東京
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝食を終えると2人はさっさと狩りに行ってしまった。
おかげで俺はまた厨房の手伝いだ。
それが終わると特にすることもなく部屋に戻る。
じっとしているのはもともと好きじゃない。
いらないことばかり考えてしまうから。
だが、それが必要な時もある。
いったい、あの、小狼は誰なのか。
二重人格か、それとも誰かに操られているのか。
そうだとしたら、この旅を見張る誰かと何か関係があるのだろうか。
ー全ては必然ー
魔女の言葉を思い出す。
あの時は何とも思わなかったが、もしかすると。
(・・・全ては仕組まれている・・・?)
不意に少女が動く気配がある。
目が覚めたのかと見やるが、様子がおかしい。
「・・・おい、姫!」
どこか苦しげにひそめられた眉。
その口元に手をあてるが。
「息をしていない。」
体が震える。
なぜ、どうして、こんなことになったのかと。
こんな近くに居ながら、いったいどこで自分は手離してしまったのかと。
「おい!
姫、姫!」
握る手はまだ温かいのに、その手が再び俺の手を掴むことはなく、力なくベットに落ちた。
体に寒気が走る。
よぎるのはレコルト国で見た、“小狼”の姿。
冷たい瞳と、死んだような姫の姿が重なる。
あの時もそうだった。
(俺が、ここにいたのに。
いったい、いったい、どうして。)
ここにはいない、自分を幼い日に守ってくれた、蒼い瞳の少年を思い出した。
そして、自分を殴り飛ばした悲しい青年を思い出した。
ばらばらになっていく感覚に、指先から冷たくなっていくのを感じる。
(どうして、どうして離れてしまうんだっ!!)
「彼女は死んではいません。」
突然聞こえた声に咄嗟に姫を抱きかかえ、飛び下がり、刀を構える。
気配に気づけなかったのは、俺の落ち度だ。
俺の荒い呼吸だけが辺りに響いた。
完全にパニック状態に陥っていた頭が、冷静を取り戻す。
「・・・何故、そう、思う。」
荒い呼吸を整える。
立っていたのは、牙暁と呼ばれていた女だ。
「夢で見たんだです。
貴方達が来るのを。」
「夢見・・・。」
この国の巫女のような立場だと説明されたのを思い出す。
「貴方達の国ではそう言うのですね。
私も未来が視えます。
いつもじゃありませんが。」
そして彼女はそっと姫を指さした。
「その子は眠っています。
眠っているのは体ではなく、魂です。」
「お帰りー!」
大きな獲物を引いて帰ると、霞月が元気よく迎えてくれた。
黒りんの姿は見えない。
部屋だろうか。
(見たくもないけど。)
そう言い聞かせる自分に、言い聞かせることで彼女を再認識してしまう自分に、腹が立つ。
「モコナもお帰りーわっ!」
めきょ!!
見開かれた目にオレと小狼君が驚く。
「羽根!
今感じた!
この地下!」
モコナの焦ったような声に、小狼君が辺りを見回す。
「地下に降りるにはどうしたらいいんですか?」
「だめよ、地下には許可されたものしか行けない。」
医大生だと聞いた、颯姫ちゃんが首を振った。
「探しているものはそこにあるんです!」
小狼君は必死の形相だ。
この子は本当にまっすぐで、いつも真剣なんだ。
「地下にあるのは水だけよ。」
「この下!」
なぜかモコナが焦っている。
何か羽根の傍で在るのかもしれない。
不思議な力を持つ子だから。
「お願いします!教えてください!」
彼の真剣な思いに、しぶしぶ了承してくれた。
小走りで地下へと走っていく。
黒たんを呼んだ方がいいかと一瞬思って、オレは首を振る。
(いいんだ、もう彼女は。)
会えばまた、壊れていく。
それはオレの勝手な事情で、いつもなら呼んでいたかもしれないし、呼ばなければならないと頭では分かっていた。
彼女の戦闘力は並はずれていて、いざという時本当にこの子達を助けてくれるから。
でも、今のオレに、彼女を呼ぶことはできなかった。
心が拒んでしまった。
颯姫さんについて慌てて地下に降りれば、そこにはどこか見覚えのある雰囲気があった。
(どこだろう・・・。
すごく懐かしい。)
でもそれを考えている場合じゃない。
個の水の先に、気配がある。
おれはマントを脱ぐと水に飛び込んだ。
どこまでも澄んだ清いそれは、ひどく懐かしい。
透明の向こうに、殺気立った神威がいた。
そして彼の殺気の先に居たのは。
(姫!!)
