墨染桜編
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それにしても、自分と結婚したいと言っていた子どもがいつのまにか伴侶を見つけているというのは、何とも嬉しく、そして少しだけ、寂しいものだ。
咲も淡く微笑んでから席を立ち茶を淹れて戻ってきた。
白哉の前に出しながら呟く。
「あんなにお小さかったのに、お二人とも本当にご立派になられて」
すると白哉は微かに頬を赤らめた。
「……お前は、その……憧れであった」
父と共に戦うその凛とした姿。
自分に向ける無償の愛。
祖父や父の厚い信頼。
誰よりも近くにいる、家族以外の異性。
誰よりも近くにいる、家族以外で自分を大切にしてくれる人。
その全てが#咲#だった。
「だが、共に歩むというのは憧れとは違うのだな。
互いの理解が要る。
お前は私を理解してくれたが、私にお前を理解させてはくれない」
僅かに拗ねる様子を見てとって、咲は小さく笑う。
出逢ったときから、白哉と緋真は素であったと思い出す。
共に在った時間が、彼らにとって特別であったのだ。
貴族と流魂街の娘。
その両者は普通ならば相容れることはない。
もし自分が緋真を見つけなければ、
もし蒼純に与えられた庵に匿わなければ、
もし白哉にその存在を知られなければ……2人は出逢うことなかっただろう。
そして今のような立派な姿を見ることはなかったかもしれない。
緋真の支えが、理解があったからこそ、幾多の辛苦を白哉は乗り越えたのだ。
そしておそらく、逆も然り。
「もったいないお言葉にございます」
わざと畏まっていえば、白哉に睨まれ、咲は笑みを深めた。
「お前もいい加減身を固めてはどうか」
「何を」
「どちらを選ぼうと幸せになれよう」
この時、白哉と咲の頭には、同じ2人の姿が思い浮かんでいた。
咲に婚姻の意識はもちろんないが、彼が示すのであれば浮竹と京楽の事であろうというのは明白な事であった
さらに言うならば、今恋人であるはずの 銀城のことは、ちらりとも脳裏をかすめることはなかった。
ーー このことに咲はしばらくしてから気づき、また頭を悩ませることになる。
咲も淡く微笑んでから席を立ち茶を淹れて戻ってきた。
白哉の前に出しながら呟く。
「あんなにお小さかったのに、お二人とも本当にご立派になられて」
すると白哉は微かに頬を赤らめた。
「……お前は、その……憧れであった」
父と共に戦うその凛とした姿。
自分に向ける無償の愛。
祖父や父の厚い信頼。
誰よりも近くにいる、家族以外の異性。
誰よりも近くにいる、家族以外で自分を大切にしてくれる人。
その全てが#咲#だった。
「だが、共に歩むというのは憧れとは違うのだな。
互いの理解が要る。
お前は私を理解してくれたが、私にお前を理解させてはくれない」
僅かに拗ねる様子を見てとって、咲は小さく笑う。
出逢ったときから、白哉と緋真は素であったと思い出す。
共に在った時間が、彼らにとって特別であったのだ。
貴族と流魂街の娘。
その両者は普通ならば相容れることはない。
もし自分が緋真を見つけなければ、
もし蒼純に与えられた庵に匿わなければ、
もし白哉にその存在を知られなければ……2人は出逢うことなかっただろう。
そして今のような立派な姿を見ることはなかったかもしれない。
緋真の支えが、理解があったからこそ、幾多の辛苦を白哉は乗り越えたのだ。
そしておそらく、逆も然り。
「もったいないお言葉にございます」
わざと畏まっていえば、白哉に睨まれ、咲は笑みを深めた。
「お前もいい加減身を固めてはどうか」
「何を」
「どちらを選ぼうと幸せになれよう」
この時、白哉と咲の頭には、同じ2人の姿が思い浮かんでいた。
咲に婚姻の意識はもちろんないが、彼が示すのであれば浮竹と京楽の事であろうというのは明白な事であった
さらに言うならば、今恋人である
ーー このことに咲はしばらくしてから気づき、また頭を悩ませることになる。