朽木蒼純編
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再び虚の侵食が始まったのか、蒼純は再び苦しげな咆哮をあげた。
隣で刀を構える咲の表情は厳しい。
京楽により居酒屋で初めて引き合わされた時に彼女は言っていた。
ー上司は道に反しました。
全てに刃を向け、沢山の人を操り、仲間殺しをさせました。
私は操られた先輩を殺し、同期を殺し、上司の妻をも殺しました。
・・・殺してなお、生き残ってしまった。ー
道に反した上司が響河という男で、蒼純の義弟であり、彼女が蒼純の妻を殺したということは、異動の際に八番隊の古株から教えられた。
そして響河が道に反するきっかけが、当時の数名の隊長による冤罪だということも、それを知る人がもう殆どいなくなってしまったということも。
京楽隊長と親しいのだ、まさか真に罪人ではあるまいと思っていたからこそ、その話に正直なところ安堵したのだ。
だがその先輩は言った。
ー馬鹿言うんじゃない。
どんな人であれ、人を殺した罪は消えやしない。
・・・かく言う俺もな。ー
当時を生きた抜いた人は皆、多くの闇を背負っている。
殊に、咲と蒼純の闇は、深い。
ー己を失ったまま死ぬのも、そうなった方を殺して生きるのも、当時少なくはありません。
・・・そしてまた貴方も、いつかそんな方を殺さなければならないかもしれない。ー
酒の席で彼女が薄暗い瞳で語った時が、こんなにも早くやって来るものだとは想像もしていなかった。
それも、その深き闇に。
(だが、そうも言ってられん。)
一心は咲の隣から一歩踏み出す。
予想外のことに、咲は眉を顰めた。
この場に駆けつけたとき、蒼純は一心に言ったのだ。
ー‘危ないところ’と言うのは、目撃者が必要だと言う話だ。
・・・三席の無実の証明に。ー
現行の罪人である咲が蒼純を斬れば、この虚化も、蒼純の死も、全て彼女の罪として罰されるのは明白だ。
良くて浦原同様全霊力剥奪の上 現世に永久追放。
だがもしそれが今まで全ての虚化の罪を負わされるとなってくれば、極刑さえ視野に入ってくる。
(けど、こいつは何もやってねぇ。
やっているはずがねぇんだ。)
強い哀しみと決意を湛える瞳を思い出す。
そしてまた同じ瞳をして、蒼純のために彼女は全てを背負うつもりなのだ。
だが彼女が己の部下であるならば、自分は彼女を守らねばならないと、一心は思った。
彼女のような死神が、むざむざと罰を受け前線を退くべきではない。
「分ぁったよ。
じゃあ俺は、お前の心を信じる。」
咲は目を見開く。
「だから、お前はこの全ての罪を被るなんて馬鹿をするんじゃねぇ。」
隣で刀を構える咲の表情は厳しい。
京楽により居酒屋で初めて引き合わされた時に彼女は言っていた。
ー上司は道に反しました。
全てに刃を向け、沢山の人を操り、仲間殺しをさせました。
私は操られた先輩を殺し、同期を殺し、上司の妻をも殺しました。
・・・殺してなお、生き残ってしまった。ー
道に反した上司が響河という男で、蒼純の義弟であり、彼女が蒼純の妻を殺したということは、異動の際に八番隊の古株から教えられた。
そして響河が道に反するきっかけが、当時の数名の隊長による冤罪だということも、それを知る人がもう殆どいなくなってしまったということも。
京楽隊長と親しいのだ、まさか真に罪人ではあるまいと思っていたからこそ、その話に正直なところ安堵したのだ。
だがその先輩は言った。
ー馬鹿言うんじゃない。
どんな人であれ、人を殺した罪は消えやしない。
・・・かく言う俺もな。ー
当時を生きた抜いた人は皆、多くの闇を背負っている。
殊に、咲と蒼純の闇は、深い。
ー己を失ったまま死ぬのも、そうなった方を殺して生きるのも、当時少なくはありません。
・・・そしてまた貴方も、いつかそんな方を殺さなければならないかもしれない。ー
酒の席で彼女が薄暗い瞳で語った時が、こんなにも早くやって来るものだとは想像もしていなかった。
それも、その深き闇に。
(だが、そうも言ってられん。)
一心は咲の隣から一歩踏み出す。
予想外のことに、咲は眉を顰めた。
この場に駆けつけたとき、蒼純は一心に言ったのだ。
ー‘危ないところ’と言うのは、目撃者が必要だと言う話だ。
・・・三席の無実の証明に。ー
現行の罪人である咲が蒼純を斬れば、この虚化も、蒼純の死も、全て彼女の罪として罰されるのは明白だ。
良くて浦原同様全霊力剥奪の上 現世に永久追放。
だがもしそれが今まで全ての虚化の罪を負わされるとなってくれば、極刑さえ視野に入ってくる。
(けど、こいつは何もやってねぇ。
やっているはずがねぇんだ。)
強い哀しみと決意を湛える瞳を思い出す。
そしてまた同じ瞳をして、蒼純のために彼女は全てを背負うつもりなのだ。
だが彼女が己の部下であるならば、自分は彼女を守らねばならないと、一心は思った。
彼女のような死神が、むざむざと罰を受け前線を退くべきではない。
「分ぁったよ。
じゃあ俺は、お前の心を信じる。」
咲は目を見開く。
「だから、お前はこの全ての罪を被るなんて馬鹿をするんじゃねぇ。」