日本
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
暖かい気候が、オレ達の回復を早めてくれる。
黒鋼はようやく医務室から自室に戻り、服も普段着になった。
「黒鋼様!
お久しゅうございます!!!」
「ああ。
達者であったか。」
「左腕がっ!」
「騒ぐな。
片腕を失ったところで俺は強い。」
「よくぞご無事で!」
「心配をかけたな。」
「大けがをなさった姿を見た時は心臓が止まるかと。」
「馬鹿か。
お前が死んでどうする。」
「黒鋼様!
お団子を作りましたの!」
「皆が見舞いだと甘味を持ってくるから、食べすぎだと梅殿に叱られ通しだ。」
笑い声が弾ける。
意外だった。
あの笑いの中心に、黒ぽっぽがいる。
流れるような黒髪を紅い髪紐で結えて、簪を挿している。
先についた紅いとんぼ玉に金箔が散らされている粋なもの。
陽の光を受けてキラキラとするそれは、黒髪によく映えていた。
赤味がかった深い焦茶色の着物は、白く月が染め抜かれている。
帯は瞳とおなじ紅のシンプルな物。
黒様と城内を歩くとそこここで声をかけられる。
皆黒たんを慕っていることは一目瞭然だ。
部屋への見舞いも絶たず、自室の入り口に、
『見舞いお断り』
『甘味禁止!』
の札が立ったくらいだ。
ちなみに甘味禁止を立てたのは食事係の梅という中年の女性だ。
黒たんを始めとする忍軍の食事管理を預かっているらしく、皆に母親のように慕われている。
見舞いの品と言って甘味を持ってくる者が後を絶たず、梅が食べすぎは体に毒だと量制限をかけたのだ。
黒たんの甘い物好きはどうやら白鷺城では有名らしい。
「ずいぶんと人気者なんだな。」
取り巻かれているのを見て、小狼君が驚いたように言った。
隣で蘇摩さんが嬉しそうに笑う。
「女性からはあの整った容姿でずいぶんと好かれるようです。
女だとは伏せておりますし。
近くで世話をする者達も、居ればいたで世話が焼けて困るのですが、居ないとどうもさみしいようで。
男性からも国一番の腕を持つため指導をすぐに乞われます。
ああ見えてマメな方で、部下の顔も皆覚えている。」
「知らなかったな、黒鋼のそんなところ。」
モコナがぽつりとつぶやいた。
「やっぱり・・・旅の間はさみしかったのかな。」
その小さな背中はとてもさみしげで。
「そんなことはありませんよ。
現に、あの子は前よりも強くなった。
あの子が強くなるということは、それだけ護りたいという思いが強かったということ。」
「じゃあ・・・」
モコナがオレと小狼君を嬉しそうに見上げるから、オレ達は思わず照れたように笑ってしまった。
「おれ達のことも、大切に思っていてくれたんだな。」
照れている小狼君の言葉に、モコナは黒りんの方へとぴょこんと飛び跳ねていく。
「よかったー!」
愛らしい声が響き、黒たんを囲んでいた人たちがびっくりしている。
その無邪気な姿に、今はここにいないサクラちゃんやもう一人の小狼君を思う。
黒たんは、あの二人の幸せもずっとずっと願っていた。
健やかに成長していくことを祈り、見守っていた。
「・・・必ず助ける。」
同じことを隣にいる小狼君も思ったのだろう。
決意に満ちた言葉に、オレはひとつうなずいた。
「でも、ひとりで頑張るのはなしだよ。
怪我をするのも、駄目。
お父さん、怒るから。」
そう言えば小狼君は少し驚いた顔をしてから、やっぱり照れたように笑った。
「・・・ありがとう。」
この子はあの小狼君と同じでそっくりだけれど、やっぱりおいたちが違う分少しだけ違う。
あの小狼君よりも悲しげで、寂しそうだ。
だからきっと、黒様も願っている。
