本編 ーthirdー
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雨だ。
戦闘配置につく。
六時。
『来るぞ。
発砲用意』
「発砲用意」
無線が伝える玄田の言葉を辺りに伝え、咲も銃を構える。
近くの他の隊員がそれにならった。
屋上には無線機は3台。
私がそのうち一台を持ち、情報を伝えることになっている。
まだ大規模戦闘の経験が浅いため、メインの狙撃場からは外されているのは悔しいが、仕方ない。
ちなみに手塚は咲の隣だ。
そこから2人挟んで進藤。
メインだ。
激しい音がした。
フェンスを突き破り、バスをなぎ倒し、良化隊員が乗り込んでくるのを、屋上から見つめる。
銃撃が激しい。
「落ち着いて狙え!」
進藤が短く叫ぶ。
体がこわばるのを、意識してほぐす。
ひるんだら、負けだ。
『発砲許可!』
玄田の声に負けず、声を張り上げる。
「発砲許可!!」
そして咲も発砲する。
上も下も激しい銃撃戦だ。
負傷者も出始める。
少しでもここの防衛部を鍛えていてよかったと思う。
不意に耳に呻き声が飛び込んできた。
辺りは悲鳴や罵声で爆音で満ちているのに、その声だけは聞き取れた。
不思議だった。
指が、引き金から離れた。
振り返る先に、見える赤。
離れているはずなのに、彼の音と、彼の赤だけはまるで近くにあるように感じた。
「進藤一正!」
続いて聞こえる悲鳴のような声に、咲はようやく状況を認識した。
咲の耳には激しい戦闘音が、もはや聞こえていなかった。
「大丈夫ですか!!」
腕を赤く染め、顔をゆがめる伯父の姿。
進藤の隣に居た隊員が駆けより、その怪我の状況を見ている。
どくどくと溢れる赤に、頭が真っ白になる。
家族がみんな腫れ物に触るように扱うのに、彼は違った。
ーちびっこめ、お前は図書隊員か?ー
本を抱える私を、あの血の流れる腕でやすやすと持ちあげた。
ー姉さん似だ。美人になるぞ!ー
『進藤一正、任務続行不能!
退避します!』
隊員は無線で告げる。
すぐそばにいる咲には、肉声と無線がわずかにぶれて聞こえた。
防衛部が進藤を連れていくために駆け寄る。
連れて行かれようとするのに、伯父さんは私を見て、顔をしかめた。
「馬鹿か咲!
お前は撃て!!」
進藤の罵倒に、咲は我に返り、再び戦闘配置につく。
銃弾に貫かれる痛みは、知っていた。
『どこから撃たれた?』
無線の向こうで誰かが尋ねた。
『木です!
高さは屋上には届かないけど、身を乗り出せば狙撃主を撃つのは可能です!』
無線からの堂上の声だ。
『一番高い木、人が登れる一番高いところに潜んでいるはずです!』
その判断に、間違いはないだろうと、目を凝らす。
『「了解!」』
手塚の声が、肉声を追うように無線から聞こえた。
気づけば彼は隣にはいない。
下に降りていくらしい。
『「俺が囮になる。
その反撃の銃線で、お前は撃て」』
進藤が傷口を縛りながら咲の隣のあいている場所、つまり手塚が居た場所に腰をおろし、防衛部に持ってこさせた無線に怒鳴る。
流石にメインで囮は厳しいのだろう。
すぐ隣で聞こえる肉声と無線が、わずかにぶれて聞こえるせいだろうか、なんだかめまいがするようだ。
彼の言う“お前”が咲ではなく、手塚を示していることなんて、分かっていた。
『撃てるんですか?』
返答は手塚だ。
2人の会話に、入る隙間なんてない。
怒りが湧き上がってくる。
なぜ、どうして、伯父さんは撃たれたのか。
