新副隊長編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
未だ不安定な部分は拭い切れないが、咲は任務の中で少しずつ日常を取り戻しつつあった。
時間が解決してくれるものも大きいのだろう。
これならば霞大路家の案件も任せても何とかなりそうだと一心が思い始めた丁度その頃、潜入任務の用意は整った。
何度か集まってきた銀嶺、一心、藍染、如月、そして咲は最終確認を終えた。
「いよいよ明日からだね」
藍染の言葉に如月は頷く。
彼は今夜長期遠征任務に就くという体で十二番隊に行き、そのまま当面の間霊骸に入る。
霞大路家に近づきその内実を掴む為、研究に協力する風を装って研究施設へ潜入する事になっている。
彼と護廷の間を取り繋ぐのが咲の役目だ。
ずっと影で働いてきたため多くに顔の割れていない咲には適任である。
始めこそ如月との任務に不安を抱いていたが、会議を重ねる中で彼が咲に負の感情を抱いていないらしいと分かり、長期に及ぶであろう任務への不安は幾らか軽くなった。
彼程の歳であれば響河の件も知る数少ない隊士であろうに、不思議だ。
その点についてはやはり藍染の人選と言うことだろうか、と思ったりもした。
「繍助君とは話したのかい?」
「勿論詳しい事は話していませんが、何かあれば家族を頼むとは伝えました」
藍染と如月のやりとりに、一心は口を開く。
「お子さんですか」
「はい、一番隊に数年前に入隊致しました」
「そうなんですね」
「親子で死神ですから、日頃から心の準備はしておくように言い聞かせています」
凛々しい表情に、親子の信頼が読み取れた。
実は、と言葉を続けるので皆は彼を見た。
「私の妹は女だてらに気の強い研究者でした。
元々は技術開発局で研究職で雇われていたのですが、より高度な研究をさせてやると言う甘い誘いにのり、霞大路家の研究施設に引き抜かれました。
獏爻刀の研究に携わり、多くの被験者の命を奪う悲惨な研究を告発をしようとして彼女もまた命を奪われました。
もう10年以上前のことです。
私は彼女の無念を晴らすべく、必ず生きて ことを成し遂げます」
単なる復讐者は足元を救われかねない。
だがはっきりと言い切る如月の瞳は、恨みを乗り越えた覚悟を滲ませていた。
妹の覚悟を背負い、自分も覚悟を決め、事を成し遂げようと前へ進む彼は、信頼に値する強さを滲ませる。
妹が大切にしようとしたその命を、彼もまた大切に生きているのだろう。
その事実に、咲は目頭が熱くなり慌てて瞬きをした。
蒼純の仇を取るため、いつか咲を殺すために白哉が強くなった日を思ったのだ。
その時に、ただの復讐者でなく如月のような器を携えていることを、心から祈った。
藍染ただ1人が咲のその様子を痛ましげに見つめ、彼女からそっと目を逸らし、穏やかに頷いて口を開いた。
「その心意気、期待しているよ」
「はい。
卯ノ花、注意すべきは 雲井 尭覚 と 貫井 半左 の2名だ。
雲井は霞大路家の家老で、獏爻刀研究の主犯である。
貫井は獏爻刀の能力者と思しき人物だ。
これからお前に情報の全てを渡していくから、お前も十分に気を付けろ」
冷たくはない、むしろ温かささえ含む言葉に、咲は頷く。
彼とならばこの任務もやり遂げられる確信があった。
銀嶺も、如月も、この任務には並々ならぬ思いを抱えている。
その覚悟に、咲も今一度気を引き締めた。
時間が解決してくれるものも大きいのだろう。
これならば霞大路家の案件も任せても何とかなりそうだと一心が思い始めた丁度その頃、潜入任務の用意は整った。
何度か集まってきた銀嶺、一心、藍染、如月、そして咲は最終確認を終えた。
「いよいよ明日からだね」
藍染の言葉に如月は頷く。
彼は今夜長期遠征任務に就くという体で十二番隊に行き、そのまま当面の間霊骸に入る。
霞大路家に近づきその内実を掴む為、研究に協力する風を装って研究施設へ潜入する事になっている。
彼と護廷の間を取り繋ぐのが咲の役目だ。
ずっと影で働いてきたため多くに顔の割れていない咲には適任である。
始めこそ如月との任務に不安を抱いていたが、会議を重ねる中で彼が咲に負の感情を抱いていないらしいと分かり、長期に及ぶであろう任務への不安は幾らか軽くなった。
彼程の歳であれば響河の件も知る数少ない隊士であろうに、不思議だ。
その点についてはやはり藍染の人選と言うことだろうか、と思ったりもした。
「繍助君とは話したのかい?」
「勿論詳しい事は話していませんが、何かあれば家族を頼むとは伝えました」
藍染と如月のやりとりに、一心は口を開く。
「お子さんですか」
「はい、一番隊に数年前に入隊致しました」
「そうなんですね」
「親子で死神ですから、日頃から心の準備はしておくように言い聞かせています」
凛々しい表情に、親子の信頼が読み取れた。
実は、と言葉を続けるので皆は彼を見た。
「私の妹は女だてらに気の強い研究者でした。
元々は技術開発局で研究職で雇われていたのですが、より高度な研究をさせてやると言う甘い誘いにのり、霞大路家の研究施設に引き抜かれました。
獏爻刀の研究に携わり、多くの被験者の命を奪う悲惨な研究を告発をしようとして彼女もまた命を奪われました。
もう10年以上前のことです。
私は彼女の無念を晴らすべく、必ず
単なる復讐者は足元を救われかねない。
だがはっきりと言い切る如月の瞳は、恨みを乗り越えた覚悟を滲ませていた。
妹の覚悟を背負い、自分も覚悟を決め、事を成し遂げようと前へ進む彼は、信頼に値する強さを滲ませる。
妹が大切にしようとしたその命を、彼もまた大切に生きているのだろう。
その事実に、咲は目頭が熱くなり慌てて瞬きをした。
蒼純の仇を取るため、いつか咲を殺すために白哉が強くなった日を思ったのだ。
その時に、ただの復讐者でなく如月のような器を携えていることを、心から祈った。
藍染ただ1人が咲のその様子を痛ましげに見つめ、彼女からそっと目を逸らし、穏やかに頷いて口を開いた。
「その心意気、期待しているよ」
「はい。
卯ノ花、注意すべきは
雲井は霞大路家の家老で、獏爻刀研究の主犯である。
貫井は獏爻刀の能力者と思しき人物だ。
これからお前に情報の全てを渡していくから、お前も十分に気を付けろ」
冷たくはない、むしろ温かささえ含む言葉に、咲は頷く。
彼とならばこの任務もやり遂げられる確信があった。
銀嶺も、如月も、この任務には並々ならぬ思いを抱えている。
その覚悟に、咲も今一度気を引き締めた。