この小狼君が、もっと笑顔でいられることを。
人垣を散らしながら、黒たんがこっちにやってくる。
どうやら今日の目的を思いだしたらしい。
今日は知世ちゃんに会って、それからサクラちゃんの躯の様子を見に行くのだ。
わらわらと名残惜しげに散っていく人たち。
黒たんは穏やかな顔をオレ達に向ける。
黒鋼は確かに整った容姿をしていて、他の世界でも人目を惹いていた。
でもやはりホームは違うのかもしれない。
彼女はこの日本国で絶大な人気がある。
道を通れば女性陣からは黄色い悲鳴がするし、男性陣からは尊敬のまなざしを受ける。
黒たんはそれに応えるかのように、容姿も整えていた。
着物もいつもこだわりのあるものを着ているし、髪飾りもつけることが多い。
特に知世姫に会う時はぬかりない。
まるで恋人に会うかのように美しく着飾る。
タイミングを誤って会いに行くと、服選びにつきあわされるぐらいだ。
今までどの国に行っても自分で選ぶのは黒い服ばかりだったから、意外だった。
「黒鋼の普段着って、そんな感じなんだね。」
嬉しそうなモコナはぴょこんと小狼君の頭に飛び乗る。
「俺の趣味というわけではない。
・・・月読のだ。
あとはもらいもの。」
ふいっと顔をそらすのは照れているのだろうか。
「へぇ、じゃあこの着物も?」
「月読だ。」
「月読様はお洋服を作るのが趣味なんです。」
蘇摩さんがフォローしてくれる。
「それはすごいねぇ。
そういえばピッフル国の知世ちゃんも、サクラちゃんにお洋服の作っていたっけ。
じゃあ髪飾りは?」
黒様は何気ない風で、でも口元に淡い笑みを浮かべた
「これは、蘇摩が誕生日にくれたものだ。」
蘇摩は急に話しが自分に向いて、おろどいたような顔をしたが、すぐに嬉しそうに笑った。
「そうでしたね。」
その様子に、黒ぽんが人気な理由もにじみ出ていて。
「もー、黒様ったら女ったらしぃー」
「誰がだ。」
オレ達の周りでも、笑いが弾けた。
黒鋼はようやく医務室から自室に戻り、服も普段着になった。
「黒鋼様!
お久しゅうございます!!!」
「ああ。
達者であったか。」
「左腕がっ!」
「騒ぐな。
片腕を失ったところで俺は強い。」
「よくぞご無事で!」
「心配をかけたな。」
「大けがをなさった姿を見た時は心臓が止まるかと。」
「馬鹿か。
お前が死んでどうする。」
「黒鋼様!
お団子を作りましたの!」
「皆が見舞いだと甘味を持ってくるから、食べすぎだと梅殿に叱られ通しだ。」
笑い声が弾ける。
意外だった。
あの笑いの中心に、黒ぽっぽがいる。
流れるような黒髪を紅い髪紐で結えて、簪を挿している。
先についた紅いとんぼ玉に金箔が散らされている粋なもの。
陽の光を受けてキラキラとするそれは、黒髪によく映えていた。
赤味がかった深い焦茶色の着物は、白く月が染め抜かれている。
帯は瞳とおなじ紅のシンプルな物。
黒様と城内を歩くとそこここで声をかけられる。
皆黒たんを慕っていることは一目瞭然だ。
部屋への見舞いも絶たず、自室の入り口に、
『見舞いお断り』
『甘味禁止!』
の札が立ったくらいだ。
ちなみに甘味禁止を立てたのは食事係の梅という中年の女性だ。
黒たんを始めとする忍軍の食事管理を預かっているらしく、皆に母親のように慕われている。
見舞いの品と言って甘味を持ってくる者が後を絶たず、梅が食べすぎは体に毒だと量制限をかけたのだ。
黒たんの甘い物好きはどうやら白鷺城では有名らしい。
「ずいぶんと人気者なんだな。」
取り巻かれているのを見て、小狼君が驚いたように言った。
隣で蘇摩さんが嬉しそうに笑う。
「女性からはあの整った容姿でずいぶんと好かれるようです。
女だとは伏せておりますし。
