ツァラストラ国2
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村に帰り、姫と少年が事の顛末を説明すると、長老は静かに頷いた。
「死者が蘇ることはない。
それが古からのさだめであることは、我々も身にしみて分かっておったはずじゃった。」
悲しげな表情に、姫も辛そうにうつむく。
長老の後ろで、空汰は辛そうに嵐から顔をそむけた。
しかし嵐は悲しんでいるようには見えなかった。
どこか微笑んでいるようにさえ見える。
「お礼を・・・。」
形の良い唇が静かにそういい、空汰は驚いたような顔で彼女を見た。
「私達はもう一度こうして会うことが許されないはずでした。
ですがサクラさん達のおかげで、もう一度触れ合うことさえ許された。」
空汰にそう語る嵐に、後悔は見えない。
「ですから、お礼を言わなければなりませんね。
こんな奇跡に巡り会わせてくれた、お礼を。」
優しい笑顔が俺達に向けられる。
空汰はギュッと嵐の手を握り、目元をごしごしとこすると、俺達を見てにかっと笑って見せた。
「その通りだ。
本当に、ありがとうな。」
その笑顔に少年と少女もどこか安心した表情を見せ、小さく首を振っていた。
ただ、青年だけが笑顔を張りつけているのが引っかかっていた。
彼には忘れられない何かがある。
それが彼を捉えて離さない。
それだけは俺にも分かっていた。
そして、彼がとらわれている以上、もはや俺達も囚われたに等しい。
少年も、姫も、白饅頭も、もう青年を無視できない。
彼の流す涙は、己の流す涙よりも辛いというような、優しい子たちだから。
(・・・もう時間はない。)
野生の勘が、何かを訴えていた。
「っ!」
寝ていたところに突然襲いかかられ、咄嗟に反撃に出る。
相手を殴ろうと動くも、その手を押さえこまれてしまう。
布を目元に掛けられ、何も見えない。
(安心しすぎていた、気配に気づけないなんて!)
いつも隣にいてくれる忍者さんに、余りに頼りすぎていたと反省するも時すでに遅し。
あんなに気配に敏感だったはずなのに、侵入者に気づけないなんて。
(黒様はどうしたんだ!?)
彼女を呼ぼうにも口に何かが詰め込まれ、声が出ない。
両手が頭上で抑え込まれた。
どんな押さえ方をされているのか分からないけれど、力が入らない。
相手はかなりのやり手だ。
しかし考えてみれば、オレがやられる前に、彼女が気づくはずだ。
彼女はオレよりも気配に敏感だから。
少なくともこの物音で起きるはず。
(ではなぜ助けてくれない・・・?)
思ってから、答えは一つしかないと気づいた。
思わず笑いが漏れる。
「大声を上げるな。
いいな。」
低い声は、聞き覚えのあるもの。
思いのほか冷静で、感情を感じさせない。
オレは頷く。
顔から布が取られ、そして口の中に詰められた布が取られた。
「・・・ひっさしぶりだから、びっくりしたよ、黒たん。」
そう、オレを襲っている張本人こそ、黒様だ。
紅い目がじっと俺を見据える。
彼女の右手がオレの喉にかかっている。
いつでも絞め殺せるだろう。
「使わないのか。」
彼女が何を言っているのか分かっている。
「何のこと?」
笑顔を張りつけてそう尋ねた。
微かに喉が締め付けられる。
(なるほど、話せっていう警告か。)
「お前は、何から逃げている?」
黒たんは、無表情だ。
暗い部屋の中に、紅い瞳だけが二つ、燃えるように浮かんでいる。
微かに潤んでいるように見えるのは錯覚だろうか。
表情をひた隠しにしているのに、何かに脅えているようにも見える。
否、隠しているからこそ、脅えて見えるのかもしれない。
悟られないようにと、必死に隠しているから。
(彼女もまだ二十歳そこそこの娘なんだ。)
どんなに刀を振るおうと、どんなに人を殺していようと、脅えることだってある。
オレとも生きている年数が違う。
初めて出会ったあの日も、オレはこうして同じように問いかけられた。
旅の、本当の目的を。
(何も変わっていないな、こうやって詰問して聞き出そうっていうところなんて。)
思わず笑いが漏れた。
どうしてだろう、嬉しいのかな。
「大丈夫だよ、黒ぽん達にあの人は危害を加えたりしない。」
彼女はきっと怖いんだ、サクラちゃんや小狼君を失うことが。
だからオレを、オレの持つ危険を排除したいんだ。
そんな暴力的なところだって、変わっていない。
「・・・アシュラ王か。」
思わず身体がピクリと動いた。
嫌だ。
黒りんは嫌だ。
