朽木蒼純編
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突如蒼純の霊圧が跳ね上がり、咲と一心は防衛のため霊圧を上げた。
咆哮と共に辺りの草木が薙ぎ倒され、土煙が上がる。
「なんっつう霊圧ッ・・・」
尋常ではない様子に、一心は冷や汗が噴き出す。
そしてその咆哮の中から、悍ましい声が聞こえた。
「志波!下がれ!」
あの穏やかで温かみのある蒼純の声とは思えないような声に、思わず戦慄が走る。
「聞こえないのかッ!!」
その冷たいほどの声と気迫に思わず後ずさりする。
上司の決死の判断は正しい。
この状況は最早、咲が罪に問われるか否かの程度を大きく超えている。
最悪の事態となった今、残された2者のうちどちらかが銀嶺に報せに走るべきだ。
それを選ぶのは、彼を殺せる部下を選ぶのは、両者の実力を知る者でなければならない。
ーーつまり、蒼純の命令に従う他ないのだ。
咲が蒼純から視線を逸らさず叫ぶ。
「早く!
銀嶺隊長を呼んできてください!」
一心は歯を噛みしめる。
己の不甲斐なさ、悔しさ、恐怖ーー今感じるべきではない感情全てを、振り払うように背を向けた。
「死ぬんじゃねぇぞッ!!!」
そう叫び置いて、瞬歩で駆けた。
咲は足を踏みしめ態勢を整える。
「副隊長。」
彼の優しく暖かく澄んでいた霊圧は、どうしてこれほどまでに禍々しいものになってしまったのか。
「・・・咲。」
声は彼のままだ、苦しげな表情さえ。
だが彼の存在の根本が覆されてしまった。
(違う、副隊長の御心は、何1つ変わってなどいない。
清く正しく美しいその御心が、魂魄が、なぜ虚などに堕ちてしまったのか。)
その問いへの答えは到底出るものではない。
「お前独り残した私を恨んでいるだろうな。」
咲は緩く頭を振った。
志波はひとつの勘違いをしていた。
確かに実力は咲の方が上で、蒼純を殺せる確率も彼女の方が高い。
だが一方を選ぶその時、蒼純の中では確かに影響を及ぼした思い があった。
(同じ殺されるならば咲にーー)
「出過ぎた言葉だとは思いますが、御判断に間違いはないかと。」
蒼純の刀と咲の刀が、咲の首元で甲高い音を立てて激しくぶつかった。
咲自身も自分が選ばれる事は分かっていたし、願っていたのだ。
(副隊長の最期は、私がーー)
「私はこれほどに強くなったお前を恨むよ。
弱ければ辛い任務を頼まずにすんだ。
その身に受けた様々な傷さえ。」
鍔迫合いに限界を感じた咲は、強い衝撃と共に吹き飛ばされた。
蒼純が雄叫びをあげる。
その左肩が引き裂かれ、白骨化した腕が生えた。
「副、隊長・・・。」
「お前は強き故に多くの命を諫め、哀しみの業を背負う。
もしお前が弱ければ、いくら私が望もうと、こうして私を諌める役は頼めなかった。
私の醜い姿も見せずに、すんだのに!!!」
矛盾した思いの根源には、咲と過ごした多くの時と、それ故の信頼と、愛着がある。
降り下ろされる腕を寸前で躱す。
「・・・響河よ、お前もこんな気持ちだったのか。」
その言葉に、彼の気の弱りを感じ、咲は焦る。
「お気を確かに!
副隊長っ!!!」
咆哮と共に辺りの草木が薙ぎ倒され、土煙が上がる。
「なんっつう霊圧ッ・・・」
尋常ではない様子に、一心は冷や汗が噴き出す。
そしてその咆哮の中から、悍ましい声が聞こえた。
「志波!下がれ!」
あの穏やかで温かみのある蒼純の声とは思えないような声に、思わず戦慄が走る。
「聞こえないのかッ!!」
その冷たいほどの声と気迫に思わず後ずさりする。
上司の決死の判断は正しい。
この状況は最早、咲が罪に問われるか否かの程度を大きく超えている。
最悪の事態となった今、残された2者のうちどちらかが銀嶺に報せに走るべきだ。
それを選ぶのは、彼を殺せる部下を選ぶのは、両者の実力を知る者でなければならない。
ーーつまり、蒼純の命令に従う他ないのだ。
咲が蒼純から視線を逸らさず叫ぶ。
「早く!
銀嶺隊長を呼んできてください!」
一心は歯を噛みしめる。
己の不甲斐なさ、悔しさ、恐怖ーー今感じるべきではない感情全てを、振り払うように背を向けた。
「死ぬんじゃねぇぞッ!!!」
そう叫び置いて、瞬歩で駆けた。
咲は足を踏みしめ態勢を整える。
「副隊長。」
彼の優しく暖かく澄んでいた霊圧は、どうしてこれほどまでに禍々しいものになってしまったのか。
「・・・咲。」
声は彼のままだ、苦しげな表情さえ。
だが彼の存在の根本が覆されてしまった。
(違う、副隊長の御心は、何1つ変わってなどいない。
清く正しく美しいその御心が、魂魄が、なぜ虚などに堕ちてしまったのか。)
その問いへの答えは到底出るものではない。
「お前独り残した私を恨んでいるだろうな。」
咲は緩く頭を振った。
志波はひとつの勘違いをしていた。
確かに実力は咲の方が上で、蒼純を殺せる確率も彼女の方が高い。
だが一方を選ぶその時、蒼純の中では確かに影響を及ぼした
(同じ殺されるならば咲にーー)
「出過ぎた言葉だとは思いますが、御判断に間違いはないかと。」
蒼純の刀と咲の刀が、咲の首元で甲高い音を立てて激しくぶつかった。
咲自身も自分が選ばれる事は分かっていたし、願っていたのだ。
(副隊長の最期は、私がーー)
「私はこれほどに強くなったお前を恨むよ。
弱ければ辛い任務を頼まずにすんだ。
その身に受けた様々な傷さえ。」
鍔迫合いに限界を感じた咲は、強い衝撃と共に吹き飛ばされた。
蒼純が雄叫びをあげる。
その左肩が引き裂かれ、白骨化した腕が生えた。
「副、隊長・・・。」
「お前は強き故に多くの命を諫め、哀しみの業を背負う。
もしお前が弱ければ、いくら私が望もうと、こうして私を諌める役は頼めなかった。
私の醜い姿も見せずに、すんだのに!!!」
矛盾した思いの根源には、咲と過ごした多くの時と、それ故の信頼と、愛着がある。
降り下ろされる腕を寸前で躱す。
「・・・響河よ、お前もこんな気持ちだったのか。」
その言葉に、彼の気の弱りを感じ、咲は焦る。
「お気を確かに!
副隊長っ!!!」