2人の間に割って入る。
眠ったような姫は一体どうしてこんなところに居るんだろう。
呼吸は?意識は?
何より。
(黒鋼さんは・・・?)
彼女と一緒に居たはずの人がいない。
何故いないのか。
あの人が姫を見捨てるはずがないと分かっている。
ならば尚更。
「邪魔だ、退け。」
水の中なのに、神威の声が聞こえる。
おれは首を振ってそれに答えた。
「もう一度言う。
どけ。」
どけるはすがない。
彼は姫を殺す気だ。
(ならば、姫を殺すならば、おれは。)
一瞬だった。
水に居るのを感じさせない、神威の動き。
爪が首元を抉り、鋭い痛みが脈を打つ。
(黒鋼さん・・・。)
いったいどうして来てくれないんだろう。
そう思った時、自分がどれだけ彼女に頼っていたのか思い知る。
水が重くて動けない。息も持ちそうにない。
次の一撃が肩を切り裂く。
(黒鋼さん!)
どんなに念じても、あの紅い瞳は見当たらない。
「お前、エだろう。」
(初めて会った時にも言われた、エって何だ?)
「知らないのか。エは餌だ。」
蹴りをなんとか出すが止められてしまう。
「お前その技・・・」
見開かれた神威の目に、新たな殺気が宿る。
首を激しく裂かれ、血が辺りに漂う。
赤い視界の中、殺気だった神威はぺろりと赤を舐めた。
「お前の血を全部飲めば目を覚ますかもしれない。
昴流は。」
神威と昴流、それは星史郎さんが探している吸血鬼の双子の名前だ。
「あいつは必ず殺す。
その前にお前だ。」
殺気だった攻撃を逃げるすべはなく、体内から血が抜けていくのを感じた。
あの人なら、どうやって守っただろう。
どうしてここにいないんだろう。
あの人が、守らないはずがないのに。
どこかで、この神威に殺されてしまったのだろうか。
そんなこと、そんなこと・・・。
意識が途切れた。
だめだ、待てない。
マントとモコナを投げる。
そして、赤く染まった水に飛びこんだ。
赤く染まった水。
それは初めのような清さを失ってしまった。
(この水は、もう、だめだ。)
そしてその水の向こう。
氷のような目をした小狼君が、神威くんを掴んでいる。
小狼君の方が優勢のようだが、彼自身が我を失っているから、そうとも言えないかもしれない。
神威くんは一瞬の隙をついて小狼君の腕から逃げ出した。
「あれの主人はお前か。」
頭に響いてくる声。
不思議な力を持つ子だ。
昔本で読んだことがある。
たしか彼は、吸血鬼。
「違う、彼は本当にいい子なんだ。
サクラちゃんを守って、羽根を探そうと一生懸命で。」
「お前、これが人間じゃないと知っていたな。
抑えてはいるが相当の魔力の持ち主だろう。
だったらこれの中身、お前たちは心とか言うんだったな。
それが誰かからか与えられたものだということも知っていただろう。」
どうやら何でもお見通しらしい。
「たとえ他人のものでも、偽りでも、その心を受け取る君にとっては真実なんだ。」
(そう、オレの嘘でさえ、この子たちは受け止めてくれる。)
「・・・右目の魔力が消えかけている。」
神威君に言われなくても、オレも分かっている。
そして、近づいてくる気配。
「誰か来る。
あの狩人ではない。」
「もう一人の小狼君が、来る。」
もう一人の小狼君が、きっと本体。
それでも、オレ達にとっては、目の前に居る小狼君こそ、小狼君だ。
上で待つモコナも、君の後ろで眠るサクラちゃんも、そして、きっとここにはいない黒様だって、ただただ君を大切に思っているんだ。
(君のことを。)
小狼君の目から魔法陣が現れる。
現れた白黒の球は、きっと彼の心。
(その心は君のものだ。
君とサクラちゃんや君を愛する人たちで作った大切なものなんだ。
だから。)
魔力を込める。
君のためなら、構わない。
魔法を使ったって。
あの人が追いかけて来たって。
だって、そんなことには変えられないから。
黒りんを呼びに行かなかったオレに、今出来ることなんて、これしかないから。
(その心を、なくしちゃいけない!)
