本編 ーthirdー
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部屋に戻った。
笠原は今日の悶着のせいでまだ仕事が終わっていないから、咲が部屋で久しぶりに独りだ。
胸が温かかったのに、なぜだか切ない。
ふと携帯を見ればメールの着信を示していた。
毬江だ。
『小牧さんに聞いたよ、茨木に出張中なんでしょう?
心配したよ、教えてくれたらいいのに』
身近に共通の知り合いがいるのは少し面倒だな、と思う。
『ちょっと危ないお仕事なんでしょう?
気をつけてね』
小牧から情報が流れているのだろう。
『この前、新しくおいしいケーキ屋さん見つけたから、帰ったら一緒に行こうね。
一士合格のお祝いもまだしていないから、絶対に行こうね。
楽しみにしているから』
控えめな、毬江らしい気づかいだ。
仕事から切り離した時、自分に関わりのある唯一の人物と言ってもいい毬江。
そこには、硝煙の臭いも、血の赤もない、ただ女の子らしい優しさが溢れている。
(小牧さんがメロメロなのも当たり前)
ぱふ、とベットに寝転んだ。
毬江は小牧だけではなく、自分にも気を遣ってくれる。
卒業してもう2年もたつのに。
新しい友達も、たくさんできているはずなのに。
(失うのが怖くて、私は距離を置こうとしているのに)
私にとって貴女はたったひとり
