本編 ー4thー
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仕事の話があるから、と毬江には外で待っていてもらった。
「柴崎さん、怒っていますか」
静かな問いに、小牧は目を細める。
「どうして」
彼女はそれ以上言うことはなかった。
自分の知らない何かがある。
それは当たり前のことだけれど、今回は見過ごせない何かが、そこにある気がした。
「……私、謝りたくて」
SPのスケジュールに咲を入れたのが柴崎だということは、小牧も知っている。
もともと、咲と柴崎の間柄には、小牧にはよくわからない部分があった。
妙につるんでいたり、妙に二人とも情報を知っていたり、妙に気を遣っていたり、妙に傷つけあっていたり……
もし自分の勘が正しければ、柴崎が咲と手塚慧の関係を知った上で今日のSPを指名したからこそ謝りたいという話になり、柴崎と郁の関係を思えば未だ疑問点は残るものの今までの妙な関係の説明も一番しやすくなる気がした。
うつむく咲に、小牧は首をかしげて見せた。
「俺でよければ相談に乗るけれど」
優しく声をかけてみる。
こんな風に、彼女の情報を聞き出そうとする自分に嫌気がさす。
その一方で状況を冷静に分析している自分がいる。
しかしそれは簡単ではないようだ。
「小牧さんに相談するなら毬江に相談してますよ」
詮索しようとすれば、大人っぽい笑顔でかわされてしまった。
彼女は頭が切れるから、もしかしたら俺が勘付いていることも気づいているかもしれない。
「あ、でも……
もしよろしければ……でいいんですけれど……」
言いづらそうにしているが、もう小牧がほしい情報を漏らそうとしているわけではないことは、分かっている。
それでも小牧はにこやかに微笑んだ。
彼女を疑う一方で、彼女のためにできることがあればしてあげたいという気持ちがあるのも事実。
その狭間で、小牧はどこか胸を痛めているのだから。
「何でも言ってよ。
君には毬江ちゃんを助けてもらった恩がある」
咲は驚いたように目を見開いた。
しばらく考えて、痴漢にあったことか、と思い当たる。
「……あれは、恩じゃないですよ。
私にとっても毬江は大切な人なんですから」
だがそう言ってくれるところに、小牧はまた恩を覚えるのだ。
大切な子の、心の支えに。
「いいよ、頼まれようじゃないか」
俺にできることなら