いらないことばかり覚えている。
いらないところばかり見ている。
それも初めからだった。
「アシュラ王は何者だ。
どんな術を使う?」
「何言ってるの、黒たん。」
「それはこっちの台詞だ。」
殺気の籠った紅い目。
背筋がぞくりとする。
好きなのだ、この感覚。
彼女の目に、オレしか映っていない、この瞬間が。
「隠していること、洗いざらい話してもらおうか。」
彼女は小狼君とサクラちゃんが本当に大好きだから。
だから、オレの敵になってしまうのかな。
これもまた、初めのころから気づいていたこと。
「またわけのわからない被害妄想に走っているだろう。」
紅い目はとても攻撃的で、心までえぐり出しそうな色をしている。
「まだ言わせるのか。」
黒たんの頬が気のせいか赤い。
そうか、これは朝日の色だ。
昨日ぼやけた視界にも、映っていた。
あの紅い目は殺気を帯びているのに、どこか子どものようで可愛らしい。
それが何か、思い出してはいけない何かを引き出しそうで、怖い。
「俺は守りたい。
少年と、姫と、あの白饅頭と、それから・・・。」
切なげに歪んだ紅い瞳。
何故だろう。
なぜ彼女はこんな顔をしているんだろう。
続けられるであろう言葉が恐ろしくて、気持ちが悪い。
「お前を守りたいんだ。」
吐き出された言葉に、反射的に黒様を殴り飛ばし、無防備になった腹を蹴り飛ばしていた。
鈍い音を立てて、黒様が足元の壁に背中を打ちつけ、むせながら蹲った。
体が震える。
恐怖に。
何に対する恐怖なのか、もはや分からなくなっていた。
そのことさえ、恐怖を更に増長させた。
「何が・・・何が分かる!」
叫んでいた。
こんなつもりじゃなかったのに。
ずっと閉じ込めておくつもりだったのに。
気持ちが、滅茶苦茶で、歯止めがきかない。
「オレに、構うな!」
黒い髪に隠された顔。
表情は見えない。
見たくもない。
ひく、ひく、と動く背中。
目ざわりで仕方がない。
自分の荒い呼吸も、耳触りで仕方がない。
心がかき乱されて、仕方がない。
オレは部屋から出て、川に顔を洗いに向かった。
外の風で頬が冷えて、何か冷たいものが流れているのを感じた。
それが何かなんて、考えたくなかった。
拳に、黒様の頬の感触が残っている。
柔らかくて、温かくて、滑らかな。
(消し去ってしまいたいっ!)
どれほど洗っても、消えることなんてなくて、むしろ冷たい水のせいで記憶が鮮明になるばかりだった。
「・・・さん・・・ファイさん!」
声にはっと顔を上げると、サクラちゃんが不安そうにオレを見ていた。
「どうしたんですか?」
赤くなった手を、そっと包み込む、小さな手。
「ちょっと・・・汚れ・・・ちゃって、洗っていたんだ。」
オレは上手に笑えていたんだろうか。
タオルでオレの濡れた顔や髪、そして手をぬぐってくれる。
こんなオレを、サクラちゃんを守ろうとした黒たんを傷つけたオレを、何も知らずにいたわってくれる彼女の優しさが、オレの胸を締め付ける。
失った命は戻らない。
昨夜、蛍のようにして空ちゃんも嵐さんも消えて行ってしまった。
あの子だって、もう帰って来やしないんだ。
それならオレ昨日一緒に消えていればよかった。
それでよかったんだ。
「・・・ごめん、一人にさせてくれるかな。」
サクラちゃんは悲しそうにオレを見て、それから向こうへ駆けて行った。
時折不安そうにオレを振り返って。
オレはあの子たちのために何ができるんだろう。
裏切り者のオレに、いったい何が。
(やっぱり、嫌いだ、黒りんなんて。)
オレにいつも現実をつきつける。
お前は敵だ、と。
愛情を見せることで、オレの罪を色濃く映し出す。
(大嫌いだ。)
(・・・手加減なし、か。)
壁にもたれて天井を仰いだ。
背中が痛い。
腹が痛い。
頬も痛い。
口の中が血の味がする。
(久しぶりかも知れない。
こんな負け戦。)
目を閉じると浮かんでくる、必死の顔。
(そんな顔もできるんだな。)
思わず笑った。
もう待ったは無しだ。
彼には向き合わなければならないことが多すぎる。
つまりは、俺達が向き合わなければならないことが多すぎるのだ。
もういい加減、この平穏な関係を砕いてでも、変わらなければならない。
彼が魔法を使ったのだ。
時間はもうない。
(それにしても見事に砕けたな。)
肋骨はヒビが入ったかもしれない。
受け身を取れなかったから。
顔の内出血もひどいことだろう。
(俺も馬鹿だな。)
彼に力いっぱい殴られたのがショックで、蹴りを受け止められ名さなかったなんて、自分でも馬鹿げていると思う。