魔法が弾かれた。
足元に転がってきた小狼君の心を拾い上げる。
「小狼・・・君。」
目の前に居るのは、氷のような小狼君だ。
次の瞬間、激しい打撃に襲われる。
腹に入ったそれは、遠慮のないそれは、どうしてか黒様を思い出させた。
(きっと、痛かったんだろうな。)
仲間に、オレに、こうして蹴られるのは。
「この世界に羽根はあれだけか。」
「魔術を使うな。
・・・その目が魔力のみなもとか。
羽根を取り戻すためにこれも必要か。」
ああ、黒様。
君ならどうするかな。
どうして君がいないのかな。
もう一度、君が見たいよ。
赤い瞳で、オレを睨みつけて、そして言ってよ。
守るって。
その言葉だけでもう十分だから。
心が砕け散ってしまうほど、俺には熱くて重くて、二度と聞きたくない言葉だから。
だからお願い、もう一度聞かせて。
ねぇ。
おかげで俺はまた厨房の手伝いだ。
それが終わると特にすることもなく部屋に戻る。
じっとしているのはもともと好きじゃない。
いらないことばかり考えてしまうから。
だが、それが必要な時もある。
いったい、あの、小狼は誰なのか。
二重人格か、それとも誰かに操られているのか。
そうだとしたら、この旅を見張る誰かと何か関係があるのだろうか。
ー全ては必然ー
魔女の言葉を思い出す。
あの時は何とも思わなかったが、もしかすると。
(・・・全ては仕組まれている・・・?)
不意に少女が動く気配がある。
目が覚めたのかと見やるが、様子がおかしい。
「・・・おい、姫!」
どこか苦しげにひそめられた眉。
その口元に手をあてるが。
「息をしていない。」
体が震える。
なぜ、どうして、こんなことになったのかと。
こんな近くに居ながら、いったいどこで自分は手離してしまったのかと。
「おい!
姫、姫!」
握る手はまだ温かいのに、その手が再び俺の手を掴むことはなく、力なくベットに落ちた。
体に寒気が走る。
よぎるのはレコルト国で見た、“小狼”の姿。
冷たい瞳と、死んだような姫の姿が重なる。
あの時もそうだった。
(俺が、ここにいたのに。
いったい、いったい、どうして。)
ここにはいない、自分を幼い日に守ってくれた、蒼い瞳の少年を思い出した。
そして、自分を殴り飛ばした悲しい青年を思い出した。
ばらばらになっていく感覚に、指先から冷たくなっていくのを感じる。
(どうして、どうして離れてしまうんだっ!!)
