新副隊長編
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その様子を貫井の鏡で見ていた如月は目を見開く。
「どういうこと、だ……?」
「この罪人が最も苦しんだ記憶を探したが、まさかあの蒼純が虚に成り下がったと言うのか!!!
おもしろい!!!
事が済んだら全て明らかにしてやる、朽木家もこれで終わりだ!!!」
「これは事実だと……そう言うのか!?」
「そうとも、虚となった記憶までは砕我 の手は加えてはいない。
最悪のシナリオに書き換えたのはその後だ!!!
さぁ我が力を存分に味わうがいい!!」
貫井の足元には咲が苦しげに眉を顰めながら倒れ伏していた。
「この罪人の精神が崩壊するまで、何度でも、何度でも!!!
さぁ狂え、狂え!!!」
この時、多くの憶測が如月の頭の中を過った。
虚との戦闘中に殉職したと聞かされた、蒼純のおそらく最期の姿。
寄生型虚にしては違和感がある。
まるで彼自身が虚となる様なその様。
そして真実何がその日に起きたのか。
「あまりに非道な……」
「非道だと?
貴様月雫様の悲惨な最期をしらんからそんな事が言えるのだ!!!
両腕を切り落とされた出産……!!!
なぜ月雫様があんな目に遭わねばならん!
蒼純めが!!!
あの赤子ーー朽木白哉も死ねば良かったのだ!!!」
「まさか……あの朽木が」
戦いに於いて一瞬が命取りとなる事を、如月は長年の経験で熟知しているはずであった。
そのはずであったのに、それでも尚考えに耽ってしまう程、それは驚くべき内容であった。
そしてその一瞬のことであった。
無理にその手に刀を持たされ、途端に体の自由が利かなくなる。
「丁度良い、死神の実験体だ」
「やめろっ。」
「貴様を送り込んだものを殺せ」
腕に刀から生えた触手のようなものが絡みつき、完全に体の自由が奪われる。
まずいと思った。
このままでは藍染や銀嶺、そしてこの計画全ての総司令である総隊長山本までをも襲いかねない。
霊圧が跳ね上がる。
耐えきれない皮膚がばちばちと裂けた。
霞む視界に、倒れ伏す咲が目に入る。
彼女も荒い霊圧により傷つけられ血を流している。
己の不甲斐なさ、これから起こる悪夢への恐怖、そして彼女への憐れみと、そして切望。
ーなぜだ……なぜ私を殺してくれなかった……
こうしてお前を傷つける前に、罪人と、虚となる前に!!!ー
蒼純の気持ちが痛いほど分かった。
如月の口から咆哮が溢れ出た。
幾度貫かれた事だろう。
だが不思議と死ぬ事はない。
目の前の苦しそうにもがき己の行動を悔やみ、それ故に狂いそうな蒼純に、咲は堪らず涙を流す。
「なぜだ、お前は強くなったのだろう!
私を殺せ!
これ以上罪を負わせるなッ!!!」
咲の脳裏に不意に強く生きる白哉の背中がちらつく。
彼のすくりと伸びた背中は、今は亡き 蒼純によく似ている。
真っ直ぐとしたその心、優しさを湛え、正義を貫くその瑞々しさは、父蒼純から受け継いだ。
突き放した彼であるが、本当は沢山父の事を伝えたかった。
どれ程思慮深く、観察力があり、強く、多才で、努力家で……そして優しかったか。
「そう、だ、私は……」
(私は、殺した )
今は遠くにあるその背中が、希望を灯す。
咲はやっと、自分が敵の術中にある事を理解した。
「何故私を殺してくれないのだ!!!」
その言葉に思わず笑う。
「副隊長は強い方だった 。
虚と化した自分を殺せない部下にその責任をなすりつけたりなどされない!
私は副隊長の心をーー」
ーお前が……お前が愛おしいよ、咲ー
その言葉が、砕けそうだった心を温める。
京楽の言った通りだ。
咲は淡い微笑みさえ浮かべた。
「副隊長の心を託された。
優しさも、強さも、全てだ。
そして私はそれを託したい方がいる」
俯いた虚の表情は、動きを封じられた咲からは見えない。
だが目の前のその姿は、例え虚と成り果てようと、懐かしい個人のものであった。
大切な大切な、人であった。
「あなたは、私の弱い心が創ってしまった幻だね。
……辛い思いをさせてごめんなさい」
咲を抑え込んでいた虚の腕はいつのまにか消え、体の傷も全て消えた。
蒼純がゆっくりと顔を上げた。
彼は鏡の中にいた。
気付けばそこは暗い夜空の真ん中で、星々が煌めくーー精神世界であった。
ー咲ー
金色の目をした蒼純が、優しく微笑む。
ー強くなったねー
咲は静かに頭を振る。
ー白哉のことを、これからも頼むよー
穏やかな微笑みに、頬を涙が伝う。
咲も微笑み、ひとつ頷いた。
頭を優しく、撫でられた様な気がした。
「どういうこと、だ……?」
「この罪人が最も苦しんだ記憶を探したが、まさかあの蒼純が虚に成り下がったと言うのか!!!
