本編 ー4thー
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客間の扉が開き、相手が息をのんだのが分かった。
稲嶺が薄く笑う。
「意中の方でなくて申し訳ありませんね。
しかし警備会社と図書隊が到着するまで、あなた方には私に付き合ってもらいます。」
舌打ちした隊員が壁際を探り、電気のスイッチが叩いた。
手違いが生じたら電気をつけて知らせるつもりだったのだろうが、すでに電球は緩めてある。
「しかし車椅子の貴様に何ができる!
当麻は警護の者と一緒に逃がしたのだろうが追えば済むことだ!」
吐き捨てた良化隊が踵を返そうとしたその時、
ガシャン
メカニカルな音がした。
クラシカルな2丁銃が真ん中に立った上官らしき男の頭に向けられている。
「馬鹿げたものを作りおって!」
「その馬鹿げたものが役に立ってしまうような状況が発生していることも馬鹿げていると思いませんか。」
稲嶺の声はあくまで穏やかだ。
部下が咄嗟に動こうとするのを抑えるように、その頭に冷たく硬い感触がつきつけられる。
咲だ。
拳銃二丁構え、両方を部下の2人の頭に添えている。
「動かないでくださいよ、ここは日野だ。」
穏やかな声に強調される地名。
「ちなみに彼女も私と同じでね。
両親をここで亡くしている。」
相手の動揺が伝わってくる。
面白いほどに。
「日野は、私達が貴方がたに全てを奪われた土地です。」
静かに稲嶺が続けた。
「我々が事件に関与した証拠はない!」
「言い変えましょうか、
日野で私はメディア良化法に全てを奪われたのです」
「動かないでください。
私は図書隊の設立に没頭することで、妻を奪われた復讐心をなんとか押し殺してきた男です。
この土地で、妻と暮らしていたこの家に、私の許可なく入ってきた貴方がたの頭は最早ただの的にしか見えない。
私は今、なけなしの理性で引き金を引かずにいます。
しかし貴方がたがうかつに動けば、反射で撃ってしまうかもしれません。
その子とて同じ。」
室内には殺気が満ちている。
自分と稲嶺がこれほどの怒りをかくして生きていることに、今更ながら気づかされた。
静かに笑う稲嶺に、敵が戦意を喪失したのを感じた。
押し殺す感情
