新副隊長編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
塀に沿って歩いていくと大きな門と、そこから屋敷へと続く長い階段が見えた。
だが表からは入らず裏に回るため、籠を背負い直しそのまま歩き続ける。
研究に関する販売は裏から入ることにもとより決まっているのだ。
同じ貴族でも家によってその屋敷の規模はまちまちだ。
卯ノ花家は上流貴族ではあるが屋敷は比較的こじんまりしている方だろう。
烈が主に住まう母屋と、咲の部屋のある離れ。
茶席を開いたり花道を教えるための客間を兼ねた庵が一棟。
中庭もあり、綺麗に花を植えられているがこの霞大路邸と比べればその差は歴然だ。
広大な敷地の中央にそびえ立つ御殿。
周囲には林、さらにその外に張り巡らされた高い塀。
全ては既知のことであった。
この高い塀を飛び越え、その長い階段を瞬歩で飛びこえ、高い塔の上にあった部屋に飛び込んだーー昔の話だ、と頭を振る。
今の任務に集中しなければ、また別の大切な人の命を喪うことになる。
代々女性が当主となる霞大路家。
月雫 は次女だったから朽木に嫁いだ。
彼女の姉天河千代 が現当主だ。
彼女の子で、次期当主と言われる長女は月長千代 。
天千代が悲愴な死を遂げた忘れられぬ妹の名にもあった月に縁のある宝石の名を、我が子につけたと聞く。
咲はもう一度頭を振った。
霞大路家の闇を暴くことは、間違いなく月雫の縁者を苦しめる。
それを決断したのは、銀嶺だ。
彼の決意は固く、その決心にどれほど悩んだ事だろう。
裏の門を叩く。
内側から門番が顔を出した。
「士谷 薬品の者です」
門番は背負っている籠をちらりと見ると頷き、門を大きく開けた。
「失礼します」
会釈して敷地内に入る。
研究棟があるのはこの裏門から真っ直ぐ西へ進み、それから突き当たりを右に折れた先の蔵と聞かされている。
緊張で霊圧が揺れぬように気を配りながら進む。
丁度蔵の近くで2人の少年に会った。
身なりは使用人の制服のようだが、丁稚奉公か、使用人の子なのか働くにはまだ幼くみえる。
その少年が明らかにこちらを訝しんでいるのが分かり、僅かに戸惑う。
「何奴」
青みがかった黒髪の少年の、まだ子どもらしい声が強く問う。
教えられた答えを述べようとした時、蔵の方から声がした。
「定期的に屋敷の日用品を運搬しているものだ、犬龍」
「雲井殿」
白髪まじりの髪に髭を蓄えた、どこか猿を思わせる眼鏡の初老の男だ。
如月が言っていた 雲井尭覚 とはこの男かとその霊圧と容姿を記憶する。
雲井はを顎でわずかに扉の開いた蔵へ入るよう促す。
「失礼致します」
一礼して笠を深く被ったまま3人の眼差しを横切り、蔵へ入った。
だが表からは入らず裏に回るため、籠を背負い直しそのまま歩き続ける。
研究に関する販売は裏から入ることにもとより決まっているのだ。
同じ貴族でも家によってその屋敷の規模はまちまちだ。
卯ノ花家は上流貴族ではあるが屋敷は比較的こじんまりしている方だろう。
烈が主に住まう母屋と、咲の部屋のある離れ。
茶席を開いたり花道を教えるための客間を兼ねた庵が一棟。
中庭もあり、綺麗に花を植えられているがこの霞大路邸と比べればその差は歴然だ。
広大な敷地の中央にそびえ立つ御殿。
周囲には林、さらにその外に張り巡らされた高い塀。
全ては既知のことであった。
この高い塀を飛び越え、その長い階段を瞬歩で飛びこえ、高い塔の上にあった部屋に飛び込んだーー昔の話だ、と頭を振る。
今の任務に集中しなければ、また別の大切な人の命を喪うことになる。
代々女性が当主となる霞大路家。
彼女の姉
彼女の子で、次期当主と言われる長女は
天千代が悲愴な死を遂げた忘れられぬ妹の名にもあった月に縁のある宝石の名を、我が子につけたと聞く。
咲はもう一度頭を振った。
霞大路家の闇を暴くことは、間違いなく月雫の縁者を苦しめる。
それを決断したのは、銀嶺だ。
彼の決意は固く、その決心にどれほど悩んだ事だろう。
裏の門を叩く。
内側から門番が顔を出した。
「
門番は背負っている籠をちらりと見ると頷き、門を大きく開けた。
「失礼します」
会釈して敷地内に入る。
研究棟があるのはこの裏門から真っ直ぐ西へ進み、それから突き当たりを右に折れた先の蔵と聞かされている。
緊張で霊圧が揺れぬように気を配りながら進む。
丁度蔵の近くで2人の少年に会った。
身なりは使用人の制服のようだが、丁稚奉公か、使用人の子なのか働くにはまだ幼くみえる。
その少年が明らかにこちらを訝しんでいるのが分かり、僅かに戸惑う。
「何奴」
青みがかった黒髪の少年の、まだ子どもらしい声が強く問う。
教えられた答えを述べようとした時、蔵の方から声がした。
「定期的に屋敷の日用品を運搬しているものだ、犬龍」
「雲井殿」
白髪まじりの髪に髭を蓄えた、どこか猿を思わせる眼鏡の初老の男だ。
如月が言っていた
雲井はを顎でわずかに扉の開いた蔵へ入るよう促す。
「失礼致します」
一礼して笠を深く被ったまま3人の眼差しを横切り、蔵へ入った。