おもしろい!!!
事が済んだら全て明らかにしてやる、朽木家もこれで終わりだ!!!」
「これは事実だと……そう言うのか!?」
「そうとも、虚となった記憶までは
最悪のシナリオに書き換えたのはその後だ!!!
さぁ我が力を存分に味わうがいい!!」
貫井の足元には咲が苦しげに眉を顰めながら倒れ伏していた。
「この罪人の精神が崩壊するまで、何度でも、何度でも!!!
さぁ狂え、狂え!!!」
この時、多くの憶測が如月の頭の中を過った。
虚との戦闘中に殉職したと聞かされた、蒼純のおそらく最期の姿。
寄生型虚にしては違和感がある。
まるで彼自身が虚となる様なその様。
そして真実何がその日に起きたのか。
「あまりに非道な……」
「非道だと?
貴様月雫様の悲惨な最期をしらんからそんな事が言えるのだ!!!
両腕を切り落とされた出産……!!!
なぜ月雫様があんな目に遭わねばならん!
蒼純めが!!!
あの赤子ーー朽木白哉も死ねば良かったのだ!!!」
「まさか……あの朽木が」
戦いに於いて一瞬が命取りとなる事を、如月は長年の経験で熟知しているはずであった。
そのはずであったのに、それでも尚考えに耽ってしまう程、それは驚くべき内容であった。
そしてその一瞬のことであった。
無理にその手に刀を持たされ、途端に体の自由が利かなくなる。
「丁度良い、死神の実験体だ」
「やめろっ。」
「貴様を送り込んだものを殺せ」
腕に刀から生えた触手のようなものが絡みつき、完全に体の自由が奪われる。
まずいと思った。
このままでは藍染や銀嶺、そしてこの計画全ての総司令である総隊長山本までをも襲いかねない。
霊圧が跳ね上がる。
耐えきれない皮膚がばちばちと裂けた。
霞む視界に、倒れ伏す咲が目に入る。
彼女も荒い霊圧により傷つけられ血を流している。
己の不甲斐なさ、これから起こる悪夢への恐怖、そして彼女への憐れみと、そして切望。
ーなぜだ……なぜ私を殺してくれなかった……
こうしてお前を傷つける前に、罪人と、虚となる前に!!!ー
蒼純の気持ちが痛いほど分かった。
如月の口から咆哮が溢れ出た。
幾度貫かれた事だろう。
だが不思議と死ぬ事はない。
目の前の苦しそうにもがき己の行動を悔やみ、それ故に狂いそうな蒼純に、咲は堪らず涙を流す。
「なぜだ、お前は強くなったのだろう!
私を殺せ!
これ以上罪を負わせるなッ!!!」
咲の脳裏に不意に強く生きる白哉の背中がちらつく。
彼のすくりと伸びた背中は、
真っ直ぐとしたその心、優しさを湛え、正義を貫くその瑞々しさは、父蒼純から受け継いだ。
突き放した彼であるが、本当は沢山父の事を伝えたかった。
どれ程思慮深く、観察力があり、強く、多才で、努力家で……そして優しかったか。
「そう、だ、私は……」
(私は、
今は遠くにあるその背中が、希望を灯す。
咲はやっと、自分が敵の術中にある事を理解した。
「何故私を殺してくれないのだ!!!」
その言葉に思わず笑う。
「副隊長は強い方
虚と化した自分を殺せない部下にその責任をなすりつけたりなどされない!
私は副隊長の心をーー」
ーお前が……お前が愛おしいよ、咲ー
その言葉が、砕けそうだった心を温める。
京楽の言った通りだ。
咲は淡い微笑みさえ浮かべた。
「副隊長の心を託された。
優しさも、強さも、全てだ。
そして私はそれを託したい方がいる」
俯いた虚の表情は、動きを封じられた咲からは見えない。
だが目の前のその姿は、例え虚と成り果てようと、懐かしい個人のものであった。
大切な大切な、人であった。
「あなたは、私の弱い心が創ってしまった幻だね。
……辛い思いをさせてごめんなさい」
咲を抑え込んでいた虚の腕はいつのまにか消え、体の傷も全て消えた。
蒼純がゆっくりと顔を上げた。
彼は鏡の中にいた。
気付けばそこは暗い夜空の真ん中で、星々が煌めくーー精神世界であった。
ー咲ー
金色の目をした蒼純が、優しく微笑む。
ー強くなったねー
咲は静かに頭を振る。
ー白哉のことを、これからも頼むよー
穏やかな微笑みに、頬を涙が伝う。
咲も微笑み、ひとつ頷いた。
頭を優しく、撫でられた様な気がした。