(俺は決めたんだ。
お前を、お前たちを、守って見せる。)
「死者が蘇ることはない。
それが古からのさだめであることは、我々も身にしみて分かっておったはずじゃった。」
悲しげな表情に、姫も辛そうにうつむく。
長老の後ろで、空汰は辛そうに嵐から顔をそむけた。
しかし嵐は悲しんでいるようには見えなかった。
どこか微笑んでいるようにさえ見える。
「お礼を・・・。」
形の良い唇が静かにそういい、空汰は驚いたような顔で彼女を見た。
「私達はもう一度こうして会うことが許されないはずでした。
ですがサクラさん達のおかげで、もう一度触れ合うことさえ許された。」
空汰にそう語る嵐に、後悔は見えない。
「ですから、お礼を言わなければなりませんね。
こんな奇跡に巡り会わせてくれた、お礼を。」
優しい笑顔が俺達に向けられる。
空汰はギュッと嵐の手を握り、目元をごしごしとこすると、俺達を見てにかっと笑って見せた。
「その通りだ。
本当に、ありがとうな。」
その笑顔に少年と少女もどこか安心した表情を見せ、小さく首を振っていた。
ただ、青年だけが笑顔を張りつけているのが引っかかっていた。
彼には忘れられない何かがある。
それが彼を捉えて離さない。
それだけは俺にも分かっていた。
そして、彼がとらわれている以上、もはや俺達も囚われたに等しい。
少年も、姫も、白饅頭も、もう青年を無視できない。
彼の流す涙は、己の流す涙よりも辛いというような、優しい子たちだから。
(・・・もう時間はない。)
野生の勘が、何かを訴えていた。
「っ!」
寝ていたところに突然襲いかかられ、咄嗟に反撃に出る。
相手を殴ろうと動くも、その手を押さえこまれてしまう。
布を目元に掛けられ、何も見えない。
(安心しすぎていた、気配に気づけないなんて!)
いつも隣にいてくれる忍者さんに、余りに頼りすぎていたと反省するも時すでに遅し。
あんなに気配に敏感だったはずなのに、侵入者に気づけないなんて。
(黒様はどうしたんだ!?)
彼女を呼ぼうにも口に何かが詰め込まれ、声が出ない。
両手が頭上で抑え込まれた。
どんな押さえ方をされているのか分からないけれど、力が入らない。
相手はかなりのやり手だ。
しかし考えてみれば、オレがやられる前に、彼女が気づくはずだ。
彼女はオレよりも気配に敏感だから。
少なくともこの物音で起きるはず。
(ではなぜ助けてくれない・・・?)
思ってから、答えは一つしかないと気づいた。
思わず笑いが漏れる。
「大声を上げるな。
いいな。」
低い声は、聞き覚えのあるもの。
思いのほか冷静で、感情を感じさせない。
オレは頷く。
顔から布が取られ、そして口の中に詰められた布が取られた。
「・・・ひっさしぶりだから、びっくりしたよ、黒たん。」
そう、オレを襲っている張本人こそ、黒様だ。
紅い目がじっと俺を見据える。
彼女の右手がオレの喉にかかっている。
いつでも絞め殺せるだろう。
「使わないのか。」
彼女が何を言っているのか分かっている。
「何のこと?」
笑顔を張りつけてそう尋ねた。
微かに喉が締め付けられる。
(なるほど、話せっていう警告か。)
「お前は、何から逃げている?」
黒たんは、無表情だ。
暗い部屋の中に、紅い瞳だけが二つ、燃えるように浮かんでいる。
微かに潤んでいるように見えるのは錯覚だろうか。
表情をひた隠しにしているのに、何かに脅えているようにも見える。
否、隠しているからこそ、脅えて見えるのかもしれない。
悟られないようにと、必死に隠しているから。
(彼女もまだ二十歳そこそこの娘なんだ。)
どんなに刀を振るおうと、どんなに人を殺していようと、脅えることだってある。
オレとも生きている年数が違う。
初めて出会ったあの日も、オレはこうして同じように問いかけられた。
旅の、本当の目的を。
(何も変わっていないな、こうやって詰問して聞き出そうっていうところなんて。)
思わず笑いが漏れた。
どうしてだろう、嬉しいのかな。
「大丈夫だよ、黒ぽん達にあの人は危害を加えたりしない。」
彼女はきっと怖いんだ、サクラちゃんや小狼君を失うことが。
だからオレを、オレの持つ危険を排除したいんだ。
そんな暴力的なところだって、変わっていない。
「・・・アシュラ王か。」
思わず身体がピクリと動いた。
嫌だ。
黒りんは嫌だ。
いらないことばかり覚えている。
いらないところばかり見ている。
それも初めからだった。
「アシュラ王は何者だ。