近くで世話をする者達も、居ればいたで世話が焼けて困るのですが、居ないとどうもさみしいようで。
男性からも国一番の腕を持つため指導をすぐに乞われます。
ああ見えてマメな方で、部下の顔も皆覚えている。」
「知らなかったな、黒鋼のそんなところ。」
モコナがぽつりとつぶやいた。
「やっぱり・・・旅の間はさみしかったのかな。」
その小さな背中はとてもさみしげで。
「そんなことはありませんよ。
現に、あの子は前よりも強くなった。
あの子が強くなるということは、それだけ護りたいという思いが強かったということ。」
「じゃあ・・・」
モコナがオレと小狼君を嬉しそうに見上げるから、オレ達は思わず照れたように笑ってしまった。
「おれ達のことも、大切に思っていてくれたんだな。」
照れている小狼君の言葉に、モコナは黒りんの方へとぴょこんと飛び跳ねていく。
「よかったー!」
愛らしい声が響き、黒たんを囲んでいた人たちがびっくりしている。
その無邪気な姿に、今はここにいないサクラちゃんやもう一人の小狼君を思う。
黒たんは、あの二人の幸せもずっとずっと願っていた。
健やかに成長していくことを祈り、見守っていた。
「・・・必ず助ける。」
同じことを隣にいる小狼君も思ったのだろう。
決意に満ちた言葉に、オレはひとつうなずいた。
「でも、ひとりで頑張るのはなしだよ。
怪我をするのも、駄目。
お父さん、怒るから。」
そう言えば小狼君は少し驚いた顔をしてから、やっぱり照れたように笑った。
「・・・ありがとう。」
この子はあの小狼君と同じでそっくりだけれど、やっぱりおいたちが違う分少しだけ違う。
あの小狼君よりも悲しげで、寂しそうだ。
だからきっと、黒様も願っている。
この小狼君が、もっと笑顔でいられることを。
人垣を散らしながら、黒たんがこっちにやってくる。
どうやら今日の目的を思いだしたらしい。
今日は知世ちゃんに会って、それからサクラちゃんの躯の様子を見に行くのだ。
わらわらと名残惜しげに散っていく人たち。
黒たんは穏やかな顔をオレ達に向ける。
黒鋼は確かに整った容姿をしていて、他の世界でも人目を惹いていた。
でもやはりホームは違うのかもしれない。
彼女はこの日本国で絶大な人気がある。
道を通れば女性陣からは黄色い悲鳴がするし、男性陣からは尊敬のまなざしを受ける。
黒たんはそれに応えるかのように、容姿も整えていた。
着物もいつもこだわりのあるものを着ているし、髪飾りもつけることが多い。
特に知世姫に会う時はぬかりない。
まるで恋人に会うかのように美しく着飾る。
タイミングを誤って会いに行くと、服選びにつきあわされるぐらいだ。
今までどの国に行っても自分で選ぶのは黒い服ばかりだったから、意外だった。
「黒鋼の普段着って、そんな感じなんだね。」
嬉しそうなモコナはぴょこんと小狼君の頭に飛び乗る。
「俺の趣味というわけではない。
・・・月読のだ。
あとはもらいもの。」
ふいっと顔をそらすのは照れているのだろうか。
「へぇ、じゃあこの着物も?」
「月読だ。」
「月読様はお洋服を作るのが趣味なんです。」
蘇摩さんがフォローしてくれる。
「それはすごいねぇ。
そういえばピッフル国の知世ちゃんも、サクラちゃんにお洋服の作っていたっけ。
じゃあ髪飾りは?」
黒様は何気ない風で、でも口元に淡い笑みを浮かべた
「これは、蘇摩が誕生日にくれたものだ。」
蘇摩は急に話しが自分に向いて、おろどいたような顔をしたが、すぐに嬉しそうに笑った。
「そうでしたね。」
その様子に、黒ぽんが人気な理由もにじみ出ていて。
「もー、黒様ったら女ったらしぃー」
「誰がだ。」
オレ達の周りでも、笑いが弾けた。
