本編 ーthirdー
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「柴崎士長、空太刀です。
突然申し訳ありません」
『あら、咲。
久しぶりね。
何?笠原に聞いたの?』
「はい」
『珍しいわね』
自分が笠原や柴崎苦手意識があることなど、彼女にはおそらくお見通しなのだろう。
それでいて、きっと、ありのままの私を受け入れようとしてくれるのだ。
私よりもずっと、大人な人たち。
そして、私が裏切った人たち。
「実はお願いしたいことがありまして……」
相手は少しだけ意外だったようだ。
「情報部の候補生に、私を入れてください。
お願いします」
『……あら。
急に何の話?』
「私は特殊部隊に戻れないかもしれない。
玄田さんが撃たれたのを見てから、隊服が、見れないんです」
相手は黙っている。
笠原から話は伝わっていたのだろう。
「私には、手塚慧とつながりがありました。
あの人の考えも、きっと誰より分かる。
だから、私を候補生に」
『嫌よ』
バッサリと斬り落とされた。
『まさかとは思っていたけど……』
電話の向こうで小声が聞こえて、続いて深い溜息がした。
きっと髪をかき上げて、柳眉を寄せているに違いない。
『……嫌よ。
理由なんてあんたは分かっているはず』
その理由はただ一つだ。
『あたしの大切な友達を傷つけた。
助けられる立場にいて助けなかった。
だから……あんたはもう敵よ』
両者の間に沈黙が降りる。
咲は目を閉じ、唇をかんだ。
冷たく言い放たれた言葉が、心を凍らせていく。
だがそんな沈黙を破ったのは、咲だった。
「……敵を」
声は微かに震えていた。
ごくりと唾を飲む。
目を開く。
その後に出た言葉は、感情を微塵も感じさせなかった。
「敵を手駒にするのは、嫌いではない方だと思っていましたが」
『……あんた、なかなか分かっているわねぇ』
電話の向こうから聞こえる皮肉にぎゅっと携帯を握りしめる。
『分かったわ。
でも候補生にはしない。
あたしの手駒(イヌ)にする。
まずはそれでOK?』
「はい、充分です」
『分かったわ……チビちゃん』
静かな柴崎の声が、妙に耳に残った。
私は弱い