なぜ、どうして、自分ではないのか。
なぜ、どうして、入る隙すらないのか。
ならば
戦闘配置につく。
六時。
『来るぞ。
発砲用意』
「発砲用意」
無線が伝える玄田の言葉を辺りに伝え、咲も銃を構える。
近くの他の隊員がそれにならった。
屋上には無線機は3台。
私がそのうち一台を持ち、情報を伝えることになっている。
まだ大規模戦闘の経験が浅いため、メインの狙撃場からは外されているのは悔しいが、仕方ない。
ちなみに手塚は咲の隣だ。
そこから2人挟んで進藤。
メインだ。
激しい音がした。
フェンスを突き破り、バスをなぎ倒し、良化隊員が乗り込んでくるのを、屋上から見つめる。
銃撃が激しい。
「落ち着いて狙え!」
進藤が短く叫ぶ。
体がこわばるのを、意識してほぐす。
ひるんだら、負けだ。
『発砲許可!』
玄田の声に負けず、声を張り上げる。
「発砲許可!!」
そして咲も発砲する。
上も下も激しい銃撃戦だ。
負傷者も出始める。
少しでもここの防衛部を鍛えていてよかったと思う。
不意に耳に呻き声が飛び込んできた。
辺りは悲鳴や罵声で爆音で満ちているのに、その声だけは聞き取れた。
不思議だった。
指が、引き金から離れた。
振り返る先に、見える赤。
離れているはずなのに、彼の音と、彼の赤だけはまるで近くにあるように感じた。
「進藤一正!」
続いて聞こえる悲鳴のような声に、咲はようやく状況を認識した。
咲の耳には激しい戦闘音が、もはや聞こえていなかった。
「大丈夫ですか!!」
腕を赤く染め、顔をゆがめる伯父の姿。
進藤の隣に居た隊員が駆けより、その怪我の状況を見ている。
どくどくと溢れる赤に、頭が真っ白になる。
家族がみんな腫れ物に触るように扱うのに、彼は違った。
ーちびっこめ、お前は図書隊員か?ー
本を抱える私を、あの血の流れる腕でやすやすと持ちあげた。
ー姉さん似だ。美人になるぞ!ー
『進藤一正、任務続行不能!
退避します!』
隊員は無線で告げる。
すぐそばにいる咲には、肉声と無線がわずかにぶれて聞こえた。
防衛部が進藤を連れていくために駆け寄る。
連れて行かれようとするのに、伯父さんは私を見て、顔をしかめた。
「馬鹿か咲!
お前は撃て!!」
進藤の罵倒に、咲は我に返り、再び戦闘配置につく。
銃弾に貫かれる痛みは、知っていた。
『どこから撃たれた?』
無線の向こうで誰かが尋ねた。
『木です!
高さは屋上には届かないけど、身を乗り出せば狙撃主を撃つのは可能です!』
無線からの堂上の声だ。
『一番高い木、人が登れる一番高いところに潜んでいるはずです!』
その判断に、間違いはないだろうと、目を凝らす。
『「了解!」』
手塚の声が、肉声を追うように無線から聞こえた。
気づけば彼は隣にはいない。
下に降りていくらしい。
『「俺が囮になる。
その反撃の銃線で、お前は撃て」』
進藤が傷口を縛りながら咲の隣のあいている場所、つまり手塚が居た場所に腰をおろし、防衛部に持ってこさせた無線に怒鳴る。
流石にメインで囮は厳しいのだろう。
すぐ隣で聞こえる肉声と無線が、わずかにぶれて聞こえるせいだろうか、なんだかめまいがするようだ。
彼の言う“お前”が咲ではなく、手塚を示していることなんて、分かっていた。
『撃てるんですか?』
返答は手塚だ。
2人の会話に、入る隙間なんてない。
怒りが湧き上がってくる。
なぜ、どうして、伯父さんは撃たれたのか。
なぜ、どうして、自分ではないのか。
なぜ、どうして、入る隙すらないのか。
ならば