どんな術を使う?」
「何言ってるの、黒たん。」
「それはこっちの台詞だ。」
殺気の籠った紅い目。
背筋がぞくりとする。
好きなのだ、この感覚。
彼女の目に、オレしか映っていない、この瞬間が。
「隠していること、洗いざらい話してもらおうか。」
彼女は小狼君とサクラちゃんが本当に大好きだから。
だから、オレの敵になってしまうのかな。
これもまた、初めのころから気づいていたこと。
「またわけのわからない被害妄想に走っているだろう。」
紅い目はとても攻撃的で、心までえぐり出しそうな色をしている。
「まだ言わせるのか。」
黒たんの頬が気のせいか赤い。
そうか、これは朝日の色だ。
昨日ぼやけた視界にも、映っていた。
あの紅い目は殺気を帯びているのに、どこか子どものようで可愛らしい。
それが何か、思い出してはいけない何かを引き出しそうで、怖い。
「俺は守りたい。
少年と、姫と、あの白饅頭と、それから・・・。」
切なげに歪んだ紅い瞳。
何故だろう。
なぜ彼女はこんな顔をしているんだろう。
続けられるであろう言葉が恐ろしくて、気持ちが悪い。
「お前を守りたいんだ。」
吐き出された言葉に、反射的に黒様を殴り飛ばし、無防備になった腹を蹴り飛ばしていた。
鈍い音を立てて、黒様が足元の壁に背中を打ちつけ、むせながら蹲った。
体が震える。
恐怖に。
何に対する恐怖なのか、もはや分からなくなっていた。
そのことさえ、恐怖を更に増長させた。
「何が・・・何が分かる!」
叫んでいた。
こんなつもりじゃなかったのに。
ずっと閉じ込めておくつもりだったのに。
気持ちが、滅茶苦茶で、歯止めがきかない。
「オレに、構うな!」
黒い髪に隠された顔。
表情は見えない。
見たくもない。
ひく、ひく、と動く背中。
目ざわりで仕方がない。
自分の荒い呼吸も、耳触りで仕方がない。
心がかき乱されて、仕方がない。
オレは部屋から出て、川に顔を洗いに向かった。
外の風で頬が冷えて、何か冷たいものが流れているのを感じた。
それが何かなんて、考えたくなかった。
拳に、黒様の頬の感触が残っている。
柔らかくて、温かくて、滑らかな。
(消し去ってしまいたいっ!)
どれほど洗っても、消えることなんてなくて、むしろ冷たい水のせいで記憶が鮮明になるばかりだった。
「・・・さん・・・ファイさん!」
声にはっと顔を上げると、サクラちゃんが不安そうにオレを見ていた。
「どうしたんですか?」
赤くなった手を、そっと包み込む、小さな手。
「ちょっと・・・汚れ・・・ちゃって、洗っていたんだ。」
オレは上手に笑えていたんだろうか。
タオルでオレの濡れた顔や髪、そして手をぬぐってくれる。
こんなオレを、サクラちゃんを守ろうとした黒たんを傷つけたオレを、何も知らずにいたわってくれる彼女の優しさが、オレの胸を締め付ける。
失った命は戻らない。
昨夜、蛍のようにして空ちゃんも嵐さんも消えて行ってしまった。
あの子だって、もう帰って来やしないんだ。
それならオレ昨日一緒に消えていればよかった。
それでよかったんだ。
「・・・ごめん、一人にさせてくれるかな。」
サクラちゃんは悲しそうにオレを見て、それから向こうへ駆けて行った。
時折不安そうにオレを振り返って。
オレはあの子たちのために何ができるんだろう。
裏切り者のオレに、いったい何が。
(やっぱり、嫌いだ、黒りんなんて。)
オレにいつも現実をつきつける。
お前は敵だ、と。
愛情を見せることで、オレの罪を色濃く映し出す。
(大嫌いだ。)
(・・・手加減なし、か。)
壁にもたれて天井を仰いだ。
背中が痛い。
腹が痛い。
頬も痛い。
口の中が血の味がする。
(久しぶりかも知れない。
こんな負け戦。)
目を閉じると浮かんでくる、必死の顔。
(そんな顔もできるんだな。)
思わず笑った。
もう待ったは無しだ。
彼には向き合わなければならないことが多すぎる。
つまりは、俺達が向き合わなければならないことが多すぎるのだ。
もういい加減、この平穏な関係を砕いてでも、変わらなければならない。
彼が魔法を使ったのだ。
時間はもうない。
(それにしても見事に砕けたな。)
肋骨はヒビが入ったかもしれない。
受け身を取れなかったから。
顔の内出血もひどいことだろう。
(俺も馬鹿だな。)
彼に力いっぱい殴られたのがショックで、蹴りを受け止められ名さなかったなんて、自分でも馬鹿げていると思う。
(俺は決めたんだ。
お前を、お前たちを、守って見せる。)