朽木蒼純編

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(あれは他の4体とは違う。)

それはの直感だった。
動き方が違うのだ。
本能ではなく、明確な意思があるように見える。

現に他の4体の魂魄が消失したのに対し、その1体は身体を保っている。
同じ直感があったからこそ、蒼純はを向かわせたのだと、信じていた。

(いや、副隊長はもしかしたら、もっと前から・・・)

静かで深い洞察は、の想像を超える。
もしかしたら、事が起こる前から何かを感じていたのかもしれない。

(この根本には何がある?)

虚化した隊士を目にするのは2度目だ。
そして虚化と対峙した隊士は、護廷広しといえどを置いていない。

(・・・なぜ、私が遭遇する?)

危険な任務に就くことが多いのはもちろん理由の一つだろう。
だがどこか、釈然としない。

(・・・いけない、考え事は後回しだ。)

は大きく飛び上がり、俯瞰する。
虚は林の中を走っている。
彼は他の虚と異なり、仮面のある頭部と巨大なネコ科の動物のような両足以外は人の姿を保っていた。
斬魂刀を握りしめているところを見るとどうも胸が痛むが、既に死神にあらず、と自分に言い聞かせる。

彼の違いは、明確だ。

(虚化を受け入れている。
これが初めてではないだろう。)

虚化を受け入れているというキーワードが、ふと眠っていた記憶を呼び覚ます。
フラッシュバックするのは遠い昔に見たあまりに残酷な景色。
崩れかけた大きな屋敷。
火の手が処々で上がり、血の匂いと焼け焦げたにおい、それに虚の体液の匂いが辺りに立ち込めた。
空には美しい満月。
その中で飛ぶように戦う、白い象牙のような、そしての斬魂刀のような形の腕の青年。





(・・・山上様は・・・虚化していたのではないか。)





続けて思い出す、彼によく似た青年。
同じ癖のある茶色がかった髪を一つに結わえ、穏やかな表情を浮かべていた彼は、いつの間にか髪を短く切り、眼鏡をかけるようになっていた。
今や隊長であるが、数年前までは副隊長であり、仲が良くてもおかしくないものを、なぜか蒼純と彼の間には見えない溝があった。

激しい心臓の音に、は追いかけねばならない虚のことを忘れて木の上に立ち止まってしまった。
思考がまとまらない。
京楽や浮竹であればこのヒントから瞬時に結論を見出せただろうが、はまだ、ぼんやりとそこに答えがあるという恐怖を直感で探り当てたに過ぎない。

(いったい、何が・・・)

、何をしている。」

冷たい声に再び心臓が飛び跳ねる。
振り返った先に立つ上司は、剣を抜き、そして、恐ろしく冷たい表情でを見つめていた。
口を開く余裕さえ与えぬ、その殺気。




(殺される!!!!!)




その理由はただ一つ、彼に忠義を尽くせなかった時だ。
が虚を捕らえていないこの現状を、彼が疑っていることに間違いはない。
咄嗟に距離を置き、忠義を示すべく即時に辺りの気配を探る。

そして、目を見開いた。





「副隊長ッ!!!!」

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