「彼女は死んではいません。」
突然聞こえた声に咄嗟に姫を抱きかかえ、飛び下がり、刀を構える。
気配に気づけなかったのは、俺の落ち度だ。
俺の荒い呼吸だけが辺りに響いた。
完全にパニック状態に陥っていた頭が、冷静を取り戻す。
「・・・何故、そう、思う。」
荒い呼吸を整える。
立っていたのは、牙暁と呼ばれていた女だ。
「夢で見たんだです。
貴方達が来るのを。」
「夢見・・・。」
この国の巫女のような立場だと説明されたのを思い出す。
「貴方達の国ではそう言うのですね。
私も未来が視えます。
いつもじゃありませんが。」
そして彼女はそっと姫を指さした。
「その子は眠っています。
眠っているのは体ではなく、魂です。」
「お帰りー!」
大きな獲物を引いて帰ると、霞月が元気よく迎えてくれた。
黒りんの姿は見えない。
部屋だろうか。
(見たくもないけど。)
そう言い聞かせる自分に、言い聞かせることで彼女を再認識してしまう自分に、腹が立つ。
「モコナもお帰りーわっ!」
めきょ!!
見開かれた目にオレと小狼君が驚く。
「羽根!
今感じた!
この地下!」
モコナの焦ったような声に、小狼君が辺りを見回す。
「地下に降りるにはどうしたらいいんですか?」
「だめよ、地下には許可されたものしか行けない。」
医大生だと聞いた、颯姫ちゃんが首を振った。
「探しているものはそこにあるんです!」
小狼君は必死の形相だ。
この子は本当にまっすぐで、いつも真剣なんだ。
「地下にあるのは水だけよ。」
「この下!」
なぜかモコナが焦っている。
何か羽根の傍で在るのかもしれない。
不思議な力を持つ子だから。
「お願いします!教えてください!」
彼の真剣な思いに、しぶしぶ了承してくれた。
小走りで地下へと走っていく。
黒たんを呼んだ方がいいかと一瞬思って、オレは首を振る。
(いいんだ、もう彼女は。)
会えばまた、壊れていく。
それはオレの勝手な事情で、いつもなら呼んでいたかもしれないし、呼ばなければならないと頭では分かっていた。
彼女の戦闘力は並はずれていて、いざという時本当にこの子達を助けてくれるから。
でも、今のオレに、彼女を呼ぶことはできなかった。
心が拒んでしまった。
颯姫さんについて慌てて地下に降りれば、そこにはどこか見覚えのある雰囲気があった。
(どこだろう・・・。
すごく懐かしい。)
でもそれを考えている場合じゃない。
個の水の先に、気配がある。
おれはマントを脱ぐと水に飛び込んだ。
どこまでも澄んだ清いそれは、ひどく懐かしい。
透明の向こうに、殺気立った神威がいた。
そして彼の殺気の先に居たのは。
(姫!!)
2人の間に割って入る。
眠ったような姫は一体どうしてこんなところに居るんだろう。
呼吸は?意識は?
何より。
(黒鋼さんは・・・?)
彼女と一緒に居たはずの人がいない。
何故いないのか。
あの人が姫を見捨てるはずがないと分かっている。
ならば尚更。
「邪魔だ、退け。」
水の中なのに、神威の声が聞こえる。
おれは首を振ってそれに答えた。
「もう一度言う。
どけ。」
どけるはすがない。
彼は姫を殺す気だ。
(ならば、姫を殺すならば、おれは。)
一瞬だった。
水に居るのを感じさせない、神威の動き。
爪が首元を抉り、鋭い痛みが脈を打つ。
(黒鋼さん・・・。)
いったいどうして来てくれないんだろう。
そう思った時、自分がどれだけ彼女に頼っていたのか思い知る。
水が重くて動けない。息も持ちそうにない。
次の一撃が肩を切り裂く。
(黒鋼さん!)
どんなに念じても、あの紅い瞳は見当たらない。
「お前、エだろう。」
(初めて会った時にも言われた、エって何だ?)
