新副隊長編
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霞大路家の護衛隊が邸宅付近で発生した虚と交戦。
虚は奇形種で心理操作または幻覚を見せることは分かったが、詳細については不明。
護廷に援軍要請があり、一番隊五席如月秦戉、六番隊副隊長志波一心、卯ノ花咲が向かった。
内、如月秦戉については心理操作を行われたと見られ、山本元柳斎により厳正に処理された。
卯ノ花については重症の為入院。
白哉は探し出した報告書の束を閉じ、所定の棚に仕舞い、何事もなかったかの様に大霊書回廊を進む。
ここには全ての任務の報告書が直されている。
他の大したことのない任務同様、その報告書はとても簡素な物だった。
正に、その任務から帰還した重傷の彼女を四番隊まで運んだのは自分だ。
あの時、確かに技術開発局へ荷物を届けたはずだ。
その時の咲の服装も商人の様で、まるで潜入任務に就いていたかの様だった。
だが報告書にはその事は一言も記載されていない。
白哉にとって違和感でしかなかった。
霞大路家と言えば、四大貴族には及ばぬもの上流貴族に名を連ねる一家で、宝剣鋳造の技術を持つと聞く。
何より霞大路家は、白哉の母の生家だ。
思い出されるのは一心が自分に指示を出す際に一瞬見せた、迷った様な表情。
彼が迷ったのは、自分と咲の関係故だろうか。
それともーー
「おーい、程々にしとけよ」
かけられた声にぴくりと手を止める。
その手が取ろうとしていたのは、咲が重傷を負った前、霞大路家が絡んでいた案件の報告書であった。
「ここの検索記録は、権限があれば確認できるんだぜ。
知らねぇのか?」
薄暗い回廊内の青白い灯に一心の険しい顔が照らされる。
白哉はその忠告に従い、彼の後ろについて外に出た。
そしてその背中にーー後数日で他隊の隊長へと昇進する背中に、声をかける。
「副隊長、うかがいたいことがあります」
「……だろうな。
聞かれるなら俺だろうと思っていたよ」
ため息をつきながら頭を掻く背中に着いてゆく。
「俺ん家で飲む事になるけど、いいか?」
「はい」
空には三日月が登る。
朽木家の斬魄刀は、雪月花を司ることが多いのは有名で、祖父は雪、自分は桜であるし、父はーー月であった。
ー煌け
その解号で現れる先がまるで三日月のような形の槍は白く輝き、その柄の彫刻も美しいと有名であった。
それを目にすることはもう一生ないが、月を見るたび自分は父を思い出すだろうと、白哉は思うのだった。
一心に隊長昇格の辞令が来たのは1月前。
そしてその時、白哉には副隊長への昇格の辞令が来た。
目の前を歩く男は、白哉が越えねばならない壁だ。
副隊長章は、ある程度劣化しない限りは前副隊長の物を引き継がれる事になっている。
彼の腕に着けられた副隊長章は、蒼純が最期に着けていた物だ。
傷は幾つかあったが、一心はそれをそのまま使い続けた。
それが数日後には自分の左腕に着く。
その心中はとても一言で表せるものではない。
精霊廷の端にある一軒家の門を、一心が開けた。
隊長が住まうには小さく質素な家だが、悪い意味ではなく、彼らしいと白哉は思った。
元より志波の者はあまり貴族らしさを好まないことは知っている。
「失礼致します」
「そう畏まるな。
俺は時期朽木家の当主と飲むんじゃねえぞ、 可愛い後輩と飲むんだからな」
一心はそう言いながら部屋の奥へと進み、がらがらと戸を開けた。
