新副隊長編
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咆哮を上げて走りゆく如月を部下に追わせ、貫井は足元の咲を見下ろす。
「後は貴様の自死を待つのみ!
さぁ……」
パリン
甲高い音が貫井の右手からした。
砕我 の鏡にひびが入り、砕けたのだ。
その砕けた鏡面に、貫井をじっと見つめる咲が映る。
はっと、その姿を探した時には目の前に刀を構えた咲が立っていた。
「何故……」
「苦しめる為に記憶を操作し過ぎたのが仇となったな。
副隊長は、あの様な心の弱いお方ではない」
「ふざけるな!
もともとあの男は虫が好かなかったのだ!
軟弱な面をしやがって、大した力も持たず、親の七光りで副隊長という席を得、そして月雫 様まで!!!」
「そう思うのであれば、それこそお前の力不足だ。
副隊長の実力を見抜けなかった、お前の」
「黙れ!!!
全ては奴の、そしてお前のせいだ!!!
何故月雫様を殺した!!
あのお方の全てを奪いやがって!!!」
「月雫様の最後の願いを叶えるためだ」
「何を!命を喪って何があると言うのか!!!」
「月雫様の思いはどうなる?
自分の命に変えてでも御子様を護ろうとされた思いは?
慈しみお腹で育てた子への愛は?
命をかけた思いは?!」
貫井は狼狽え、一歩下がった。
彼に何を言われようと、今は心に迷いは無い。
月雫の最期の願いを叶え、そして蒼純の最期の願いを叶えることーー脳裏に蘇る凛と伸びた白哉の背中が、咲の剣を強くする。
咲は一瞬の隙を突いて大きく剣を振う。
咄嗟のことに貫井は体をそらせたが、顔に大きな傷を作った。
呻き声を上げながらも刀を構え直す貫井。
「黙れ黙れ黙れ!!!
もう何も残ってはいない!
蒼純は無惨にもお前に殺されたのであろう!
ならば後はお前と、あの糞餓鬼を殺すのみ!!!」
咲は改めて刀を構える。
彼を殺すのであればこの手でと思ったその肩に手が置かれた。
「無理すんな」
「……副隊長、私が」
一心は黙って頭を振ると一歩踏み出した。
大きな背中が咲の前に立つ。
「お前は技術開発局へ急げ。
蒼純副隊長を侮辱する奴は、俺が切ってやる」
そう言われて背中に背負う籠を思い出す。
同時に姿のない如月を思い出すが、恐らくその疑問の答えは今ここに来た一心は知らないだろう。
「待て!!俺はその罪人を殺すんだ!!!
邪魔立てするな!!!」
振りかぶられた砕我を一心が受け止める。
「行け!!」
一心の強い言葉に咲は頷き、地面を蹴る。
今はこの仇撃ちに付き合う暇などない。
(如月殿と貫井は格が違う。
この男はただの復讐者だ。
己の使命を、生きる道を見つめておられる如月殿とはまるで違うーーこの証拠を届ける事こそ、私が今すべきことだ)
「ええい!止めろ!!!」
走り出した咲に、貫井の部下が踊りかかる。
貫井の攻撃により霊力面、体力面から見てもかなり消耗している咲は打ち合いを避け、刃を潜り抜け、最後の力を振り絞って瞬歩で大きく飛んだ。
「後は貴様の自死を待つのみ!
さぁ……」
パリン
甲高い音が貫井の右手からした。
その砕けた鏡面に、貫井をじっと見つめる咲が映る。
はっと、その姿を探した時には目の前に刀を構えた咲が立っていた。
「何故……」
「苦しめる為に記憶を操作し過ぎたのが仇となったな。
副隊長は、あの様な心の弱いお方ではない」
「ふざけるな!
もともとあの男は虫が好かなかったのだ!
軟弱な面をしやがって、大した力も持たず、親の七光りで副隊長という席を得、そして
「そう思うのであれば、それこそお前の力不足だ。
副隊長の実力を見抜けなかった、お前の」
「黙れ!!!
全ては奴の、そしてお前のせいだ!!!
何故月雫様を殺した!!
あのお方の全てを奪いやがって!!!」
「月雫様の最後の願いを叶えるためだ」
「何を!命を喪って何があると言うのか!!!」
「月雫様の思いはどうなる?
自分の命に変えてでも御子様を護ろうとされた思いは?
慈しみお腹で育てた子への愛は?
命をかけた思いは?!」
貫井は狼狽え、一歩下がった。
彼に何を言われようと、今は心に迷いは無い。
月雫の最期の願いを叶え、そして蒼純の最期の願いを叶えることーー脳裏に蘇る凛と伸びた白哉の背中が、咲の剣を強くする。
咲は一瞬の隙を突いて大きく剣を振う。
咄嗟のことに貫井は体をそらせたが、顔に大きな傷を作った。
呻き声を上げながらも刀を構え直す貫井。
「黙れ黙れ黙れ!!!
もう何も残ってはいない!
蒼純は無惨にもお前に殺されたのであろう!
ならば後はお前と、あの糞餓鬼を殺すのみ!!!」
咲は改めて刀を構える。
彼を殺すのであればこの手でと思ったその肩に手が置かれた。
「無理すんな」
「……副隊長、私が」
一心は黙って頭を振ると一歩踏み出した。
大きな背中が咲の前に立つ。
「お前は技術開発局へ急げ。
蒼純副隊長を侮辱する奴は、俺が切ってやる」
そう言われて背中に背負う籠を思い出す。
同時に姿のない如月を思い出すが、恐らくその疑問の答えは今ここに来た一心は知らないだろう。
「待て!!俺はその罪人を殺すんだ!!!
邪魔立てするな!!!」
振りかぶられた砕我を一心が受け止める。
「行け!!」
一心の強い言葉に咲は頷き、地面を蹴る。
今はこの仇撃ちに付き合う暇などない。
(如月殿と貫井は格が違う。
この男はただの復讐者だ。
己の使命を、生きる道を見つめておられる如月殿とはまるで違うーーこの証拠を届ける事こそ、私が今すべきことだ)
「ええい!止めろ!!!」
走り出した咲に、貫井の部下が踊りかかる。
貫井の攻撃により霊力面、体力面から見てもかなり消耗している咲は打ち合いを避け、刃を潜り抜け、最後の力を振り絞って瞬歩で大きく飛んだ。