拍おいて、雄大は笑顔を見せた。
「俺も咲が好き!」
咲はありがとう、と頭をなでた。
「雄大のそばには、雄大のことが好きでも、好きって言えない人がいるんだ。」
「えっだれ?」
咲は彼の寝起きで温かい手を握る。
「行こう。」
ノックの音に、咲だろうと思い、柴崎は入るように促す。
「失礼します。」
挨拶と共に、雄大と一緒に咲が顔を出した。
雄大は不満げに咲を見上げた。
「・・・あなたは・・・。」
雄大と手をつないでやってきた咲を見て、母親は目を見開く。
「もしかして、これはあなたが・・・?」
母親の言葉に、咲は頭を下げた。
雄大が驚いたように咲の手を強く握った。
「勝手なことをしたとも思っています、ですが」
「ちがうの、頭をあげて。」
咲は恐る恐る顔を上げる。
母親の顔に怒りの感情が見えないことに、内心安堵した。
「私、待っていたんだと思うの。
雄大と遊ぶうちに、
あなたが気づいて、通報してくれること。」
母親の頬に涙が伝う。
「ありがとう。」
今度は咲が雄大の手を強く握った。
それは雄大と柴崎にしか気づけないような、小さな変化だった。
「いいえ。
私は、雄大の友達ですから。」
早口にそう紡ぐ。
そうしなければ、雄大が泣くなと言ってくれたのに、
また涙があふれてしまいそうだったから。
「待っています。
また、一緒に遊びましょう。」
約束