朽木蒼純編
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「俺に、行かせてください。」
1人で5体の虚を相手しているのに、決して押されている様には見えない。
彼女は自分より護廷隊士としての歴が長く、副隊長が信頼する程の実力もある。
だが、一心は自分と歳もさほど変わらぬ無席の女に、思う。
彼女に任せられない、と。
それは信頼や実力の話ではない。
ましてや、伯父志波朱鷺和 の死因であったと聞いた事とも関係はない。
「たとえ数日でも、あいつらは俺の部下だったんだ。
俺が、方を付けなきゃならんと思うんです。」
蒼純は一心に再び目を向け、そして穏やかにひとつ頷いた。
「では、頼むよ。」
軽く一礼してから勢いよく飛び出す。
自分の前に躍り出た一心に咲は驚いた顔をした。
「ここは私が。」
「俺にやらせてくれ。」
遮るようにそう強く言い放つ。
(全ては俺の意地だ。)
「一時だけでも俺の部下だったんだ。
・・・始末は俺が着ける。」
その言葉に咲はこくりとひとつ頷き、後ろに飛んで距離を置いた。
(話がわかる奴で助かった。)
一心は微かに口の端を上げると、改めて目の前の敵を見定めた。
敵は5体。
部下だった男達だ。
その筈なのだ。
(何があった?)
一体の虚が咆哮とともに襲いかかる。
(斬るか。)
斬るは容易い。
例え5体であろうと、自分との実力の差は明らかだ。
ただ死神を斬ると言うならば、覚悟がいる。
今や虚と姿を変えようと、まだ少年と青年の狭間であった一心があの日必至に手を伸ばして護りたかったものが、彼らにもあるはずなのだ。
家族
友情
思慕
誇り
挙げ始めたらきりが無いが、その全てを断ち切る事になる。
襲いかかる触手を断ち切ると、虚は痛むのか激しく暴れながら唸り声をあげる。
彼は確か、婚約したところなのだと、照れながら話していた。
他の班員に冷やかされながら、顔を赤らめて穏やかに笑っていたはずなのだ。
(だが、虚となった今、こいつにその未来はない。
・・・胸の穴を婚約者で埋めようと求めぬ内に。)
一思いにと刀を構えた時だった。
目の前の虚は絶叫を上げ、そして突然、爆ぜた。
「なん、なんだ・・・」
まるで体が耐えきれなくなったかのように見えた。
後にはぼろぼろの死覇装だけが残っている。
「咲。」
静かだが鋭い声が通る。
一心が蒼純の声だと気づいた時には、咲は何かを追っていた。
その時始めて、他の虚も姿を失い、残されたのがぼろぼろの死覇装だけであることに気づく。
そしてそれが、4体分しかないことも。
(あいつが追いかけたのは、残りの1体!!)
この一件の真相は、その虚が握っている可能性が高い事は、この場から逃げ出した事を見ても明らかだった。
隣を風のように蒼純が駆け抜ける。
「っ!俺も!!」
我に帰り、慌てて一心も地面を蹴った。
1人で5体の虚を相手しているのに、決して押されている様には見えない。
彼女は自分より護廷隊士としての歴が長く、副隊長が信頼する程の実力もある。
だが、一心は自分と歳もさほど変わらぬ無席の女に、思う。
彼女に任せられない、と。
それは信頼や実力の話ではない。
ましてや、伯父
「たとえ数日でも、あいつらは俺の部下だったんだ。
俺が、方を付けなきゃならんと思うんです。」
蒼純は一心に再び目を向け、そして穏やかにひとつ頷いた。
「では、頼むよ。」
軽く一礼してから勢いよく飛び出す。
自分の前に躍り出た一心に咲は驚いた顔をした。
「ここは私が。」
「俺にやらせてくれ。」
遮るようにそう強く言い放つ。
(全ては俺の意地だ。)
「一時だけでも俺の部下だったんだ。
・・・始末は俺が着ける。」
その言葉に咲はこくりとひとつ頷き、後ろに飛んで距離を置いた。
(話がわかる奴で助かった。)
一心は微かに口の端を上げると、改めて目の前の敵を見定めた。
敵は5体。
部下だった男達だ。
その筈なのだ。
(何があった?)
一体の虚が咆哮とともに襲いかかる。
(斬るか。)
斬るは容易い。
例え5体であろうと、自分との実力の差は明らかだ。
ただ死神を斬ると言うならば、覚悟がいる。
今や虚と姿を変えようと、まだ少年と青年の狭間であった一心があの日必至に手を伸ばして護りたかったものが、彼らにもあるはずなのだ。
家族
友情
思慕
誇り
挙げ始めたらきりが無いが、その全てを断ち切る事になる。
襲いかかる触手を断ち切ると、虚は痛むのか激しく暴れながら唸り声をあげる。
彼は確か、婚約したところなのだと、照れながら話していた。
他の班員に冷やかされながら、顔を赤らめて穏やかに笑っていたはずなのだ。
(だが、虚となった今、こいつにその未来はない。
・・・胸の穴を婚約者で埋めようと求めぬ内に。)
一思いにと刀を構えた時だった。
目の前の虚は絶叫を上げ、そして突然、爆ぜた。
「なん、なんだ・・・」
まるで体が耐えきれなくなったかのように見えた。
後にはぼろぼろの死覇装だけが残っている。
「咲。」
静かだが鋭い声が通る。
一心が蒼純の声だと気づいた時には、咲は何かを追っていた。
その時始めて、他の虚も姿を失い、残されたのがぼろぼろの死覇装だけであることに気づく。
そしてそれが、4体分しかないことも。
(あいつが追いかけたのは、残りの1体!!)
この一件の真相は、その虚が握っている可能性が高い事は、この場から逃げ出した事を見ても明らかだった。
隣を風のように蒼純が駆け抜ける。
「っ!俺も!!」
我に帰り、慌てて一心も地面を蹴った。