「知らないのか。エは餌だ。」
蹴りをなんとか出すが止められてしまう。
「お前その技・・・」
見開かれた神威の目に、新たな殺気が宿る。
首を激しく裂かれ、血が辺りに漂う。
赤い視界の中、殺気だった神威はぺろりと赤を舐めた。
「お前の血を全部飲めば目を覚ますかもしれない。
昴流は。」
神威と昴流、それは星史郎さんが探している吸血鬼の双子の名前だ。
「あいつは必ず殺す。
その前にお前だ。」
殺気だった攻撃を逃げるすべはなく、体内から血が抜けていくのを感じた。
あの人なら、どうやって守っただろう。
どうしてここにいないんだろう。
あの人が、守らないはずがないのに。
どこかで、この神威に殺されてしまったのだろうか。
そんなこと、そんなこと・・・。
意識が途切れた。
だめだ、待てない。
マントとモコナを投げる。
そして、赤く染まった水に飛びこんだ。
赤く染まった水。
それは初めのような清さを失ってしまった。
(この水は、もう、だめだ。)
そしてその水の向こう。
氷のような目をした小狼君が、神威くんを掴んでいる。
小狼君の方が優勢のようだが、彼自身が我を失っているから、そうとも言えないかもしれない。
神威くんは一瞬の隙をついて小狼君の腕から逃げ出した。
「あれの主人はお前か。」
頭に響いてくる声。
不思議な力を持つ子だ。
昔本で読んだことがある。
たしか彼は、吸血鬼。
「違う、彼は本当にいい子なんだ。
サクラちゃんを守って、羽根を探そうと一生懸命で。」
「お前、これが人間じゃないと知っていたな。
抑えてはいるが相当の魔力の持ち主だろう。
だったらこれの中身、お前たちは心とか言うんだったな。
それが誰かからか与えられたものだということも知っていただろう。」
どうやら何でもお見通しらしい。
「たとえ他人のものでも、偽りでも、その心を受け取る君にとっては真実なんだ。」
(そう、オレの嘘でさえ、この子たちは受け止めてくれる。)
「・・・右目の魔力が消えかけている。」
神威君に言われなくても、オレも分かっている。
そして、近づいてくる気配。
「誰か来る。
あの狩人ではない。」
「もう一人の小狼君が、来る。」
もう一人の小狼君が、きっと本体。
それでも、オレ達にとっては、目の前に居る小狼君こそ、小狼君だ。
上で待つモコナも、君の後ろで眠るサクラちゃんも、そして、きっとここにはいない黒様だって、ただただ君を大切に思っているんだ。
(君のことを。)
小狼君の目から魔法陣が現れる。
現れた白黒の球は、きっと彼の心。
(その心は君のものだ。
君とサクラちゃんや君を愛する人たちで作った大切なものなんだ。
だから。)
魔力を込める。
君のためなら、構わない。
魔法を使ったって。
あの人が追いかけて来たって。
だって、そんなことには変えられないから。
黒りんを呼びに行かなかったオレに、今出来ることなんて、これしかないから。
(その心を、なくしちゃいけない!)
魔法が弾かれた。
足元に転がってきた小狼君の心を拾い上げる。
「小狼・・・君。」
目の前に居るのは、氷のような小狼君だ。
次の瞬間、激しい打撃に襲われる。
腹に入ったそれは、遠慮のないそれは、どうしてか黒様を思い出させた。
(きっと、痛かったんだろうな。)
仲間に、オレに、こうして蹴られるのは。
「この世界に羽根はあれだけか。」
「魔術を使うな。
・・・その目が魔力のみなもとか。
羽根を取り戻すためにこれも必要か。」
ああ、黒様。
君ならどうするかな。
どうして君がいないのかな。
もう一度、君が見たいよ。
赤い瞳で、オレを睨みつけて、そして言ってよ。
守るって。
その言葉だけでもう十分だから。
心が砕け散ってしまうほど、俺には熱くて重くて、二度と聞きたくない言葉だから。
だからお願い、もう一度聞かせて。
ねぇ。
