本編 ー4thー
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『はい、手塚慧です、柴崎さん?』
久しぶりに自分の携帯を返してもらって、かけてみれば第一声がこれだ。
力が抜ける。
「・・・俺。」
もちろん声も無愛想になる。
不可抗力だ。
『光か!これは嬉しい人違いだな。
心配していてくれたのか。』
その言い方がまた気に障る。
「死ねとまでは思っていないからな。
父さんも心配していた。
本当に怪我はないんだろうな。」
『俺はない。
だが、何を考えているんだお前の上官は。
できた男だと思っていたが、この俺にしては珍しく見当違いだったようだ。』
ずいぶんない言い様である。
それが彼らしくもあるのだが、意味が分からず流石の手塚も首をかしげた。
「はぁ?」
『言っておけ。
戦時中の日本じゃないんだ。
自己犠牲精神で助けられた男の身になれ、とな。』
その苦々しい言葉に、彼の言葉がなにを指すのか、理解し始める。
さっきはすっかり動転していて気がつかなかった。
兄を守ったSPは。
怪我をしたSPは。
「まさか、空太刀・・・」
『お前今まで気づかなかったのか。』
むこうでため息がした。
『それから・・・まあいい。』
珍しく切れの悪い言葉に思わず食いつく。
「なんだよ!?」
自分が後輩のことにも気づかず、兄を心配していたことが悔しかったなんて、自分でも認めたくない。
そのことが語気の荒さに現れていて、きっと兄は気づいてしまうだろうと思うと、それもまた腹立たしかった。
鼻で笑われるだろうかと構えたが、返ってきたのはため息だった。
『お灸をしっかり据えられているだろうから、わざわざ言うこともなかろう。
お前は周りをよく見ることだ。』
「それはどういう・・・」
電話は既に切れていた。
ツー、ツー、ツー
